コント「エア卓球」
ど~も~
Aで~す
Bで~す
二人合わせて「酔いどれ~ズ」で~す
コント「エア卓球」
A:ツッコミ
B:ボケ
A「暇だねぇ。」
B「暇やなぁ。卓球でもしよか。」
A「卓球て、台も球も無いやん。」
B「タマ付いとるやないか。それともあれか? 君は……」
A「あるわ! ピンポン玉無いやろが! あとヘラも!」
B「ヘラちゃうわ。 ラケットゥや。」
A「なんで巻き舌やねん! そこだけネイティブか!」
B「ラケットゥ!
ほないくでぇ。構ぇやぁ。
コッ、コッ、コッ」
A「なんやエアかいな。エライ本格的に構えよるな。
台に玉弾ましとるし。」
B「カッ」
A「ほい。」
B「はい、アウト。1対0」
A「なんでやねん、返したやん。」
B「返したらちゃんと言わな。」
A「打ち返す音も口でかい!」
B「ほな、いくでぇ。
カッ」
A「マイペースか!
コッ」
B「カッ」
A「うぉっと、カッ」
B「コココココ……
いや惜しいなぁ、ネットや。2対0」
A「それ有りかいな!」
B「ちゃんとタマ、見ぃひんと。」
A「エアやないけぇ。見えへんわ。」
B「心頭滅却せぇ。」
A「滅却したらそれこそ見えへんて!」
B「ほな、いくでぇ。カッ」
A「コッ」
B「カッ」
A「コッ」
B「カッ!」
A「ふんっ! コッ!」
B「ふわぁ!」
A「なんやねん。」
B「惜しぃなぁ、ライン割って台にのらんかったわ。
3対0」
A「わかるかいな!」
B「球の動き見てたらわかるやろが。
心眼開けぇや。」
A「なんで悟りの境地や、っちゅうーねん!」
B「ほな、いくでぇ。カッ」
A「コッ」
B「カッ」
A「コッ」
B「カッ!」
A「コッ!」
B「喝ぁぁぁぁぁぁっ!!」
A「なんやねん、いきなり! ビックリするわ!」
B「スマッシュや。
いやぁ、ラリー続きそうやったのにねぇ。
4対0や。」
A「いやだから! そんなん、言わなわからんって!」
B「君も大概、わがままやなぁ。
男の子やろ? タマついとるのやろ?
え? 君は……」
A「だから玉はあるっちゅーねん!」
B「しょうがあらへんなぁ。ほなもう少し解説付けよか?」
A「頼むわホンマに。一方的過ぎるわ。」
B「球を上空に高ーーーく放って。」
A「高く上げすぎやない?」
B「キタキタキターーー!
ここでサーブ、カッ」
A「コッ」
B「華麗に、カッ」
A「え? なんでポージング? コッ」
B「甘い! 打突で、コッ」
A「打突? コッ」
B「ここで鋭くスマッシュ! カァァァァァッ!!」
A「もうその手には乗らんわ、コッ」
B「回転レシーブ、カッ!」
A「動き激しいな! コッ」
B「キャッチ&リリース、カッ」
A「え? いま手使こうてない? コッ」
B「ヒット&アウェイ、カッ」
A「パンチやん! コッ」
B「ギブ&テイク、カッ」
A「意味わからんわ! コッ」
B「トライ&エラー、カッ」
A「言いたいだけやろ! コッ
エラーしたんとちゃうんか。」
B「そんなあなたにラブ&ピース、カッ」
A「一々なんでポージングやねん! 絶対今の遅れとるやろ!」
B「あーぁ、ツッコミ入れんと打ち返さな。
5対0か。君、もっと真剣にやってやぁ。」
A「どっちがやねん!
ちょっとさっきから君のペースに飲まれとるわ。
次は僕からサーブやらしてや。」
B「ええで。ほれ、コン、ココッ」
A「うおっと、そうゆうとこは本格的やな。
ほないくで? それ、カッ」
B「その時、彼はその白球に全てをかけていた。スコアは5対0。ここで取り返さねば後が無かった。」
A「なになに? 何が始まったん?」
B「故郷に残してきた妻子。きっと今、テレビ画面を通して私を見ていることだろう。」
A「いや、妻子とかおらんし。」
B「思い起こせば10年前。このラケットゥに人生をかけるべく、エア卓球師匠の元へと弟子入りした。」
A「いやいや、エアの段階で人生かけるかいな。」
B「過酷な修行の日々、度重なる試練の数々。そして娘が不治の病に。」
A「壮絶な人生やな、いや卓球は?」
B「娘に勇気を与えるべく挑んだ世界大会、決勝の相手はなんと師匠その人であった。」
A「君が師匠かーーーい!」
B「まさに師弟対決! 娘に生きる希望を与えるため、明日に向かって放て!!」
A「どこ見とるん? どこ指さしとるん? 明日?」
B「君はあれやなぁ、サーブ下手やなぁ。
球が明日どころか明後日の方向や。取ってきてやぁ。」
A「なんでやねん! 球なんてないわ!!」
B「やはり君は……、タマ無かったんか……」
A「もーえぇわぁ!」