赤ずきん、オオカミに押し倒さレル。
あの有名な童話を、アレンジカバーさせて頂きました。
「俺!ユウっていいます!よかったらお、おっ俺とお友達になってくれませんか?!」
ありえない。信じられない。
どうしてこんなことになっているんだろう。
森で一人暮らしの祖母のために、パンとぶどう酒を届ける道中。
こげ茶色のマントを羽織った男のコがいきなり目の前に現れた。でも問題なのはそこじゃない。
頭の上にはオオカミと思われる獣の耳、マントの下からのぞいているオオカミと思われる獣の尻尾、オオカミと思われるやけに長く、鋭い牙。
そんなどこからどう見たってオオカミ少年にしか見えない初対面の男のコに押し倒された私の気持ちを考えてほしい。
考えたところで分からないだろうけれど。
いまだに私の上からどけようとしないユウと名乗るオオカミ少年。いい加減、訳のわからない状況に頭が痛くなってきた。
呆然と固まる私、ミカに、私の返事を待っているのだろうか、緊張した面持ちのオオカミ少年、ユウ。
「えっと・・・とりあえずどいてほしい、かも」
こうして、私の穏やかで幸せな日々は、とあるオオカミのせいで、憂鬱だけど悪くもない、騒がしい日々へと変貌することとなる。
ツンデレ赤ずきんか・・・