よく笑う子とよく泣く子の双子の酒井さん。
僕の幼馴染の女の子に双子の酒井さんがいる。
お姉ちゃんの実ちゃんは、よく笑う女の子だ!
妹の果実ちゃんは、よく泣く女の子。
二人の性格は、顔はそっくりなのに、、、!
全然、性格は似ていない!
お姉ちゃんの実ちゃんは、いつも元気で活発な女の子だ!
目立ちたがり屋さんで、いつも実ちゃんの周りにはお友達がいっぱい
いるんだよ!
それに比べて、妹の果実ちゃんはいつも泣いてばかりで、、、。
【泣き虫果実と!】みんなからそう呼ばれている。
内気で人見知りの果実ちゃんは、1人でいる事が多いんだよ。
*
それは、大人になっても変わらなかった!
相変わらず、実ちゃんは人気者で、、、!
果実ちゃんは、そんなお姉ちゃんを遠くから見ているだけ、、、!
『ねえ? お姉ちゃん!』
『なに? 果実!』
『お姉ちゃんとわたしは同じ顔なのに、どうしてこうも性格が違うの、、、?』
『果実も、私みたいになってみたら、、、?』
『えぇ!?』
『実はね? 私の性格と果実の性格を交換できる薬をおばあちゃまから
もらったのよ~! 良かったら? 試してみない、、、?』
『おばあちゃまからもらったの、、、?』
『えぇ! おばあちゃまの今、研究している薬らしいの! 実験済みだから
問題はないと思うのよ~! どう? やってみる、、、?』
『うん!』
『じゃ、同時に! 私は赤い薬を飲むわ! 果実は、青い薬を飲むのよ!』
【せーの!】
【ゴクッ】
二人は、薬を飲むと、、、?
意識が遠のいていき、、、そのまま意識をなくした!
二人が目を覚ますと、、、?
二人の性格は、入れ替わっていた、、、!?
『お.お姉ちゃん? わたし、何だか? 凄く気分がいいわ~! 凄い!
こんなに気分が変わるモノなの、、、?』
『逆に果実! 何時も貴女、こんなにテンションが低いのね! なんだか?
無性に悲しくなってきたわ~!』
『お姉ちゃん! 泣かないでよ!』
『私だって! 分からないけど、、、? 涙が勝手に出て来るのよ~!』
『・・・お姉ちゃん、』
*
『この薬は、24時間しか持たないから直ぐに元の状態に戻れるのよ!』
『・・・そっか! 24時間しか持たないんだ~』
『えぇ! だから24時間の間に好きな事しなさいよ果実!』
『分かった、姉ちゃん!』
果実は、真っ先に僕のところに来た、、、!
何故なら? 僕は実と付き合っていたから、、、!
ふたりの幼馴染であり、僕は実の彼氏だから、、、。
『正俊クン! 元気だった、、、?』
『えぇ!? どうしたの実、、、? 昨日も僕たち会ってただろう、、、?』
『・・・あぁ、そうだったかな? ごめんね、正俊クン!』
『・・・・・・何だか? 珍しい呼び方で今日は、僕を呼ぶんだな、、、!
いつもは、正俊って呼び捨てなのに、、、【クン】をつけて呼ぶなんて!
まるで、妹の果実ちゃんみたいな呼び方じゃないか、、、?』
『えぇ!? そうだっけ? いつも正俊クンって呼んでたかなわたし、、、?』
『まあ~いいや~今日のデート何処に行こうか、、、?』
『水族館がいいな~』
『分かったよ~! 車でドライブデートしながら、水族館に行こうか!』
『うん!』
*
お姉ちゃんの実より、ずっと前からわたしの方が正俊クンの事が
好きだったのに、、、!
気がつけば、お姉ちゃんと正俊クンが付き合っていた、、、!
わたしは、いつだって! 遠くから二人を見ているだけだった、、、!
でもこれがキッカケで、、、!
わたしが正俊クンと付き合えるかもしれないと自信が出てきたの、、、!!!
でも、それもこれも! あの薬のおかげ...。
わたしは、正俊クンとドライブデートをして二人で水族館に行き
晩ご飯をオシャレなレストランで食べて、車で送ってくれた時に
正俊クンと帰りのキスもした、、、!
『おやすみのキスだよ~! じゃあね!』
『うん!』
正俊クンと別れた時には、もうわたしの性格に戻っていた、、、!
家に入ると、、、?
ニコニコ嬉しそうな顔をしたお姉ちゃんが立っていた!
『お帰り~! 今日の正俊とのデートどうだった、、、?』
『・・・あぁ、凄く、楽しかったよ!』
『良かったね~果実!』
『・・・ううん。』
*
わたしは、次の日、、、。
おばあちゃまに会いに行った。
『・・・おばあちゃま!』
『実! 実りなのかい?』
『・・・違うわ! おばあちゃま、わたしは果実よ!』
『・・・あぁ、果実か! てっきりあたしは、実かと思ったよ~!
しかし、、、? 顔はそっくりだねぇ~』
『・・・ごめんね、がっかりしたよね!』
『・・・まあね!』
『・・・おばあちゃま、お姉ちゃんにあげた薬、もうないかな?』
『えぇ!? それをどうする気だい、、、?』
『また、お姉ちゃんと変わってもらおうと思って、、、!』
『ダメだ! ダメダメ! あの薬は、飲み続けると副作用もあるから、、、?
体にはよくないんだよ! それに、顔がそっくりなんだから、、、?
性格を変える必要もないだろう!? 実はあのままでいいの! それとも
果実、アンタ! なんか企んでいるのかい、、、?』
『えぇ!? そんな事、考えてないよ!』
『果実、アンタもあたしにとって大切な孫なんだから、変な事を考えないで
おくれよ~! ねえ、いいかい?』
『もちろんよ! おばあちゃま、分かっているわ~!』
『それなら、いいんだけどねぇ~!』
わたしは少しがっかりしながら、おばあちゃまの研究所を出るところで、、、!
おばあちゃまの右腕の笹井と言う男に呼び止められた、、、!
『久しぶりだねぇ~果実ちゃん!』
『あぁ、どうも! わたしの事、覚えてくれていたんですか、、、?』
『まあね! 今日はどうしたの、、、?』
『実は、、、? 薬をおばあちゃまから貰いに来たんですけど、、、?
その薬には、副作用があるらしく、、、貰えませんでした...。』
『えぇ!? ちょっと来て果実ちゃん! 薬ならあるよ~! 酒井先生は
薬に副作用があると言ったそうだけど、、、? 本当は実験済みの薬だし!
副作用なんてないんだ! 酒井先生は、実ちゃんの事が大好きだから、、、!
果実ちゃんに、薬をあげたくなかっただけじゃないかな、、、?』
『えぇ!?』
『酒井先生にナイショで! 薬をあげるよ~! 果実ちゃんはこの薬が欲しい
んでしょ?』
『・・・ははい。』
『どんな事があっても! 僕から果実ちゃんに薬をあげたって事言わないって
約束してくれるなら、あげてもいいよ~!』
『・・・本当ですか?』
『あぁ!』
『わたし! 約束します!!!』
『果実ちゃんはイイ子だねぇ~! じゃ、はい! これ!』
『ありがとうございます!』
*
わたしは、こうして笹井さんに貰ってきた薬をお姉ちゃんと一緒に飲んだ、、、!
『ねえねえ? お姉ちゃん、おばあちゃまから薬を貰ってきたの!
また、一緒に飲んでくれない、、、?』
『えぇ!? おばあちゃまから、、、? いいわよ! じゃ一緒に飲みましょ~!』
【せーの!】
【ゴクッ】
二人は、薬を飲むと、、、?
意識が遠のいていき、、、そのまま意識をなくした!
わたしが目を覚ますと、、、?
『えぇ!? お姉ちゃん、、、? お姉ちゃん! 目を覚ましてよ!』
『・・・・・・』
お姉ちゃんは、薬を飲んでから目を覚ます事はなかった、、、!
【植物人間になってしまったのだ!】
わたしは、お姉ちゃんの性格と本来のわたしの性格を二つ持つ事となった!
性格に波があり、自分でもどうする事が出来なくなる時がある!
情緒不安定な状態になってしまったのだ、、、!
『こんな事なら、、、? 薬なんか、飲まなければ良かった...。』
最後までお読みいただきありがとうございます。