はじめに「BACKWORKER'S ROCK」という作品について
この物語は、私が長年手がけている「暁のグラディエンス」というファンタジー作品から派生したものです。
前述の作品は「小説家になろう」には未投稿で、現在第一作のみ、とあるサイトに投稿しています。
当初BWRは、この「暁」の世界から数百年後(あるいは千年後)という設定でした。
その時の世界観は、「魔法が廃退し、幻獣などが去り、科学が加速度的に発展した未来世界」というものでした。その世界で、主人公は「滅びたはずの火の精霊人の末裔で、火の魔法が使える」という立場でした。これが今の「エヴァン」の原型です。
それから紆余曲折を経て、「暁」とは切り離した単独作「BACKWORKER’S ROCK」として再スタートすることになりました。
タイトルの「バックワーカー」とは“裏稼業者”を指す造語です。
なぜ「ROCK」をつけたのかというと、エルヴィス・プレスリーの「監獄ロック」などにもある「○○の歌」「○○のブルース」という曲名と似たようなニュアンスのつもりでつけました。エヴァンに一番似合う曲調がロックなので、こうタイトル付けたものです。
当初の頃から「コンビもの(バディ)」にすると決めていましたので、その点は現在も変わりません。主要キャラクターの三人――エヴァン、レジーニ、アルフォンセも立ち位置に変化はさほどありませんが、キャラクターデザインや名前、背景などは、今に至るまで結構変わりました。このあたりの解説は、キャラクターそれぞれの項目でお話致します。
マキニアンやクロセスト、メメントなど、この物語の根幹を成す要素が、何をきっかけで思いついたものなのか、そのあたりの記憶はないのですが、クロセストのコンセプトは「特撮ヒーローが持っていそうな武器」であることは覚えています。
この作品には、特殊な戦闘員や、裏社会を生きる猛者たちが多数登場しますが、皆あくまでも人間で、異能を保有しているわけではありません。瞬間移動しない、超能力は使わない、何もない空間から武器を取り出したりも出来ません。ですので、流行の異能系ライトノベルがお好きな方には物足りないかもしれませんね。
さて、この「BACKWOKER’S ROCK」を初めて文章化したのは、第一弾ではありません。実は以前に一作書いているのです。
前述しました「暁のグラディエンス」を投稿しているサイトにて、一度BWRを投稿したことがあります。これがプロトタイプです。
内容は正式な第一作目とそう変わりがないのですが、エヴァンの一人称だったり、レジーニの言動が少-しだけ違ったり(普段はとても穏やかだが、キレるとヤンキー言葉になる)、微妙に立場が違ったり、ほんの少しの違いはありました。
現在そのプロトタイプはサイトから削除しています。「なろう」の方に投稿する予定はありません。なぜならば本編で後々語られる重要な伏線が、すでに登場していて、本編の盛大なネタバレになってしまうからです。
その後、そのサイトで作品募集がありましたので、投稿参加するべく、大幅に改善して出来上がったのが、現在の形になります。(投稿結果は落選でした)
BWRは「エヴァンの物語」です。ほぼ全ての要素が彼を中心にしています。
シリーズがどのくらいで完結するのか私にも分かりません(予想では5から6作目まで)が、エヴァンとその仲間たちの活躍にお付き合いくださいますと幸いです。
そしてこの「MAKING OF BWR」では、各キャラクターの創作裏話、その他設定に関する補足等のアレやらコレやらを綴っていこうと思います。