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第30話「ワクテカ」

「んー。まだ遠くてわからないけど、こりゃ凄い数だ──」


 ひーふーみー……。


「──んー。全部で4、50人くらいかなー」

『は?! し、4、50人?!』


 うん。

 それくらい。


 でも遠い。

 感知でもぼんやりだし、ミユちゃんがバグってないから、かなり離れてるはず。


 やー。でも、さすがにそんな人数が動けば、遠くてもわかるもんだね。


『ちょ、っと……。じょ、冗談でしょ!? そ、そんな人数がここに来るわけが──あ、もしかして、討伐隊じゃ!』


 一瞬、顔を輝かせるミユちゃん。

 だけど、残念。


「いや。多分違うと思うよ。足運びが素人臭いし……っていうか、マジの素人かも? なんか子供もいるっぽいしなー」


 ……ジュルリ。


『こ、ども──なんてこと!』


 それを聞いた瞬間、血相(?)を変えたミユちゃんがどこかに飛んでいく。


 今更だけど、壁抜けできるのかー。便利そう。


 ……まぁ、壁の中じゃどこ進んでるのかわからないから、普段はなるべくいつも通り通路を進むようにしてるのかもね。知らんけど。


「いってらっしゃーい」


 戻ってこなくてもいいよー。

 多分、警告を発しに行ったんだろうしねー。


「ま、どうせ行ったってあの子には、な~んにもできないだろうけどねー」


 無駄無駄。


 しかし、ゴーストって大変だね。

 現世の人には関われないのに、なんとかしたがるんだもん。歯がゆいだろうなー。


「──それはそれとして、こっちも準備開始だね」


 やー。

 大仕事だぞ。


「4、50人かー。楽しみだなー」


 全部仕留められるかわからないけど、なるべくたくさん捕まえよう。


 そして食べるのだ。


 そのために新築したんだしね。その本領が発揮できそうだ。


「よーし、最終チェック、最終チェックっと──……ん。ドロップ品の配置よし、罠よし、清掃状況よーし!」


 準備OK!

 レッツパーティだ!


「やー。ワクワクしてきたなー。子供を食べるのは初めてだしなー、ふふふ。……ん? チビっ子は子供枠なのかな?」


 今んとこ1番の座をほしいままにしているあのBランクパーティのチビっ子(マール)は成人してるのかね?


 ま。

 捕まえて食べてから味比べすればいっか。


「ジュルリ……。あははは、数日ぶりの新鮮なごはーん!」


 しかも子供の肉!


  くうぞー♪

   食うぞ~!


「人間食うぞ~♪」


 ごっはん、ごはん♪


「踊ッり食いに~♪ 乾燥人間(スルメ)熟成人間(ベーコン)、丸齧り~!」


 うーっ、

 たくさんいたら色々試せそー!


「焼いてもいいし、煮ても良さそう」



 えへへ♪



 ボカぁワクワクしてきたぞー。



「幸い、新しく休憩所も作ったし、水もある! あー、考えただけでお腹すいてきたー!」


 ジュルリ。




 はやく食べたーーーーい!




 こうしてミミックは一人牙を研ぎ、

 涎をたらして罠を張る────……数十人を全て捕えるために。

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