テストの結果
「次、界音寺」
「は、はい」
ついにオレのテストが帰ってくる。
「ありがとうございます」
そう言ってテストを受け取り、席に着く。
あぁ、見たくないな。
また同じ点数かな?
恐る恐るテストを広げる。
――――25点――――
下がってはいない。
むしろ上がってる。
けど、なんだよこの点数。
この神下高校で一番悪い成績なんじゃないか?
オレは。
勉強はダメダメ。
運動は…そこまで悪くないかな。
――――キーンコーンカーンコーン
「復習しとけよー来週は50点以下のやつは再テストだからなー」
――――ガラッ
「もー最悪だー」
「ハハッ。オレもだぜっ。夕」
「え?」
「オレも再テストなんだ。一緒にがんばろーぜ」
雨寺美琴。
運動が大好きで、優しいんだ。
弟の雪くんにも、オレたちにも。
とくに、美琴の幼馴染の花南寺桜ちゃんに。
桜ちゃんは、オレが好きな女の子の親友なんだ。
早川里香ちゃんっていうんだけどね。
かわいくて優しいんだ。
この前、転んでケガをしたときも、心配してくれて。
バンソーコーもくれたし。
あれ。
よく考えたら、オレ。
桜ちゃんにもバンソーコーもらったことあるな。
お互いに優しいから気が合うのかな?
同じクラスなのに、二人とも。
里香ちゃんと話したことがないなんて…。(バンソーコーくれたときに初めて話した)
桜ちゃんとは話したことあるんだけどな…。
「なんだ美琴。お前もなのか?」
「お、ルイお前もか」
「アホかっ。オレは90だっ」
「そーなのか。ルイ、また桜に負けたのか?」
「あぁ、そうだ…また負けたんだよ…くっそ…100とか…なんだよ?」
…あの…どちらにせよ、オレにはうらやましいよ…。
美琴、ルイくん、桜ちゃんも陰陽師なんだ。
桜ちゃんと話したことがあるのはそのせい。
「夕さんっ」
「え?」
「今日、美琴と一緒に夕さんの家に寄っていいですか?」
「いいけど…何で?」
「テストの復習を、と思いまして」
「そっか。そういうことなら」
――――キーンコーンカーンコーン
あ、鐘。
「んじゃ、帰り」
「うん」