虎視眈々・千月
●某日、喫茶店にて●
千「三ちゃんてさぁ。オタクよね」
三「発音があかん。訂正を要求する」
千「はぁ……。ほんと、三ちゃんてヲタク」
三「うむ。それでよろしい。
千づっちゃんの恋愛至上主義といい勝負やと思うよ」
千「あたしは頭の中で妄想してるだけだからいいのよ。
さっきの着メロ……あれ何?」
三「五星戦隊ダイレンジャーのOP」
千「ゴセイ……戦隊?
あぁ、なんかちょっと前にやってたヤツ?」
三「……気にくわねぇ」
千「は?」
三「それは天装戦隊ゴセイジャー。
見習いヒヨッコ天使とダイ族の戦士を一緒にしたらあかん!!」
千「何が違うの?仮面ライダーとは別なの?」
三「10時間、いや、15時間でいい。説明の時間を設けたいんやけど」
千「10文字から15文字で説明しなさい」
三「……うどんと蕎麦くらいちがう」
千「麺じゃない。どっちも」
三「そらジャンルはどっちも特撮カテゴリやからな」
千「麺類が嫌いな人は見るなと?」
三「諸手を挙げて特撮こそが至高!特撮万歳とは言わんよ。
好みもあれば趣味もあるからな」
千「まぁ、三ちゃんが特撮好きなのはよく分かったからもういいや」
三「うぅ、語りてぇええ……」
千「はいはい、この話は終わり終わり。
……ここからは、私のターンだ」※後書き注釈あり
三「ッ!? 千づっちゃんも見てるんやないか!
え?何その自分だけ言いたい台詞言うてすっきり☆
みたいなその小憎たらしい顔!!」
千「たまたま見たのよ。
何かキメ台詞っぽかったからさ。
いつか三ちゃんの前で使ってやろうと思ってたの」
三「……これで勝ったと思うなよ」
千「完全にやられキャラの台詞よねそれ」
その人を構成する要素は、年代や環境、その他様々な縁でつくられていくものです。例えば三衣のクローンが三衣の生誕時にどこかで造られていたとしたら。
三衣本人と三衣クローンは似ても似つかぬ存在に成長することでしょう。
文を書くとは、生みの苦しみを味わう作業であるべきです。
人生を反芻し、考えに考え抜いてひねり出す。絞り出す。濾し出す。つまり、出すためのものは常に自らの中になければいけない。吸収することを止めてしまっては、出がらしの文しか出てこないのです。
三衣の場合は、吸収したものがたまたま特撮だった。
そんな話です。
※ 天装戦隊ゴセイジャー、ゴセイナイトの決め台詞。