第一話 特殊諜報員 残火
紅葉が舞い散る校庭のブランコに小さな少女が座っていた。
「はぁ、全くアイツはまた、、」
首に特殊な傷跡がある男が呆れたようにそう言った。 その男は少女に近づきこう言った。
「帰るぞ、火鮫。 先生が今日も中々帰ってくれないって電話が来たんだぞ」
「あの葉っぱ、血飛沫に見える」
火鮫はそう言うと喉をグルルと鳴らした。
「パパ、ガブしたい」
「お前は本当にアイツに似てるな、、 分かった、ガブしてもいいから帰るぞ」
「やった!!」
男は火鮫をおんぶして職員室に居る先生達に軽く会釈をしてから学校を出て帰路についた。
学校を出た瞬間、火鮫の息が早くなりヨダレが首にかかった。
「よく我慢出来たな。 もういいぞ」
男は火鮫の頭を優しく撫でた。
火鮫は口を大きく開け男の左首に噛みついた。
火鮫はチュウチュウと音を立てながら男の血吸いながら周りをキョロキョロと見ていた。
男はそんな火鮫に気づきこう言った。
「どうした?」
「パパ、11時の方向の汚いビルの上に狙撃銃を持った人がこっちを狙ってるよ」
「11時の方向なんだな? よし分かった、速攻で片付ける」
そう言うと男は腰のホルスターに手を掛けながら、火鮫が言う汚いビル(廃ビル)へと
人混みを綺麗にそして高速にかわしていき廃ビルの下へと着いた。
そして男はホルスターからグラップリングフックが付いた銃の様な物を出して廃ビルの屋上に撃った。
男はその時火鮫にこう言った。
「落ちないようにちゃんと掴んどけよ?」
火鮫はチュウチュウと血を吸いながら
「うん」 と一言だけ言った。
「じゃあ行くぞ」
男はそう言うと銃に付いたスイッチを押した。
スイッチを離したその瞬間二人はグラップリングフックが刺さった屋上へと引き寄せられ
物凄い速さで屋上へと到達した。
男は目の前でスコープを覗く男にこう言った。
「そんなに探しても下に俺らはもう居ないぞ」
スコープを覗いていた男は背後からの急な声に驚き後ろの柵に頭をぶつけた。
「なんで、、 なんでここに!!」
「んな事はもうお前に関係ないだろ。もうすぐで居なくなるからな。
さぁ居なくなる前に言え、誰からの差し金だ」
「差し金? 差し金なんか僕知らない!! インターネットのバイト募集にコレがあったんだよ!!」
「闇バイトか、、 なぁお前、今ここで見た事起きた事を忘れたら生かしてやる」
男はそう少年に告げると少年は笑いながらこう言った。
「ふふ、、 ふふふ!! 嫌だ、嫌だね!!
やっと握った、、 やっと握れたこの銃で僕は人を殺したい、殺してみたい!!」
そう言うと少年はどこからか銃を取り出して男の方へと向けた。
「お前を殺してお金を貰ってその女の子を僕のペットにする!! にひ、にひひひ!!」
男はため息をつき少年に最後の言葉を告げた。
「俺は悲しいよ、こんなに日本が腐ってる事がな。 さようなら若き未来ある少年よ」
男はそう言うとホルスターからサイレンサー付きのピストルを高速で手に持ち少年の鼻めがけて撃った。 少年へと撃たれた弾丸は寸分の狂いもなく人間が即死出来る地点へと命中した。
男は血を流す少年を見ながら耳に付けている連絡機に手を当ててこう言った。
「位置情報を送るので清掃を頼みます。 また、闇バイトからの刺客です」
そう言うと連絡先からネットリとした声の返答が返って来た。
「情報は取れたのぉ? 残火ちゃん」
「取れてない、そして黙れ阿蒜。報告中だ」
「はぁ〜い。 んでぇ〜どうするのさぁ? 指揮官〜?」
指揮官は低い声でこう言った
「処理班と調査班を向かわせる。 阿蒜も行きたいなら行かせてやるぞ」
「冗談きついよぉ〜指揮官。
というかさぁ? 僕らが日本を守る諜報員なの多分この裏に居るやつにバレてるよねぇ?
早く消さないと日本の社会に汚点という汚点が増えてどんどんと日本が腐ってくよぉ?」
「日本の汚点という点だけは同感だ。 指揮官、俺はどうすればいい?」
「残火と、、 火鮫も居るだろう? とりあえず一回帰って来てくれ。
この件についての話やその他諸々もだ」
「了解、そちらに向かいます」
男はそう言うと通信機を切り火鮫にこう言った。
「帰るぞ火鮫。」
火鮫は少年の死体を見ながらこう言った。
「パパの銃スゴイキレイ! でもあの血はキレイじゃない。 パパと違ってドロドロしてる」
「ありがとな、褒めてくれて。 んじゃあ家に帰るぞ」
「うん」
残火と火鮫は今度こそ帰路へとつき、広告会社『white cat』に着いた。
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