序章『少女は星に願う』
12月31日
雪がちらついていた夜中に少女が独り、歩いていた。
彼女は十歳になっていたが天涯孤独で家もなかった。
彼女は街を独りで歩き、暖まる場所を探していた。
その黒い髪は雪で隠されていた。
その紅い瞳は孤独で霞んでいた。
周りの人々は彼女に声すらかけてもらえずその想いは凍えていた。
しばらく歩いていた時、ある空き地に一つの影が見えた、
これは何なのかポケットに入っていたマッチに火を付けると、そこには小さな黒いぬいぐるみがあった。
捨てられていたのか薄汚れていた
だが、そのぬいぐるみは犬なのかと思うとマッチに付いていた火が消えてしまった。
すると、彼女は火を付けてよく見ていたらそれは犬にはなかった角がついていた
よく見ると御伽話にしか出てこない生き物で神とも呼ばれる『竜』だと気づいていた
それを見た彼女は自分と同じ独りではないかと泣いていた。
「あなたも独り? 私も同じね」
気づけばその『竜』のぬいぐるみに彼女は話しかけていた。
独りで寂しかっただろう彼女は哀しい表情で『竜』のぬいぐるみを離さなかった。
ふとマッチの火を見ると火は消えそうになっていた。
「寒いね、大丈夫、私が暖めるから」
そう言った少女は周りにある紙や木の枝等を一つに集めて、持っていたマッチを束ねてから集めていた場所に火を付けていた。
その炎は彼女と『竜』のぬいぐるみを暖めていた。
「寒くない?」
彼女はそう話しかけていた
ふと上を向くと流れ星が少女の上をとおっていた
「なにか願いはある? 私はあなたと一緒に話して、美味しい物を食べて、遊んでいたいの、でもそれは叶わない」
彼女はそううつむくと
「私の事を誰も見てくれないから何もできないの」
そう言うと少女は涙を流していた。
「神様、私を暖かな場所に連れて行って下さい、そしてこの子も私と同じ場所に連れて行って下さい」
そう願うと『竜』を強く抱きしめ、一時も離しませんでした。
その時、流れ星から眩い光が少女と『竜』を包み込んでいた。
夜が明けた朝、ある広場の雪の上に十歳の少女が眠るかのように横たわっていた。
彼女の周りにはマッチや木の枝等の燃えカスがあったが抱いていた『竜』のぬいぐるみはそこにはなかった。
大晦日に投稿する予定が遅れてしまったので謝罪を申し上げます。
申し訳ございません(´·ω·`)
三日坊主はしないように致します。
もう一つの作品の投稿も遅れないようにいたします。