最後の依頼
途中、主人公がゲイっぽいです。
でも主人公は尊敬しているからそう言っているだけで、その気は全くありません。
温かい目で見てください。
若村さんとの生活がもう5年もたった時だった。俺らは上からの依頼や、保安部からの依頼でSATが、手出しできないような相手を二人で倒すと言う事を続けていた。
今日も、そんな依頼が届いたと思った。
依頼の内容は、保安部からだと直接。上からだと手紙で来るのだが今回は、上からの依頼が直接来た。
俺らは、上も保安部の事も依頼者と言っている。
「依頼があるんだが」
そうして今日も、依頼者が来た。
「珍しいですね。いつもは手紙なのに、今回は直接ですか」
そう言ったのは、若村さんだ。いつも対応は若村さんがしている。
「どんな用ですか?」
依頼者は、無表情で話し始めた。
「実は、今回の依頼はとても重要なものなので、こうして直接訪ねてきました。今回の依頼は・・・」
そう言った時、ちらっと俺の方を見て、若村さんに何かを話した。それを聞いた若村さんは、俺の方に来てこう言った。
「お前が邪魔なんだと、話ずらいってさ」
「えっ?」
「そのまんまだ。お前に聞かれたくない話らしい。ちょっと道場にでも行って、鍛えてこい。話が終わったら呼びに行く」
俺はその時、ちょっと疑問を持ったが、別にいいやと思ってその場を離れて、道場に向かった。
2時間ぐらいして、若村さんが呼びに来た。
「遅かったですね」
「何言ってんだ。俺ずっと名前呼んでたのに気付かなかったのはお前だぜ」
「えっ?」
「だって、話は1時間ぐらいで終わったからな。そこから道場まで来てお前が特訓してたのを見て、名前を呼んだんだ。でも全然気付かないからさぁ。お前」
「あっ、えっすみません」
「まぁいいんだけどよ」
と若村さんは、笑いながら言った。
「若村さん、依頼はなんだったんですか?」
「・・・」
「若村さん?」
若村さんは、少し困ったような顔をして
「ここじゃ話ずれぇな、2人だけで話せる場所に行こう」
と言った。
「あっ、はい」
なぜそんな事を言ったのか、俺はうすうす分かっていた。
俺達二人は、少し離れた草原まで行った。
そこは、若村さんとの練習場だった。
「ここなら2人だけだな」
ぼそっと若村さんが呟いた。
「そうですね」
俺も呟いた。
こんな風に、2人きりになるには久しぶりだった。
2人きりの時は、多かったけど静かに時間を過ごすのはあまりなかった。
でも、俺はこんなときでさえ依頼の事が気になった。
「あの・・・」
俺が聞こうとすると、若村さんは察したらしく依頼の内容を話し始めた。
「はぁ~。依頼の内容はな・・・」
何ともいえぬ、緊張感が広がった。
そして、若村さんが口を開けた。その内容は想像していた通りだった。
「お前の、‘暗殺’だよ」
分かっていた。こうなるんだと思っていた。
それがこんなにも早く来るなんて、俺はそこにびっくりした。
それを勘違いした若村さんは、少し悲しそうな笑顔を浮かべた。
「やっぱり話さない方が良かったかな?」
「いや、分かってました」
それを聞いた若村さんは、びっくりして俺の方を向いた。
「分かってた?」
「はい。想像はついていました。・・・仕方ないですよ」
「じゃぁ、殺される理由も知ってんのか?」
「いやそれは全然」
俺は、笑いながら答えた。若村さんは少しあきれたような顔をして、
「お前、よく笑いながら言えんなぁ~」
と言った。
「まぁいいじゃないですか。で、俺が殺される理由は?」
「あぁ、お前に前、話したろ。‘強い奴が強くなったら生意気になる’って。それで上がな。‘あいつは強くなりすぎた。しかも我々の事も知っている。だから殺せ。あいつもお前に殺される方が幸せだろう’ということでお前の暗殺依頼が来たんだよ」
「なるほど」
「で、どうする?」
「何がですか?」
若村さんはまたあきれ顔をして、言った。
「お前、俺に殺されるんだぞ。もし俺がしくじっても、まぁそんな事はねぇけど。もし仮に、俺がしくじっても他の奴らが狙うだろう」
「だからなんですか?」
「だから、俺はお前と仲が良いし、お前との思い出もある。今、この場所で逃げれば、俺は上に嘘の報告をする。‘お前を殺した’とな」
「でも、もう若村さんには、会えませんよね・・・」
「あぁ、もちろんだ。でも命が助かる」
俺は、迷わずに言った。
「なら逃げませんよ。ずっと一緒にいたいです。若村さんと」
若村さんは、あきれながら言った。
「お前、バカじゃないのか。俺に会えなくなるだけで、命が助かるんだぞ」
そう言われても俺の気持ちは変わらなかった。
「いや、俺は若村さんと一緒が良いです。それが楽しいし」
「はぁ~。バカかお前」
「バカですから」
若村さんは、大笑いをした。
「お前を見くびっていたよ。そうか。そうだな。・・・よし、じゃぁ上を潰すか?」
「は?」
「そのまんま。上を潰して反乱者にでもなるか」
あいた口がふさがらないとは、この事だ。何を考えているんだこの人は!?
「どうした?おかしな顔になってぞ」
「そりゃぁ、なりますよ!上を潰す?何考えてんですか!?」
「そう、怒んな。俺は上の連中嫌ぇだし、そんな大きなことをしたら、上の連中もお前の暗殺どころじゃねぇだろ」
「それをしたら、上の連中誰ひとりいない事になりますよ」
「あっ、それもそうだな」
はっはっはっ!と若村さんは大笑いをした。
(だめだこりゃ。もう何言っても聞く耳を待たないだろうな、このおっちゃん)
そう考えていると、そのおっちゃんが口を開いた。
「どうすんの?結局?」
答えは1つだ。
「どうせ聞かないでしょ。俺が何言っても。だから乗りますよ、その作戦」
若村さんは、ニヤッと笑い
「分かってんじゃないの」
と言い放った。
日曜ごとに更新します。
もう少しで終わりますので、最後までよろしくお願いします。




