第24話「再建候補」
「いやー。マジでうまかったー」
あー、つまようじでシーシーしたい。
『いやいや、ドン引きよ……』
そう言いながら、ヌラリとそこにいたのは、
いつも通り、戦闘後に現れたミユちゃん。
「そう? 確かに初めて食べる味だったなー」
うんうん。
そのせいか、何度も何度も咀嚼しちまった。なんか、こう──ピリリとした味と歯ごたえ。
魔力もあったみたいだし、ローグを極めるとああいう味になるんだな。
あー美味かったー。
『だーかーらー、味の話してないから!──ひどすぎるから。あの人、わりと巻き添えだったし』
いや、巻き添えではないよ?
同罪だよー。
「──ほら、見てよこの部屋。ボッロボロだし、当然っしょ」
『どうせすぐ直るじゃん……』
いやいや、だからっていきなり爆弾とかひどくなーい?
あと、安全地帯から爆弾とかもひどくなーい?──対戦ゲームだったらクレームくるよ?
……対戦ゲームが何か知らんけど。
『だーから、って足からって……。しかも腹いせ。おえー、夢に見そう』
「君、夢みるの?」
『そういう意味で言ってんじゃないの!』
「はいはい。それより、ずっと見てたん? バカだなー。可哀想とか思うならあっち行ってなよー」
居てくれと頼んだ覚えはないよー。
『ふんっ! アンタが死ぬとこを目の前で見ないと気が済まないの!』
「あっそ。げーっぷ」
『下品!』
やー。
ゴメン、今日二人目だから、さすがに腹ポンポン。
ちびっ子がチビじゃなかったら、さすがに入らなかったわー。
『はー。これでBランクパーティが2つ壊滅か……。いよいよもってAランクでないと太刀打ちできないわね』
「そうでも、ないよ? 今日もかなりやばかった」
連戦なのもあるけど、
忍者どもはミミックの対処をよく知っていた。
「──だけど、アイツ等武器の威力に過信しすぎ。……ぶっちゃけ、苦無とか手裏剣攻撃のがやばかったね」
あれを安全地帯か、バリケード越しに延々とやられると詰むんだよね。
こっちは動けないし。
……ほら、見てよ、この穴。苦無が刺さって────ないな。もう回復してる。さすが美味なる青忍者ことエナちゃん。
齧ってるとき、暴れてたしねー。
『あー。あれが正しい対処だったんだ』
「そうなるね。結構痛いんだよー。堅そうに見えて、所詮箱だもん」
鉄じゃないのよ?
いわゆる、よくある宝箱だからね? ほとんど木製なの!──本物の木かどうか知らんけど。
『くっそー! 今度チャンスがあったらそうしよ!」
「ないない」
死んだ君にチャンスはないよー。4番。
……っていうか、前向きなゴーストだこと。
『あるかもしんないでしょ!』
「じゃー、頑張ればー」
そして、修行の旅とかで、どっか行ってくれ。
それよりも「私」はこれから忙しいのだ。
『雑ぅ……って言うか、何してんの? 部屋、直さないの』
「んー? いや、ちょっと反省ー」
『反省?』
や。
ほら、今回わりにピンチだったじゃん?
「ちょっと部屋がね。狭いのもあって、同じことされたら今度こそ死ぬわー」
『おー死ね死ね』
うっせー。
「や。だから、色々考えてさー。拡張しようかなって」
『拡張?……え、この部屋広げられるの?! ここダンジョンよ?!』
うん。
ダンジョンだねー。
「ポイントを使えばちょちょいのちょいだよー。……高くつくけどねー」
だけど、幸いかな。
忍者どものポイントが意外と高い。一人平均して1200ポイントくらいだったので、合計5000ポイントほど──収支的にはプラスとなった。
……多分なんだけど、
あの忍者軍団は、ローグ職のみといった偏った編成をしていながらBランクと微妙なランクだったので、きっと素のレベルが高かったのだろう。
さらには、『無音移動』というのかなんか知らないけど、変わった魔法を使っていたので、魔法使いとしての素質あり。
だからこそのあの味──お味! あー、お酒が欲しくなるね! 飲めるか知らんけど。
「なので、これからしばらく熟考タイムに入ります!──静かにしててねー」
『わーわーわーわーわーわー!!』
……やると思った。
ま、ほっとこ。
ぶっちゃけ、おおよその案はできているんだよね。
せっかく買った罠も活用しつつ、
かつ入口の安全地帯から攻撃されるといった事態を防げるように────……。
「────部屋を奥まで伸ばしまーーーす!」
『わ、びっくりした!』




