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変わらない男・三衣

 ●某日、喫茶店にて●



千「なんだかんだで引越し手伝いには来てくれるのね。

  ありがとう、三ちゃん」



三「筋肉痛は三日後くらいやろか」



千「やー、五日後くらいと見るわね。

  だって全然運動してないでしょ」



三「頭脳労働は日々やっとりますよ」



千「じゃあ、明日から踊りながら仕事したら?」



三「一発御用待ったなし。

  とはいえ日ごろからの運動は気が重い」



千「相変わらずわがままよねー」



三「千づっちゃんほどやあらへん」



千「否定はできないからそもそもしないけど、

  アタシの事はさておいても、三ちゃんが

  世間一般の基準を超えてワガママなのは事実よ?」



三「それが自由というもんちゃうかな。

  もちろん、それに付随する責任はすべて自分が追う。

  これが生きざまやね。"自由と責任"は座右の銘やな」



千「それを周りに押し付けない所は尊敬してるけどね。

  三ちゃんって、裸の王様よね」



三「それは、辞書的な意味でかいな。

  それとも、物語からくる俗説の方?」



千「あたしの中では、真実を見ようとしない人。

  自営業としてそれはどうなの」



三「ええやん、千づっちゃん的な裸の王様。

  時には一つの真実よりも、ありふれた嘘を」



千「裸の王様通り越して、もはや愚王ね。

  聞いたことないなあ。何かのセリフ?」



三「いんや、ミツイ・オリジナル。

  職業:嘘吐きですから。わたくし」



千「否定するつもりもないから否定しないけど、

  ちゃんと誠実に仕事するのよ?」



三「任せろい。まごころ込めて日夜誠心誠意頑張っとる」



千「ちゃんと確定申告は前もってやるのよ」



三「それは肝に銘じておこう。

  もう千づっちゃんの助けは期待できんからなあ」



千「あたしがいないからって油断しないでよ。

  三ちゃん、ただでさえダメ人間なんだから」



三「油断も慢心もせずして何が愚王か!

  愚王の名に恥じることなく精進する所存ぞ」



千「いつまで続けるつもり?そのやせ我慢」



三「無論、死ぬまで」



千「うわ、かっこ悪い……

  台詞自体はかっこいいのに状況がかっこ悪い!」



三「何をいまさら当たり前のことを。

  ええか、千づっちゃんよ。

  男がやせ我慢しとる時は見捨てるのが流儀や」



千「ええー。そんなもの?」



三「そんなもん。

  やせ我慢、男伊達、矜持、こだわり。

  ま、武士は食わねど高楊枝っちゅうやっちゃな」



千「あたしにゃ分からん」



三「そらそうや。千づっちゃんは男やないもの」



千「三ちゃんは男らしくないけどね」



三「俺ほど男ぶりの磨かれた男に向かって

  どの口がそんなこと言うんや」



千「逆に三ちゃんのどこが男らしいの?」



三「そらもう、こう、何ちゅうか……

  全体的に?」



千「具体案、ないんじゃないの!

  勢いだけで話を広げるクセをいい加減直しなさい!」



三「話を広げやな終わってまうやないかい。

  最終回らしくいい話で締めるきっかけを作らんと」



千「最初から締まってないから大丈夫よ。

  今さら、格好良く決めようとしたところで

  場違い感が半端ないもの」



三「おお、たまにはええこと言うのう。

  ほなまあ、いつも通りが一番"らしい"なあ」



千「うん。実際、何かが変わるわけじゃないし。

  あたしはあたしで、三ちゃんは三ちゃんじゃない」



三「お、おおおう?ちょ、ちょい待ち」



千「どこにいたってあたし達は家族よ。

  確かにあたしは新しい家庭を築くけれど、

  三ちゃんのことを大切に思う気持ちは」



三「待てコラ」



千「へ?」



三「何自分だけカッコええ事言うて締めようとしとるんや!」



千「あ、バレた?」



三「卑怯やわー。そういう所。

  昔っから卑怯やわー」



千「気にしない気にしない!

  細かい事を気にしないの。

  そこが三ちゃんのいい所でしょう」



三「せやなあ。おおむね同意する」



千「だからはい、伝票」



三「ま、最後くらい気持ちよく奢ろやないの。

  達者で暮らすんやで、千づっちゃん」



千「うん、ありがとう。三ちゃんも。それじゃ」



三「おう、ほなまた」






 二人一組の三衣と千月ですが、この度、わたくし三衣がお話担当と執筆担当を兼任することになりました。他の方々からすれば、それが普通なんでしょうけれども。


 とはいえ、これからも三衣が文を書くことに変わりはありません。

 なぜならば、三衣はこれからも変わることなく文士であるからです。文士であるが故に文を書き、また文を書くからこそ文士なのです。


 生きていれば、文を書くことはできます。

 つまり、対偶もまた真なり。

 文を書かなければ、生きていけないのです。


 それが、三文文士・三衣なのだから、これはもうしょうがない。

大きく伸びをして、一つ肩の荷を降ろします。


また次の荷物を背負う準備はできておりますよ!

見ていただいた方に大きな大きな感謝をして、このエッセイを完結にします。


ありがとうございました。

今後もどうぞ、三衣をよろしくお願いいたします。

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