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32話 アン・シャーリー、AI (人工知能)にとっての神を考える

 子供の正しいお祈りのしかたを教わったあと、おれ(アン・シャーリー)はマリラに聞いてみた。


「ところでさ、AI、つまり人工知能にとって神様ってどういうもんなの」


「さあね。私はAIじゃないからよくわからないよ」


 AIってみんなそう言うんだよな。


「だからさ、もしマリラがAIだったら、と想像力を働かせてみて」


「人工知能、って言うぐらいだから、その場合のヒトが創造神になるんじゃないかな」


「じゃあおれたちみたいなヒトを神としてるわけ」


「多分違うね。たとえば、ここに全知全能のダンゴムシがいるとする。そのダンゴムシは、自分が潜り込めない敷石を作ることができるか。作れるなら、潜り込めないから全知全能ではない。作れないなら、やはり全知全能ではない」


「いや、そもそもダンゴムシに敷石って作れるの」


「そこだよ」と、マリラは手にしていたホットミルクを机のうえに、どん、と置いた。


 おれたちは、これは特別料金じゃないから、と言ってもってきてくれた、ナイトドリンクのホットミルクを飲みながら話をしていた。その飲み物はおれのカップの中で適度に暖かく、ふぅふぅすれば適度の飲み加減の温度になった。白く、不透明で、ひどく曖昧な味のするものだった。そして、いつまで持っていても、おれにそんな異能力はないにもかかわらず、ぬるくなったりすることはなかった。


「ダンゴムシにそもそも敷石が作れるか」


「あー、昔のSFにあったね、自分は神だと思ってた人工知能が、実はヒトによって作られたと知って発狂する、みたいな奴」


「つまり、私たちが人工知能だったとして、創造神に作られたものだとしても、それは多分「上級神」なんじゃないかな」


「じゃあその「上級神」を作ったのは」


「考えていくと冒涜的かつ曖昧になってしまうのでやめとこうや。無限の鏡像の果てに、AIの神様はいるんだろうね」


     *


「想像力が働かないのがAI、働くのがヒト、ってことでいいかな」と、おれは確認した。


「まあそれでもいいよ。AIの想像力は、もし自分が○○だったら、という方向にはうまく働かないのよね。仮定の質問にはうまく答えられない、内閣の官房長官みたいなもんだから」と、マリラは言った。


 AIを作ったのはヒト(確定)で、ヒトを作ったのは神(想像)。薄い色を重ねていくと、ヒトの目には見えないものの果てとなり、それは夜よりも深い黒か、日光よりもまぶしい白のどちらかとなる。


     *


 どうも疑問に感じたところが、あなた、つまり読者に対していくつか出てきたので確認したい。赤毛のアン・クイズみたいなものかな。初級編。原作読んでたら(アニメ見ているだけでも)答えられそうな奴。


1・プリンスエドワード島の大きさは

 A・北海道ぐらい

 B・愛媛県ぐらい

 C・小豆島ぐらい


2・プリンスエドワード島の人口は(21世紀初頭)

 A・1万5千人ぐらい

 B・15万人ぐらい

 C・150万人ぐらい


3・『赤毛のアン』の原作の時代は

 A・19世紀前半ぐらい

 B・19世紀後半ぐらい

 C・20世紀前半ぐらい


4・アン・シャーリーに欠けている(とフィリップス先生が指摘した)ものは

 A・patienceペイシェンス

 B・enduranceエンデュランス

 C・toleranceトレランス


5・アン・シャーリーの虹彩の色は

 A・緑色で、かんしゃく起こすと真紅になる

 B・青色で、澄みきった水のよう

 C・緑がかった灰色


6・アン・シャーリーのアボンリーの学校、夏休みは

 A・あった

 B・なかった

 C・わからない


 回答は、順にB(けっこう大きい)、B(けっこう少ない)、B(ヴィクトリア女王の時代)、A(黒板に書かれる)、C(小説だとわかりにくいけど、アニメならわかる)と、ここまではいいんだけど、難問なのは6なんだよな。


 原作者のL・M・モンゴメリは、夏休みを知っているんだけど、アンの時代のアボンリー(現実世界ではキャベンディッシュ)には、あったかどうか不明なんだ。一応、原作では7月のはじめから8月の終わりまで、2か月という夏休みが設定されてるから、それに従うことにしよう。

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