シスコンの心、妹知らず
ボケ 「なぁなぁ聞いて?」
ツッコミ「何々?また妹の話?」
ボケ 「そうそう、うちの妹な、生徒会入ってるくらい頭良くてさ、しっかり者~って言われててさ。俺もすんごい出来た妹やな~って鼻高々何やけどさ」
ツッコミ「真面目ちゃんよなぁ。良い子やし」
ボケ 「この間、真面目な顔して聞かれてん『なぁなぁ兄ちゃん、警察って何時までやってるん?』っ……て」
ツッコミ「えぇー?ほーぅ?」
ボケ 「その瞬間、俺、走馬灯が流れたんよ」
ツッコミ「軽く死にかけてない?それ」
ボケ 「俺、妹と何度も見てた番組があんねん。警察のドキュメンタリー」
ツッコミ「あー。特番のアレな」
ボケ 「その名もズバリ“警察24時”。って事はや。これは妹からの挑戦状って事なんじゃないかっ……て」
ツッコミ「ん?何でそっち行った?」
ボケ 「わざわざ名の通った番組を一緒に見といて、それをぶっ込んできたわけや。つまり、『ボケてくれるよなぁ?』って事じゃ?!って思ったわけよ」
ツッコミ「ほう。走馬灯まで見た結果がそこか」
ボケ 「でも、上手い言い返しが何かが咄嗟に思い付かんで……」
ツッコミ「そこはもう普通にボケじゃなくって、ツッコんで流した方が良くない?」
ボケ 「可愛い妹の期待を無惨に潰せと言うんか?ワレ」
ツッコミ「嫌だシスコン 怖い。しかも挑戦が期待に変わってるぅ」
ボケ 「そんで頭の中で100周くらい考えて捻り出したのがさ」
ツッコミ「うん」
ボケ 「『17時じゃね?』……って」
ツッコミ「……いや、役所じゃねーんだから」
ボケ 「そうやんな、普通そうくるよな?!」
ツッコミ「え?妹ちゃんはなんて?」
ボケ 「『そっかー⭐︎ありがとっ』って爽やかに笑ってどっか行ってんけど」
ツッコミ「えっ、」
ボケ 「俺、ボケをスルーされるほど嫌われてたんかな?!」
ツッコミ「いや、知らんけどっ。なんか理由あるんじゃ?!あ、ほら、書類手続きの受付とかさ」
ボケ 「そんでさー。さっき妹からのメールがきてさ……」
ツッコミ「フォローは無視か。へーへー、嫌われてなくて良かったね~」
ボケ 「『録画メニュー出すのってどれ押したら良いのん?』って内容で写メついててんけど」
ツッコミ「あー、なんかお助けメールだったんか」
ボケ 「そうー。その写真がさ、ブルーレイのリモコンを写してくれてて……」
ツッコミ「あー……多機能でボタンいっぱいなリモコンなぁー」
ボケ 「どれって言われてもさ、」
ツッコミ「整列してないもんなー。再生と停止の辺りなんてど真ん中で円陣組んどるし、dボタン当たり態度大きくして派閥作ってるし」
ボケ 「そうなんよ。何列目〜とか、言葉で言いにくい事この上ないんよ」
ツッコミ「じゃ、写真に丸とか書き込んで返信したったら良いんじゃない?コレ!って一番伝わるやん」
ボケ 「簡単に言ってくれるのぅ」
ツッコミ「え……あっ」
ボケ 「俺ガラケーなんですけどぉ?!」
ツッコミ「せやったなぁ……」
ボケ 「けどな、頑張って編集したんよ。“○”って入力して輪っか作って、縦横ボタンで画像の上をカチカチ押しながら滑らせて」
ツッコミ「ぅわぁ、すげぇ地味な努力」
ボケ 「やーっと編集できて、さぁ送ろうって時にさ」
ツッコミ「頑張ったなぁ」
ボケ 「妹からのメールが来てさぁ」
ツッコミ「催促でもされたんか?」
ボケ 「『あ、何か分かったっぽいからいいわ~』って……」
ツッコミ「……ぉう。それは、切ないな」
ボケ 「やっぱ嫌われてるんちゃうかな~」
ツッコミ「そんなことは、無いんじゃーないかなー?めっちゃめんどくさいな。帰らせてもらうわ」
ボケ 「置いてくなよぉぉぉ〜!なぁなぁそんでさぁー……」
興味があったので書いてみました。
因みに作者の過去実体験です(笑