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赤ずきん、オオカミとお友達にナル。
好奇心って怖いです。
「いいよ。私で良ければ、キミの友達にしてくれないかな?」
祖母の家に通い始めて、後ろから誰かの気配、自分への視線を感じて振り返っても、誰もいない。そんなことが何回もあった。
それの正体はきっと、彼だったのだろう。
正直に言えば、すごく怪しかった。
それでもミカがユウと友達になりたいと思ったのは、一つはユウに自分と似た気配を感じたからである。
もう一つは好奇心。何かが始まる予感、怖くて逃げ出しそうになるけど、とても楽しくて、甘くて、優しい。
(きっと私はこのオオカミ少年に会うために、今日までを生きてきたんだ。)
そんな風に思えてしまうほどに、この偶然から始まる必然のワンシーンは魅力的だった。
ミカの返事を聞いて、ユウは弾かれたように顔を上げた。
「えっえぇ!?いいの?本当に?!」
「うん、本当!今日からよろしくねユウ!」
ほら、とスカートについた土をはらいながら未だに立ち上がろうとしないユウの手を握り、強引に立ち上がらせる。
この時ミカは、ワクワクの止まらない楽しい日々が始まるのだと、信じていた。