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名はない

作者: 竜騎兵

あるところに一人の少年がいた

普通に学校生活をおくっていた、部活もしていた

しかし、彼は感情がなかった

表情は、単なる表情

どういう場合にどういう顔をすればいいのか考えてから表情にする

負けても、勝っても、痛くても、面白いことをしても

全部作りものの表情


彼は少女に出会った

それほど美少女というわけでもない

可愛かった

染めてはないが少し茶の入った髪には少年を硬直させる魔力があった

何もしてないが少しウェーブのかかった髪には少年を惹き寄せる引力があった

小柄な体には少年を奮わせる清純さがあった

おとなしいのによく笑う声には少年を呼び寄せる美しさがあった


少年は何もかもがいとおしくて、たまらなかった

少年は全てを自分のものにしたかった

しかし少女には二人の少年の幼馴染みがいた

少年は悔しかった

しかし、その二人の少年は少年と仲良しだった

少年は初めて嫉妬というものを感じた


少年と少女がたまたま二人だった

少年は少女に話しかけた

何を話せばいいかよく分からなかった

一生懸命に話した、どうでもいいことなどを

少女が笑うと嬉しかった


少女のその笑顔には…

少年を困らせる不思議さがあった

少女を前にすると少年はどういう顔をすればいいのか、どんな顔をしているのか分からなかった


少年は毎日のように少女を見ていた

これが好きという感情だろうか

しかしその恋はカナワナイ


少女に恋愛という概念がなかった

少年に感情がなかったように


少女が少年に振り向くことはなかった

少年が心から笑うことがなかったように


もう少年は

感情があるのに

心から笑うことができるのに


少年は旅にでた

少女が恋愛に興味を持つように

少女に振り向いてもらうために


恋愛という新たな人生をスタートした

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