選んだ理由
遅くなってすみません!
次からは定期的にしていこうと思います!
本当にすみませんでした。
「・・・」
「どうした?ぼーっとしてんぞ」
俺はその声にはっと気付き、顔を上げた。
「いやすみません。ちょっと考え事をしていたから」
「そうか、じゃぁもう終わりだ。始めっぞ」
そう言って、若村さんは歩き始めた。
「あっはい!」
俺も若村さんの後を、ついていった。
俺は、あの時から2年間‘特訓’をさせられた。
内容は、絶対人間では考えられないことばっかりしてきた。
例を出すと、富士山ダッシュ500回、懸垂+腕立て1万回なんて普通だった。後は、剣術、柔道、空手、合気道などたくさんの体術も教えられたし、射撃訓練もした。最初は、死ぬ気でと言うか、瀕死寸前まで来ていたけど、今じゃ富冨士山ダッシュ5万回、懸垂+腕立て1千万なんて軽い。軽い。
今、俺たちは(若村さんと二人だけだけど)ロケットランチャーや、バズーカなどの、重銃器(俺らはそう呼んでいる)を扱っている。
「よし、次はあそこまで撃ってみろ」
「はい」
ドォォォォォォン!!!!!
「わっ、うるせぇっ!」
「ははっ!そりゃぁな」
「・・・あのぉ」
少し気になったことを若村さんに聞いた。
「若村さん、なんで俺なんかを?」
「えっ」
「いやだって、俺以外にも頭がいい奴も運動神経抜群の奴もいるのに何でかなぁと思ったんで聞いただけです」
「・・・あぁ。その事。やっぱ話さなきゃダメ?」
「いや、気になっただけです」
「う~ん。でも、多分話さなきゃだなって思ってたから、じゃぁ話そうかな」
そう言った時の若村さんの顔は、なんだか昔の事を話す顔をしていたと思う。
「お前を選んだ理由はな、‘普通の男子’を探せと言われてたからだ」
「‘普通の男子’?」
「あぁ」
「でもどうして?普通よりかは運動神経があった方がいいと思うんですが・・・」
そう言ったら、若村さんは、笑って説明をした。
「ははっ、お前もそう思うか!・・・俺も思ったんだ。‘普通’よりかは、絶対ステータスが上の奴が良いとな。そのことを上に話したら、上が何て言ったと思う?‘普通の奴の方が伸びる可能性があるし、もし何でもできる奴がもっと強くなったら生意気になるだろう’って言われたんだ。それを聞いた時、なるほどって思ってな。そうして全国の学校で探していたんだがな、なかなかコンピューターが良いと言わなくて。んで、最後の学校でいいと言った奴が」
「俺だったと」
「そういうことだ」
俺もこの長ったらしい説明を聞きながら、なるほどと思った。俺の学校にも、と強い奴はいるが、そいつがもっと強くなったら、面倒くさい事になりそうな気がする。
そんな事を思っていると、若村さんがぼそっと聞こえないような声で言った。
「本当は、違う」
と。
俺は、その意味を聞きたかったけどそれを聞いたら、なぜだか若村さんと一緒に居られないような気がして聞けなかった。今思うと、聞けなかったのではなくて聞きたくなかったと自分で思う。
「おいどうした?さっさとやるぞ続きを」
「あっ・・・はい」
俺は、俺を選んだ理由を聞いた時にもう分かっていたのかもしれない。
若村さんと俺のこの関係は、くずれてしまうと。
それは、意外にも早く来てしまった・・・。
物語が、急転直下します。