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蘇る男・三衣

●某日、喫茶店にて●



三「日常よ!私は帰ってきた!!」



千「また訳の分からない事を……。でも、お疲れ様」



三「ガンダム。ガトーさんの名言のオマージュやな。

  例年のこととは言え、この夏の期間は死にそうになるなぁ」



千「アタシの助けがなければどうなっていたことか」



三「助けてもろたんは家事の一部だけやけどな。

  それでも随分助かったわ。素直に感謝しとく」



千「山よりも高く感謝してね」



三「千づっちゃんも感謝してくれ」



千「へ?なんでよ?」



三「いい花嫁修業になったやろ?さぁ、ほら、海よりも深い感謝を!」



千「あの山のような洗い物を見た時の衝撃が忘れられない。謝って」



三「ごめんなさい。

  あれ?何で感謝されるべき俺が謝ってるんや?」



千「感謝されるべきではないってことじゃない?」



三「ありがとうは人として当たり前のことやないか。

  美徳やと思うけどなぁ」



千「洗い物だけじゃなくて、部屋の掃除もしたわよね?」



三「ありがとうございました」



千「はい、よろしい」



三「むう。俺はありがとう一つ言うてもらえへん男なんか」



千「ふふん。三ちゃんがあたしに勝とうなんて十年早いのよ」



三「その台詞さあ」



千「ん?」



三「十年以上前から使てると思うのよ。

  そろそろ俺が勝ってもよさそうなもんちゃうか?」



千「三ちゃんいわく」



三「ん?」



千「前進しない人間などいない。

  進むのを止めた時が人生に負ける時だ」



三「言うた記憶があるな」



千「三ちゃんもあたしも成長してるんだから差は縮まらなくて当然よ」



三「十年の実力差が五年くらいになってるんちゃうかと思うんやけどな」



千「ありえないわね。差が開きこそすれ、縮むことはないわ」



三「うわ。嫌な感じや。まさに千づっちゃんや」



千「人聞き悪いなあ。

  そんなことよりさ、母さんが三ちゃん連れてこいってさ」



三「春先とお盆に行ったばっかりやと思うんやけどな」



千「三ちゃん成分が足りないんだって。

  あと、ユウのこと聞きたがってた」



三「それこそ千づっちゃんの口から伝えたらええやないか!」



千「三ちゃんの私見が聞きたいんだって。

  娘を信用してない親って嫌よねー」



三「普段、千づっちゃんがどんな事伝えてるんかが謎やわ……」



千「普通のことだと思うんだけどな。あ、でも母さん言ってた」



三「何て?」



千「千月を射止めたければまず三衣を射よ」



三「俺、馬扱いかいな」



千「三ちゃん、射られて死んじゃうね」



三「何度でも蘇ったるわい」



千「じゃ、今度彼氏に弓矢プレゼントしとくね」



三「やめてくれ」




 多くの方は、文を書くにあたって自分の時間を削っている方が多いのではないでしょうか。仕事の合間、家事の合間。睡眠時間や自由時間を削って書かれていることでしょう。


 その方が、良いテンションになる、とどこかの研究結果で見た記憶があります。人間、追い詰められた時の方がパフォーマンスは上がるのです。

 作家を兼業でされる方が多いのは、そういった側面もあるかも知れません。多くは作家だけでは食べていけないとする方が多いからだと三衣は判断しておりますが。


 

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