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迷宮は世界と共に  作者: 北落師門
第四章
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表現が難しい……特に、戦闘描写が

「「「あ゛ぁぁぁ……!!」」」

 叫びとも何とも判断つかない咆吼が大気を振るわせる。憎悪と呪詛に満ちたそれに禍々しい……負の性質を帯びた闇属性の気配が吸い込まれるように集まった。

 それを糧に異形と化した勇者は《復活》し、獣と思しき頭を左肩に生やした上に、2本の腕が失われたその姿は、おぞましさを増す--ボッ!残った3本の手の中に火・氷・雷属性の光球がそれぞれ浮かび上がった。

「「「死ねぇ--!!!」」」

 放たれる3種の魔法。エロエ・ヴァイスの《防御》は持ちこたえることが出来ず解除されたが、そこにあるのは純白の外套のみで至人の姿はない。戸惑いが一瞬の注意を奪った。

「--絶て」

 ヒュイン!!マウロサを丘陵へ運んだ風のドゥーフは、大気と満ちる水を縦方向に切断しながら、その延長線上にいた異形の勇者を圧倒し真っ二つにすると、渦を巻いて飲み込んだ。

 ドゥーフは元から存在しており、魔技や聖職者の望みや手伝いをしているのは彼等。だが、人は彼等を認識していないし、声や姿を知ることもなかった……しかし、勇者と呼ばれているこの人間は違った。

 彼等の声を聞き、自らの存在意義を忘れ果てていた彼等に、新しい形を与え存分に能力(チカラ)が奮えるようにしてくれた。

 十二分の働きを--世界を構成する要素の1つを味方にした彼に、勇者であることに溺れ鍛錬を怠ってきた彼等は、敵にすらならなかった。 

「む、だ…だぁ--!?」

 飲み込まれ気圧が低下し真空状態に近い中、將人の覇気がドゥーフを弾き散らし……勇者達は吼える。しかし、彼等はその場で硬直した。

「治してあげよう--」

 囁くような科白に視線を転じれば、目と鼻の先にエロエ・ヴァイスがいた。

「《治癒》」

 露わになった白皙に嵌まった2つの宝玉は、感情の欠片もなく無慈悲なまでに澄んでいる。エロエ・タドゥミール--將人は額に伸びた至人の指に気付かない程の衝撃を受け、エロエ・ジェメオース--吹雪と一颯は三日月を描く口角に釘付けになった・・・。


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