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黄昏時の光  作者: バジル
1/1

1章『初夜』

朝の来ない世界で

僕はただ 月を見ていた

誰かと出会うことなんてないと思っていた


——いつからだろう


この世界に、朝が来なくなったのは


いつからだろう


睡眠時間が人によって大差が生まれ


遊ぶ時集合場所と起床時間まで


決めなくてはならなくなったのは


そんな世の中になり


人間が無理やり灯りを生成し


昼のように見せかけていてでも限界があり


朝日が昇る直前のような明るさを永遠と維持している


だけど僕はこんな世の中が好きだ


みんなのように明るく周りに馴染めなかった僕は


いつも本を読んでいたから


この暗さが落ち着きをくれる


この暗さが僕の世界を表してる


僕は急に月が見たくなり月を探し出した


今日は三日月


河川敷の坂でふて寝しながら月を見ていた


いつでも寝れる


落ち着くなぁ…


静かに上を見ながら寝ていたら


ガサガサと足音が聞こえ


その足音は僕の頭付近で止まった


誰かが近づいてきてる?


恐る恐る目を開けてみると同じ学校の


朝日奈 優里あさひなゆりさん


が僕を見下ろしてクスリと笑っていた


僕らは同じクラスで高校2年の3組で


学校も人によって授業の時間が違うから


朝日奈さんと会うことは無かったが名前は知っているし


顔写真も後ろに貼ってあるから一応誰かは分かった


少し身を起こして、彼女を見上げる


「……何か用ですか?」


朝日奈「君はこのせかいが好き?」


僕「好きですけど」


朝日奈「私と同じだね!」


僕が苦手なタイプな元気な女の子って事が分かった


朝日奈「君はこの世の中のどこが好きなの?」


僕「僕の望んだ世の中になったから?」


すこし朝日奈さんが沈黙してから


朝日奈「え!?君この世の中を望んでたの!?面白いねえ〜」


僕「はあ..そうですか」


呆れ顔で答えた


どうせ変なやつと思っているのだろう


朝日奈さんは顎に手を当て悩んだ顔で


朝日奈「君はさ...夢ってある?」


何の話だ?


僕「あ、ありますけど」


恐る恐る答えてみた


朝日奈「聞いてもいいかな?」


ニコッとしながら聞いてきた


僕「この世界にウユニ塩湖って呼ばれる空が地面に映し出されてるかのような湖があるんだ、そこに行ってみたらこの世界をもっと知れるような気がしてさ、一度行ってみたいなあって」


朝日奈さんは目を輝かせながら


朝日奈「えっ、それめっちゃ素敵じゃん……!」


!?


朝日奈「私はね、また朝を見たいなぁって思っててね!どうしたら朝に戻せるのかなぁ?って考えてたの!でもそんなの私には分かるわけないし、地球の裏側に行けば太陽あるのかなぁ?って」


急に笑いだした...


朝日奈「私って馬鹿だよねぇ」


何だこの人


僕「いやあ、僕はそうは思わないですけど...あなたもじゅうぶん素敵ですよ...」


僕はとりあえずこう言うのが礼儀と思った


そう言い終わった瞬間輝かせた目を僕の顔に近づけて


朝日奈「ほんとに!?!?じゃあさ!私たちでこの世界を知ろうよ!」


何を言ってるんだこの人は?でも少し面白そう


僕「まぁいいですけど」



(……なに言ってんだ、僕は)


彼女のペースに飲まれてる、わかってるのに…


朝日奈「やったぁああ!!じゃあまたあしたここで会おうよ!ちなみに君はいつも何時に起きるの?」


僕「だいたい21時です」


朝日奈「わかったァ!じゃあね!」


何だったんだあの人は、台風みたいな人だな


でも——


初めて、友達が出来たかもしれない


明日も来てみるかな…


ここまで読んでくれてありがとうございます

彼女の名前は 朝日奈優里

僕の静かな夜が 少しずつ変わっていきます

よかったら感想くれると嬉しいです

また 次の夜で待ってます

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