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うつろう想い
貴方に恋をした時、私は貴方のことをずっと好きでいると思っていた。
大好きな貴方と付き合うことになった時、友達とか周りの人みたいに、別れたり嫌いになったりするなんて思わなかった。
私は一途にずっと、貴方のことを好きでいると思っていた。
このままずっと、おじいちゃんおばあちゃんになるまで、貴方の傍にいると思っていた。
貴方の隣でずっと…微笑んでいられると思っていた。
私の運命の人は貴方だって、信じて疑わなかった。
それなのに…隣に居るのは貴方じゃない。
すれ違う時間。
すれ違う心。
気づいたら、貴方への想いは遠くぼやけていた。
そんなぼやけた日々を晴らしてくれたのが…隣を歩く今の彼だった。
今私の心は、貴方じゃない隣の彼のことでいっぱいに満たされている。
それなのに時折、貴方への想いが瞳から滲む……