表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『俺にラブコメはまだ早かった!!~運命に振り回された俺の青春を返してくれ~』  作者: ミタラリアット


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/51

二十二話『代償』

 神社やカフェ、電波塔。様々な観光スポットを巡った四人は、「はぁ~」と疲れながらホテルに辿り着く。「ショップ見てくるね!!!」ミサを連れてホテルのショップに行ってしまったサユリを見て、「行ってらっしゃい……」と少し遅れて呟きながら俺はホテルのロビーで椅子に腰をかける。「カガミ、ほら。缶コーラ」女子の帰りを待ち暫くボーッと座っていると、ヒロムが買ってきたコーラを渡す。「いいのか?」俺が問うとヒロムは、「当たり前だ。」と笑顔を向ける。「お前はサユリたちについていかなくていいのか?」ヒロムは俺の顔を心配そうに覗き込む。「女子の会話にまで俺が混ざる訳には行かない」貰った缶コーラを開けながら俺が答えると、ヒロムは「本当はサユリちゃん独占したいくせに」と俺を揶揄う。「ちっ、ちが……!!!」図星をつかれた俺は、ゲッホゲッホと咳き込む。「大丈夫、誰も取らないよ」ヒロムは俺の純粋な反応を見て笑うが、幼稚園からの親友の笑顔を前に、つい「実のところそうなんだけど……」と頭を抱えながら完敗してしまう。


「素直になっちゃえばいいのに。この旅行中に告っちゃいなよ」ヒロムは俺の頭をわしゃわしゃ撫でる。俺は小動物か、全く。いや、待て。いまこの男なんて言った。告………。俺がヒロムの言葉を聞いて硬直している間に、「ただいま、」とサユリとミサが手を繋いで戻ってくる。「ほらチャンスだぞカガミ」耳元でヒロムがコソコソと話して来るが、俺は、ペシッとヒロムの頭を叩く。「早くお部屋行こう!!!」先頭のミサが目を輝かせながら指定された部屋へ歩いていく。扉を開けると、そこは四人用の言わば"スイートルーム"。「なんで!? なんで中学生の私たちがこんな場所泊まれるの!?」と興奮するミサに、ヒロムは「俺のじいちゃんのおかげさ!!!! 俺のじいちゃんがこのホテルを経営してるから観光プランまでつけて俺たちを特別に招待してくれたんだ! このホテルももう三十周年だしね」と自慢する。


「ヒロムのおじいちゃんすごーい、!!!」と素直に感激するミサ。「いいのかよ、本当に中学生だけで宿泊なんて」多少の罪悪感を覚えつつヒロムに言っては、「いいんだよ~、俺がお前らと泊まりたかったんだから!」と満面の笑みが帰ってくる。二人ずつのベッドの前に立ったミサは俺の腕にしがみつき、「カガミくんと同じベッドがいいなぁ~」とサユリをちらっと見ながら仕掛ける。「だめだめだめ!!!!! カガミは私と寝るの!!」と言いながら急いで俺のもう片方の腕にしがみつくサユリ。「勘弁してくれよ……」美少女二人に掴まれて身動きが取れない俺に、「このモテ男!!!!」とヒロムが悔しそうな表情を浮かべる。ミサの腕を振りほどき、サユリからも離れては、「俺ヒロムと寝るから」と少々冷たく言い放つ。ミサがサユリに、「アンタ言ってやりなさいよ」と耳打ちする。「カガミの隣がいい!!!!」堂々と真正面から想い人に告げられ、「はぁ……」と頭を抱える。中学生の俺には、女の子と寝るような覚悟は無く、「お預け。」とサユリの頭にデコピンしては、同性同士で寝る事で落ち着く。


 ミサは、「本当に鈍感なんだから」と頬を膨らませるが、サユリは「あれでも照れてるんじゃない?」と自信満々に言った。「この後どうする??」ヒロムの問いに、俺はうーん。と考える。「飯行くか、風呂行くか……」ミサは、「ご飯先にしましょうよ! なんたってここはバイキング~。盛り盛り食べるわよー!!!!!!」と気合いを入れる。「食い気ばかり의女はダメだな」俺が小声で言うと、「なによー、!!!! 人生一度しか無いのよ!!! なら美味しいもの頬張るのは当たり前でしょー!!!!」と大声を出す。「じゃ、先に飯行くか。ミサも言ったけど、ここは三食バイキングなんだぜ~」と自分の祖父が経営してるホテルの自慢をするヒロム。四人は部屋の扉を閉めて、レストランがある方へ向かう。「でも凄いなここは。外国のホテルみたいだ。日本にこんな場所があったなんて知らなかった」廊下で俺が言うと、「実はここだけじゃない、日本に十三箇所も系列のホテルがあるんだ。」とヒロムは笑う。「へえ、でもここに招待したって事はここが一号店ってこと?」サユリがヒロムに問いかけると、ヒロムは「そういうこと♡」とウィンクした。レストランの前に来ては、「うっわ、高そ……」とミサが内装を見て呟く。


「多分ここ普通に泊まったらめちゃくちゃ高いよ。」俺がミサに言うと、ミサも「そんな感じするわ、だってもうお客さんがみんないい服着てるもの」と頷く。「さっそく中に入ろうか」ヒロムが先頭に立ちレストランの中に入ると、そこにはありとあらゆる料理が並んでいた。「すごい!!!! スイーツが盛りだくさん……!!!」「なんだか大人になったみたい~!!!」幼い表情で喜ぶサユリの後ろを、ミサも楽しげについていく。「まずはカレー食べようかな~~」ヒロムも女子二人に続き、数ある選択肢から料理を選びに行く。「……」バイキングと言えど、こんなに選択肢を提示されると何を選べばいいかわからない。それよりも、楽しそうなサユリのほうに自然と視線が行く。「カガミ、選ばなくていいの?」一足先に何を食べるか決めて料理を席へ運びに行く途中のヒロムがまだトレーすら持っていない俺を気にかける。「あっああ、」俺とした事がぼーっとしていた。何を食べようか、別になんでもいいんだが。俺はとりあえず刺身をチョイスした。特に意味はなく、入り口の近くにあったもので皿の中身を構成する。米も種類があったが、とりあえず炊き込みご飯を選んだ。


 料理を選び席に座ると、「うわっ」そこには大量に料理を盛ってきた女子二人の姿が。「そんなに食べるの?」俺が聞くと、サユリは「だって美味しそうなんだもん♡」と言った後、ミサと顔を合わせて、「ねー?」と笑い合う。サユリが楽しそうならいいや。「いただきます……」俺が手を合わせると、他の三人も「いただきま~す!」と声を揃えた。「あ~幸せだなぁ~。みんなの事誘って良かった~!!!!」ヒロムの言葉に、ミサも「大人になったらまたこうしてみんなで旅行とか行きたいわね!!!」と妄想を膨らませる。「パリ、ロンドン、ニューヨーク……」海外を思い浮かべながらうっとりするサユリ。ヒロムは「俺たちどんな大人になるんだろうな~」と未来の自分達について考える。「カガミは絶対警察になってそうだよね!!!」サユリがこちらに急に話を振る。俺は驚きつつ「ぁ、ああ」と答える。「じゃあなかなか忙しくて旅行とか行けなくなるか~?」とヒロムは俺に問いかける。「本当になれるかはまだわかんないから、」俺が苦笑しながら言うとサユリは、「なれるよ!!! カガミならぜったいなれる!!!」と俺の背中を押す。


 ミサは「私は政治関係の仕事に就きたいわねぇ。この国を変えるトップってかっこいいじゃない?」と頷きながら夢を語る。「ミサに政治なんて出来るのか?」ヒロムが問うと、ミサは「やってみせるわ!!!! 私は強いリーダーになりたいの!!!」と決意を語った。サユリは、「ヒロムは何になりたいの??!」と、ヒロムにも将来の夢を問う。「俺はまだ夢とか決まってないけど……」と語った後、「みんなが一生幸せでいられたらそれでいいなぁって」と照れくさそうに笑った。サユリは、「ヒロムらしいね!!」と素直にヒロムの言葉を肯定した。ヒロムは、「じゃあ、サユリは? サユリは何になりたいの?」と首を傾げながら問いかける。「私、? 私は……」ヒロムに問われたサユリは、真っ先に俺の方に目線をやる。「へ、」俺が目を丸くしたあとサユリは、「秘密♡」と夢について言及することは無かった。「いまカガミのお嫁さん♡とか思ってたでしょ!!!!」ミサがサユリを揶揄うと、サユリは、「違うよぉ!!!」と声を裏返す。俺は下を向きながら耳まで真っ赤になりプシュー、と蒸発したように恥ずかしくなり、箸をプルプルと震わせる。ヒロムは「良かったなカガミ、!」と俺の肩を優しく二回叩き、自分事のように喜ぶ。「もう!!! 私も理想の旦那さんが早く欲しいわ……!」と上を向きながら祈るようなポーズをするミサ。ヒロムが「じゃあ俺」と食い気味に言うが、ミサは「アンタなんか絶対無いわ」と引いたような表情を浮かべる。ヒロムが「フラれた」と落ち込むと、「あははは!!!」と、俺とサユリの笑い声が重なる。楽しげな中学生の会話が繰り広げられるレストランのテーブルで、「笑うなよ~~!」と悔しそうなヒロムの声が響くのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ