表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/30

四月馬鹿・後日談

●某日、ボウリング場にて●




三「見たか。美しいフォームからのシンメトリー・スプリット!

  って最悪や!あんなもん倒せるかい!」



千「はぁ。三ちゃんはいつまでも三ちゃんよね」



三「妙に既視感のある台詞な気がするけど、まあええわ。なんや急に」



千「全部ユウから聞いたの。この指輪貰った後に」



三「おお、似合てる似合てる。

  サプライズの後にはネタ晴らし、これ基本やな」



千「三ちゃんの嘘つき。

  ユウと指輪買いに行ってないなんて嘘だったんじゃない」



三「何をおっしゃいますやら。よぉ思い出してみ?

  昨日"は"行ってないって言うたはずや」



千「そういうの、詐欺師の常套句だと思うんだけど」



三「また人聞きの悪い。

  大体、ちょっと考えたら分かると思うんやけどなぁ」



千「そうね。指輪にご丁寧にアタシの名前が入ってたから。

  ねえ、いつから?」



三「何がや?」



千「いつから仕込んでたの?この指輪一つに」



三「正月過ぎくらいに思いついたんやったかなぁ」



千「はあ、呆れた。

  思いっきりビンタしちゃったから謝ろうと思ってたけど、やめにする」



三「やー、俺もちょっとやりすぎたと思う。だが、私は謝らない」



千「また何かのセリフね。まぁ、嬉しかったからいいけどさ」



三「仮面ライダー剣からの引用や。

  ふむ、喜んで貰えたんやったらそれでええわ。

  しかし、7・10のスプリットは厳しいもんがあるのう」



千「ねぇ、いくつか聞きたいんだけど、いい?」



三「ん?ええよ」



千「ホントはいつ買いにいったの?」



三「三月の頭。銘入れには時間がかかるかと思てなあ」



千「指輪のサイズはどうやって?」



三「お母さんに聞いた。他の指のサイズも教えてくれたわ」



千「母さんもグルだったの!?」



三「こっそり部屋に俺が忍び込むよりええやろ」



千「そうだけど。それはそうだけど……。

  三ちゃんが一体どこへ行こうとしてるのかが分からない」



三「実際のところ俺にもよく分かりません」



千「はぁ。じゃ、最後の質問。この指輪、三ちゃんが選んだの?」



三「阿呆なことを言う。

  確かに男二人でやいやい悩んでたけど、決めたのはユウ君や。

  そこまで出しゃばった真似はせんよ」



千「……ほんと嘘つきねぇ。三ちゃん」



三「俺は真実しか言わんけどなぁ」



千「はいはい。さっさとあのピン倒してきてよ。

  倒せたら三ちゃんの真実とやらを不本意ながら信じてあげる」



三「ハードル高っ。ま、ええやろ。

  スプリットハンター・三衣とは俺のことや」



千「初めて聞いた呼び名だけどね」




   ○   ○   ○




三「どや。完璧」



千「どこが!?ど真ん中直球勝負だったじゃない!

  かすりもしてないわよ!?」



三「でも、倒れたやろ?」



千「……はぁ?」



三「機械のバーがきっちりと倒してくれたやないか」



千「えぇぇぇ~……」



三「俺の投げるボールで倒せとは言われてなかったからな。

  倒してきてと言われて、事実、倒れた。

  “スペアをとれ”と言うべきやったな」



千「……それは屁理屈じゃないの?」



三「屁理屈も理屈のうち、空元気も元気のうち。

  その方が人生幸せっちゅうもんや」



千「あたしはこの遣り切れない気持ちをどうすればいいのかしらね」



三「あの整然と並んだ十本のピンにぶつけるとええ」



千「それがせめてもの解消策ね」



三「あ、でもほどほどにピンは残しといて。

  ストライク取られたらスコア的に俺が負けそうやから」



千「俄然やる気が沸いたわ。エールありがとう。三ちゃん」



三「ふむ。敵に塩を贈るのは俺の特技やからな。

  まぁ、負けへんよ」



千「その自信はどこからくるのか不思議だわ。

  スコア、大接戦だと思うんだけど」



三「ストライクハンター・三衣にかかれば奇跡の逃げが……」



千「さっきと変わってるじゃない!!」




 ボウリング、ビリヤード、ダーツ。コミュニケーションをとるための室内遊戯として定番ですね。屋外遊戯ならテニス、ゴルフといった所でしょうか?

 どこから競技として、スポーツとして区分けされるのか。思うに、どれだけの熱をそこに向けるかではないでしょうか。


 同じだけの情熱、想いがあれば。

 そこにプロとアマの違いはあるはずがありません。


 文士も同じく。三衣はいつでも、その時に出来うる全てを文に叩きつけます。

 それが文としてどのような評価を受けるかは後で考えます。読んだ人が決めることですからね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ