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迷宮は世界と共に  作者: 北落師門
第一章
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ヘルパークにようこそ 

行き当たりばったり、不定期更新。 とりあえずよろしく願います。

――何故だろう?

 私には、彼等を慰めることが出来ない。

 慰める術がない……伸ばせる腕もなければ、声を掛けることさえ出来ない。私には声がない!

 なのに……誰もが救いを求め、縋り付き懇願する。

 何故だろう?

 何故、なのか……聞いてみようか?

 訪なう者に、彼等に――。

†††††

「た、助け――!!」

 魂ぎる悲鳴を無視して、従者は走り続けた。

 何度も転び泥だらけになっても、走り続けなければならなかった。

 そうしなければ追いかけてくる、人ならざる存在から逃げられない。闇色の影のようなそれは、付かず離れずの距離を取り鼠をいたぶる猫のようだった。

 と……何かに足を取られ転倒した。

 ケラケラと耳障りな笑い声と共に伸び上がるのは、彼自身の影であり、彼の主人達が餌食になったのと同じ闇色に染まった存在だった。

 悪意に満ちて覆い被さってくるそれは、死に物狂いで腕を振り回していると驚いたかのように、動きを止めた。

 その隙を突いて石畳の大通りを駆け抜け、正面ゲート――視界に入った出口に向かう。ゲートはゆっくりと確実に閉まっていき、無我夢中で飛びついた。

ガシャーン! 背後で鈍い音が空気を振るわせる、と同時に従者は湿った冷たい土の感触に助かったのだと安堵し、限界を超えていた意識は、ぷっつりと途切れた・・・。



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