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迷宮は世界と共に  作者: 北落師門
第三章
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待たされしもの

……魔境のラスボス

「抑えきれないな、これ……」

 被害を最小限に食い止めるためでもあったが、《封縛》でクルヴァーティオを閉ざしたのは禁忌を破らざるえなかったからだ。

 “理”は彼にとって神と同義。歪みは世界の脅威であり取り除かねばならないのだが、“理”からの影響を絶たなければ、彼が行おうとする行為は成り立たなかった。

 勇者を表すチョーカーを無造作に外す。白い喉にくっきりと浮かぶのは、彼がいた世界で最も恐れられる女神(セア)の紋章だった。

 勇者としての特性は“支配(シュリター)”。紋章を強化し、その効力を最大限発揮するのに最適なスキルだった。

 クルヴァーティオ自体は2度の勇者によってほぼ浄化されている。だが、完全な浄化は出来ていなかったし、彼には浄化するだけの力がなかった。

「慈悲深き畏怖の女神……御身に、我が命を。誓約にて我に力を--!!」

 呪句と共に彼は自らの首にグラディウスを当て横に引く。鮮血が撒き散らされ、ついさっきまで生きて戦っていた勇者--若者は、屍体となって地面に倒れていた。

 血に溶けた素養が大地に染み込むにつれて、それは石化し塵と化していき……無限とも言える増殖は抑えられた。

 体内で生み出す糸で転がる肉塊や屍体を継ぎ接ぎ、それ--“(パウク)”は絶滅を免れる。一方クルヴァーティオは完全に外界から隔離され、閉じこめられたパウクは変容した。

 最も相応しい形態(カタチ)と能力を獲得するために、いずれ現れるだろう獲物を捕らえるために・・・。



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