エヴァン・ファブレル
本作の主人公、エヴァン・ファブレルについて。
直情熱血型、感情豊かで自分に正直、好きな子には一直線、故に健康的なスケベ、仲間を大切にする。
一昔前のアニメや漫画の主人公のテンプレートとして、当たり前だったこれらの要素を詰め込んだのが、エヴァンです。
学生じゃない、スマートじゃない、賢くもない、たくさんの女の子にモテない、チートではない、勇者でも魔王でもない、妹もいない。
今時ライトノベルの要素は何一つない主人公、それがエヴァン・ファブレルです。
バカだし、非常に残念だし、暑苦しい。でも、これがエヴァンです。
近所にいそうなちょっとやんちゃなあんちゃん、というコンセプトでキャラクターデザインしました。
ちなみに今のデザインになる前は、こんな感じでした。
この頃の名前は「エッジ」といいました。黒人と白人のハーフ(黒人寄り)のようにデザインしていました。しばらくこのまま進んでいましたが、プロットの改善に伴い、書き直して今に至ります。この黒人時期の設定が「精霊人」でした。
その頃、彼には一体の幻獣が付き従っておりまして、名前を「スピキュール」といいます。この幻獣の普段の外見がピグミーマーモセットでして、ここから現在のエヴァンが猿サルと呼ばれるようになる由縁となったわけです。せっかくだから猿っぽいってことにしよう、という発想ですね。あんまり意味はないんです。
今の設定になるまではいろいろ変更がありました。今のエヴァンになる一つ前は、すでに現在のキャラデザになっていて、マキニアンではなく普通の人間でした。特殊な銃を武器に、姉を殺した怪物を探すために大都会アトランヴィルに赴き、そこで一人の男と出会いコンビを組む――そんな設定でしたね。そうなんです、“以前のエヴァン”には姉がいました。直後のプロット改定で即行ボツにしましたけども。
「エヴァン」という名前は、「この主人公には、頭文字が“エ”という名前が似合っている」という発想からつけたものです。新旧のキャラデザに共通しています。
姓の「ファブレル」は、「ファブリックという響きがいい(意味はともかく)」というところから来たものです。そこに、「Juke box」でおなじみのジャズピアニスト、ベント・ファブリックの影響もあって、姓として名づけました。
顔立ちはやや幼なめ。身長は低くもなく高くもなく、元軍部所属なので筋肉は鍛えられています。いわゆる細マッチョというところでしょうか。
ほぼ毎日パーカーにジーンズ、スニーカーというスポーティな服装です。しょっちゅう腕まくりしているのは、細胞装置発動時に邪魔にならないようにです。
ナノギアのスペックは「スピード型近接打撃」に特化しており、ナノギアシステム〈イフリート〉は真紅のグローブタイプの武具で、属性エフェクト炎です。ショット――つまり射撃系の攻撃手段は持ちません。
剣系の攻撃法も実はあるのですが、エヴァンは剣術が苦手なので、あまり使わないんです。しかしこの剣術は“ラグナ”であれば使いこなせています。
ラグナ・ラルスは後天的に付与された、エヴァンのもう一つの人格です。
喜怒哀楽のはっきりしたエヴァンと違い、感情というものの一切を排除されています。
サイファーは、ラグナこそエヴァンの本当の人格だと思っていましたが、実はそうではなく、エヴァンは元からエヴァンであり、ラグナという人格を、ある目的のために付与されたのです。サイファーが勘違いしていたのは、彼が〈SALUT〉に入隊した時、すでにエヴァンはラグナとなっていたからで、ラグナになる前の“エヴァン”という存在を知らなかったためです。
このあたりの事情は、他の隊員にも詳しい説明がなされていません。〈SALUT〉メンバーの中には、エヴァンの幼少期を知る者もいますが、彼になぜ人格矯正が施されたのか、という理由は知らされていないままです。エヴァン・ファブレルのプロフィールのほとんどが秘密にされています。
ラグナは一時期エヴァンの肉体を支配していましたが、〈パンデミック〉直前、その能力を恐れた政府保守派によって凍結睡眠を施される時、人格を抑え込まれました。
こうして十年後に目覚めた時、“エヴァン”が表に戻ってこられたわけです。
人格はエヴァンに戻りましたが、記憶操作は有効だったので、彼本人の記憶は曖昧になっています。
マキニアンで元軍部所属、メメントと戦うための存在。
自分については、それだけしか覚えていないエヴァンですが、彼の記憶が戻った時、本当の使命が明らかになります。それはぜひ本編で披露したいところです。
ラグナ・ラルスが付与された理由及び、ラグナ覚醒時のナノギアシステム〈レーヴァティン〉の真実についても、後々本編で語られます。
相棒に負けじとなかなかヘビーな背景を持つエヴァンですが、中身はごく普通の健康な男子です。恋だってします。
彼の恋のお相手、アルフォンセについては、彼女の項目で解説します。
BWRはアクションものですが、アルフォンセとの恋愛にも重きを置いています。
これは「エヴァンの物語」なので、彼の恋愛事情も大事な要素の一つです。
アルフォンセはエヴァンにとってかけがえのない存在ですが、彼にとって大切な人物が、実はあともう一人いるのです。(元恋人、というオチではありません)
パッパラパーだけど実は複雑な事情を背負った、作中最大の重要人物の一人。
それがエヴァン・ファブレルというキャラクターです。
彼がこの先どんな風に自身の真実を知り、その真実にどんな決断を下すのか。
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