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196  作者: Nora_
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「え、まだ無理なの?」

「逆に秋と東風が早すぎるんだよ、普通だ普通」

「そっか」


 ただ、そんなことを言おうものなら優惟ちゃんからも「普通だよ普通」だなんて言われてしまいそうだった。

 こちらの足に頭を預けながらゲームをしている彼女は気にした様子もないけど、そうやって予想できているから言うのはやめよう。


「それにいますぐにどうこうという考えはないんだ、二人を見て羨ましく感じることはあるけどそうやって影響されて動くのも違う気がしてな」

「言い訳だね、怖いからそんなことを口にしているんでしょ」


 いやでも誰だってそんなものではないだろうか? 特に動かなければならない方なら怖くなって当然だ。

 だって下手に動いた結果、これまで積み上げてきたなにかが一瞬で崩れて消えてしうかもしれないからだ。

 結果がどちらにしろ時間が経過しない限りはいままで通りのまま一緒にいることなんて不可能だと思う。


「はは、東風は厳しいな」

「でも、動かなければ変わったりはしないよ、例え相手が自分のことを優先してくれていたとしてもね」

「自分の考えが全部正しいなんて言うつもりはない、経験者の意見はありがたいから色々と教えてくれ」

「じゃあもう言うけど、あれだけ分かりやすい態度でいてくれているのになにを怖がっているの?」


 へえ、あのクールな子が積極的に行動しているということか、見てみたいけどやめておこう。

 私が出しゃばるといいことはなにもないし、これからに影響が出るかもしれないから無理やり抑え込むしかない。


「わ、分かりやすいか? それこそ東風みたいに感情豊かというわけじゃないから難しいんだぞ?」

「もっと見てあげないと駄目だよ」

「なんか悔しくなってきた、ちょっと外に出てくる」

「行ってらっしゃーい」


 あれ、大人の対応ができていて格好いいと褒めるつもりだったのに「悔しい」などと言って出て行ってしまったぞ……。


「作戦成功、やっぱりここにいるときぐらいは秋とふたりきりがいいんだよ」

「はぁ、弟も優惟ちゃんも駄目だ……」

「駄目でもなんでもいいよ、秋はあたしの物なの」


 それなら優惟ちゃんは私の物ということになるから自由にさせてもらおう。


「よーしよしよし、甘えん坊で可愛いねえ」

「ねえ、ちょっと小馬鹿にしていない?」

「していませんよ? それに優惟ちゃんの髪の毛は奇麗で好きなんだ」

「ならいいけど、自由に触ればいいよ」


 許可が出たのであれば一切の遠慮をしなくていいだろう。

 だからそれからもよしよしと頭を撫でまくったのだった。

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