あり得ない
俺は香竜 長。ベットに欲望の捌け口を見いだした変態野郎だ。そんな変態野郎な俺が今、ひじょ~~に困った状況に居る。
「パパ!」
子供らしい可愛い声で俺をパパと呼んで来る子供と、
「あらあら。そんなにはしゃいじゃ駄目よ」
そんな子供をあやす母親。それだけを聞くと俺が幸せ自慢をしている様に聞こえるかも知れないが、実際は違う。むしろ、いきなり俺の前に表れて父親だと言うこの親子に俺が驚いているぐらいだ。うん?「最低野郎だ」だって?それだけであれば俺は童貞を卒業していたんだと喜ぶだけだが、現実は無情なんだよ。俺の前に居る親子はな……ベットなんだ。
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「はは……」
あり得ないだろ?ベットが意思を持って動いて、俺をパパと呼ぶ……思わず口から乾いた笑いが出たぞ。そんな俺の様子が気になったんだろうな。ベットの親子は話し掛けて来るんだ。
「パパ、大丈夫~~?」
「貴方、何かあったの?」
なぁ、誰でも良いから夢だと言ってくれ。これは悪い夢だと……そしたら俺は夢から覚めていつもの変態野郎としての日常に戻れるんだ。だからな……誰でも良いから夢だと言ってくれよ。
「大丈夫~~?」
「熱でもあるの?」
子供は俺に寄り添うって来て、母親と思わしきベットは器用にベットの角を使って優しく俺のおでこに触ってくるんだ。肌に触れるベットから伝わる温かさにこのベット親子は生きていると俺に教えてくるんだ。この温もりを感じていると過去の俺の言葉を思い出した。
『結婚するならベットとしたい。そして一杯イチャラブするんだ。子供は男の子と女の子が一人づつ欲しいな。家は広い一軒家を建てて住むんだ。幸せだろうな……』
何言ってんだよ俺!!ベットと結婚して子供出来るわけないだろ!?今がまさにそうだけど!!でもあり得ないだろ!?ベットの妻が出来てベットの子供が居るって何だよ!!俺はパラレルワールドにでも来てしまったのかーーーーーー!!??
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「起きないわね~~」
ベルナは器用に角を曲げて枕元に当て、
「あっ!それならあれをやればパパが元気になるかも!!」
ベツナは良いことを思い付いたと跳び跳ねながらベット母に言う。
「あっ!あれね?」
「うん!」
ベルナはベツナは言いたい事が分かったのだろう。とても嬉しそうにベットの角と角を合わせてベツナに聞くと、ベツナは嬉しそうにベットを小さく曲げて頷く。
「ふふふ。確かにあれならパパも元気になるかも知れないわ」
「きっと元気になるよ!ママの包容は世界一だから!!」
ベツナの言葉を受けてベルナは長に近づいて……はっ!なんで俺はナレーションなんてしているんだ?可笑しく無いか?それに初めて会った筈の親子の名前がなんで分かるんだよ?それに包容?ベットの包容……ゴクリ。ちょっとだけ、ほんのちょ~~~~っとだけ気になる。ベット愛好家を自称する者としてこれは是非とも味わい、た、い……
ギュッ
「ほわぁ~~~」
なんだこれなんだこれ~~今までのベットが硬く思える程にベルナのベットの軟らか……いや!包容は気持ち良い!!これはまるで天使の羽の様な軟らかさ?いや違う!母性の塊だ!!抱き締めた者を安心させ、また、その軟らかは約束された素晴らしい睡眠へと誘う!これはまさにベットは全ての母であると言う揺るがらざる事実の証明!!
「あなた、私の包容はどうかしら?」
それはもちろん!
「最高~~」