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妹と二人で歩いていた。
住宅街のさらに奥。
めったに人が通らないところだ。すると妹が突然言った。
「呼んでいる」
妹は走り出した。
追っかけたが妹は住宅街に入り込んだ。
細道が多く、軽く迷路みたいになっているところだ。
俺は妹を見失った。
――どうしようか。
立ち尽くしていると妹が戻ってきた。
――!
「兄ちゃん、どうしたの?」
声は妹だった。
しかし妹の首から上が、逆さまになっていた。
つまり頭のてっぺんが下で、顎が上になっていたのだ。
――なんだこれは。
思わず逃げ出した。
すると後ろから妹の声で「失敗したか」と聞こえてきた。
振り返ると頭が逆さまの妹は、そこにはもういなかった。
その日以来、妹の姿を見たものは誰もいない。
妻と一緒に田舎の寂しい道を歩いていた。
田舎の寂しい道と言ったが、家の近所だ。
すると妻が突然言った。
「呼んでいる」
妻は走り出した。
道のすぐ横の山に向かって。
――おいおい。
追いかけようと思ったが、一瞬遅れた。
追いかけた時にはもう、妻を見失っていた。
――どうしようか?
俺は待つことにした。
二人で山にはいっても、すれ違うばかりでよくないと思ったからだ。
しばらく待っていると、妻が現れた。
――ええっ?
見た目は妻だ。




