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八十一話『結末は自分で変えられる』

 「はッ…」俺は目覚める。どこかも分からないそんな場所。こういう時、なんて台詞を言えばいいんだっけ。嗚呼そうか…。「知らない天井だ」俺が呟くと、ロイが、「レイさんの部屋だよ~ん♡」と説明した。「何だか嫌な夢を見た」俺が言うとロイは、「サユリちゃんの名前呼びながら魘されてたね?」と微笑む。確かに寝汗が酷い。「確か俺は車にいたはず!?どうやって!」俺が起き上がると遅れてやってきたレイが、「所詮十七歳の子供を抱き抱えることぐらい朝飯前ですよ。それより貴方は小柄すぎる。外見だけは本当に可愛らしい。眠ってる時はまるで天使のような姿をしていた」と答えた。俺は、「ッ!?」と目を見開いて動揺する。「無防備で可愛かったね~♡カガミくん♡もう一度眠る?」煽ってくるロイに、「ふざけるなッ!!!俺はそんな扱い方されるような男じゃない!!」と声を荒らげる。「レイさんもレイさんですよ!!普通堂々と男を抱き抱えますか!?!?どいつもこいつも俺を姫みたいな扱いしやがって、」俺が吐き捨てると、ロイは「可愛い可愛い♡」と俺の頭を撫でる。俺が不機嫌な顔をしていると、「いくら反抗したって僕ら大人からすりゃ君なんてただの子供だよ。」そんな反応を見て楽しそうにロイは揶揄う。「それに…着替えだって。パジャマに着替えさせられてるし。」なぜか身にまとっている服を見ながら言っては、「それも僕だよ~?君ったら本当に無防備だからつい♡」とロイは笑った。俺は、「はぁ…」とまた男に身体を見られた事に溜息をつき、片手で頭を抱える。「俺は性的消費コンテンツになるのか」俺が言うと、ロイは「きっと君の人生が誰かが作った物語だとしたら、アニメだとしたら、薄い本が大量に出来上がっていたかもね♡」と煽るように言葉を返した。「そんなのごめんだ、それに本当にこの世界が物語なら、もっとマシなストーリーだったはずだ。それに、どこかに必ず救いがあったはずだ。愛と正義が勝つストーリーなら、俺もこんなに追い詰められていないさ」俺が言うとロイは、「わからないよ♡高次元の存在が宇宙にはいるかもしれないじゃない、実際僕ら死神がいるんだし」と笑顔でベッドに横たわる俺の顔を上から見つめながら、「君を追い詰めるのが楽しい存在だっているかもしれないじゃない???」と胡散臭く笑った。レイは、「そうですね死神。宇宙がどんな仕組みかまだ完全にはわからない。だから、こういう風にも捉える事が出来る。」と前置きをした上で、口を開く。「用意された結末は自分の意識で変えられる」レイはそう言うと、「私は既に殺しに手を染めてしまった人間だ。だから死神が現れた時、私は"殺さない"事を選んだ。私の周りでは今も社員たちが死に続けている。これがどういうことかわかるか?私が殺す事を選んだ未来も用意されていると言うことだ」と俺に説明した。俺は、「何が言いたい…」と目を逸らす。ロイが、「つまり、自分の選択で結末は今からでも変えられるって事♡」と俺を励ますように補足した。


 結末は今からでも変えられる。俺はレイとロイの口車に乗せられて、少しばかりの希望を抱いた。「結末を…変える…」俺は呟いた後、自分の両手を見つめる。「カガミくんは悲観的になり過ぎなんですよ」俺は、「ていうか…レイさん…俺に敬語だったっけ…」と気になった事を問いかける。レイは、「そりゃ私は、私も闇の曲芸団の幹部とはいえ立ち位置的には"部下"に値する人物ですから。と、言うか。こっちの方が楽なんですよ。私はタメ口を使うと"怖い"なんて印象を持たれますから。それとも、またやりますか?"0点だ~~!で覚えてください!"のやつ。あれ、正直あまりウケたこと無いんですよ。陽気なのは社会を上手く渡っていくために後から身につけた技術。実のところ私は本当の自分がわかってないんですよね」と、悩みながら答えた。「自分に一貫性が無い。と言いますか。やりたいことが多すぎて色々な事業に手を出してしまうのが悪い癖だって、理解はしているんですけどね」とレイは自信なさげな表情を浮かべる。「でも、カガミくんに拾って貰えて良かった。カガミくんが高木を殺してくれたおかげで情報が外に漏れずに済んだ。カガミくんには感謝しきれません。ふふッ、おかしいですね?カガミくんに脅されていると言うのに…」レイはそう言うと、「君のガールフレンドも今日は施設にいる母と今年最後の面会らしい。」と俺に説明した。俺は「そうか。」と言いながら立ち上がり、ドアノブに手をかける。「なに、いっちゃうの?」と問いかけるロイ。「俺はまだ俺のやるべき事がある」俺が答えては、ロイは「本当にカガミくんは忙しいね…」と呟いた。


 俺はレイの部屋の扉を開け、廊下を歩く。廊下を歩いているとイズミが、「よぉ夜叉鏡~!!!大晦日ス〇ブラみんなでやるで~~!!そのためにmiyazonでポチッたからな!!!」と明るく話しかけてくる。俺は、「やるならマ〇カーのほうが良かった」と返しつつ、自室に入る。相変わらず小学生臭い部屋だ。サッカーボールなんてインテリアに飾りやがって。…サッカーなんて1ミリも縁が無いのに。俺はベッドの上に寝転がる。すると窓からホノカがやってきた。「元気にしてるか、カガミ」ホノカは言うが、「これが元気に見えるか…。精神だけじゃない、身体までおかしくなった俺が…」と俺は問いかける。ホノカは、「因果応報だな」と鼻で笑った。「少なからず私はお前が救われる結末を用意していた。だがお前はロイを選んだ。お前が欲しかったのは言葉だけの共感か??それとも特殊能力か??ロイが裏で何をいじってるかなんてわからないぞ。そんな身体にされて。いよいよ本格的にお前も狂ってきたな。最後に待つのは宗教か??まあいい、私は観客から外された哀れな女だ。カガミ、お前はとっくの昔に道を踏み外している。最初に女教師を殺した時点ではまだ救いがあった事を忘れるな」ホノカはそう言うと、さらに続けた。「年明け、ルルが仲間を引き連れて来るんだろう?天使代行、と言っていたな。逆手に取れるんじゃないのか。これは助言だ。お前がどう動こうかもう私は知ったこっちゃないがな。」ホノカの言葉を聞いた俺は、「俺だって作戦を練っているさ。」と答える。「問題が山積みだ…。どうにかして警察を消さなければ」俺が言うとホノカは部屋にあるテレビを付けた。まるであの日と同じように。『連続殺人事件への捜査に関わり、インフルエンサー"ヘルドルノート"により個人情報が公開されるなどして注目を集めていた、捜査本部所属の女性刑事が、今日未明、死亡しているのが見つかりました。警察によりますと、女性刑事は自宅マンションの敷地内で倒れているのを、通りかかった男性が発見し、110番通報したということです。女性刑事はその場で死亡が確認され、警察はマンションから転落した可能性があるとみて、事件との関連も含め、警察が慎重に捜査を進めています。』俺は、ベッドから立ち上がり、報道にもう光がない瞳を震わせる。「…俺が撒いた種だ…俺がケリを付ける」

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