表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地獄で仏になる僕  作者: 健二
1/1

01.召喚されたいと望んだら地獄に来た

連載始めました。何卒宜しくお願い致します。

「どんな人生が幸せなのだろうか?」ふと考えている。いや、結構考えている。

そんな事を考えながら井上 聡は、会社のパソコンに向かって仕事をしている。現在時刻は深夜1時になる。

今月で何度目だろう?24時を過ぎるのは… それだけ仕事をしても決して終わる事はなかった。


そして僕は自分の中の流行語を言葉にする。

「あ~誰か俺を召喚してくれねーかな」

僕の事をあまり知らない人がこれを聞いたら間違いなく鬱扱いするだろう。

他の社員や自分の部下は流行語だけあっていつもの事のように扱ってくれる。いい奴らだ。


深夜2時になって帰宅をする。決して会社に泊まる事はしない。以前は会社に泊まり仕事をしていたが効率も悪いし何よりメンタルがキツくなる。

「じゃ~お疲れ」部下に言う

「お疲れ様です」

「まだ帰れないのか?」

「ちょっとキリが悪くて」

「途中でもいいからもう帰れよ」

「わかりました。そうします」

「じゃ~お疲れ」

部下も泊まらせたくないので帰宅する事を進めて僕も会社を後にする。


深夜になると電車はもちろんなく徒歩かタクシーになる。徒歩でも帰れる距離だが、なんかダルいのでタクシーで帰る事にした。

タクシー運転手に目的地を伝えて背もたれに体重を預ける。

急な眠気に襲われる。走り出してしばらくすると今まで経験した事がない衝撃に襲われた。


どれくらい時間が過ぎたかわからない。

いつになったら到着するんだよ。運転手はなにやってんの?

変な恐怖と怒りが生まれ目を覚ます。

そして僕は驚きのあまり呆然とする。


目を覚ました僕は今まで見た事がない灰色の空を見る。雲の灰色ではなく本当に灰色だ。

「え?なにこれ?てか夜だったじゃん。それよりタクシーの中だったのに、なぜ寝てるの?なぜ仰向け?」

僕は即起き上がりあたりを見渡す。

それは車の中ではなく明らか外。それも岩場だ。見たこともない赤い岩がゴロゴロとしている。

そして岩場の中に1本道が続いていた。真っ直ぐ道が伸びているが先は見えない。僕はその上で寝かされていた。

今の現状に本気でテンパり出している僕。

「マジでどこ、ここ?」

「地獄よ」

「え?」

急な声に驚き振り向いた先に女性がいた。

「あんた誰?地獄?なんで?俺はなんでここに?タクシーに…」

「あ~うるさい。質問は1個づつにして」

テンパってる僕は質問を一気に投げつけた。それを謎の女性は気怠く流す。

「今から説明するから、ちょっとは落ち着きな」

「……あんたは誰?」

「私は鬼柳きりゅう 千景ちかげ。ここ地獄の案内人さ」

「……えっ?地獄の案内人?地獄ってなに?ここ?」

「そう。ここ」

「えーーーー!!なんで地獄?俺はどうなったの?」

「あんたは死んだんだよ」

「えーーーー!そうなの?どうやって死んだの?記憶だと仕事帰りにタクシー乗って……」

「そう。そのタクシーがトラックと衝突してあなたは死んだの。その様子じゃ痛みも感じなかったんじゃない?よかったね~楽に死ねて」

「そうなのか?でもそれじゃ~運転手もここに?」

「あ~運転手は生きてるの」

「なんでだよ?衝突したんじゃないのかよ」

「衝突って言ってもね~ちょっとレアなケースなのよ。タクシーが交差点を直進して抜ける時に交差する道を走っていたトラックが信号を無視して侵入して来てね。あなたが乗っていた後部座席の方だけぶつかって車は真っ二つ。あなたはトラックと建物の外壁に挟まれて死亡。タクシー運転手とトラック運転手は軽傷なのよね」

「そんな事あるのかよ…」

「ねっレアでしょ。真っ二つになることなんて漫画の世界だよね。斬鉄剣で切られたみたいだったよ」

「マジかよ。しかもなんだよその例え」

彼女の愉快な例えを聞いて僕は力が抜けてとてつもなく落ち込んだ。

そんな訳で地獄に送られた聡くん。

結構適当な案内人の千景さんとの生活がスタートします。


今後ともよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ