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Scarlet seasons  作者: 有河 さくら
第一章
7/8

猫探しと偽りデート

 きょうもわたしはそとのせかいをみている。

ごしゅじんさまがでるといつもここにいる。

このいえのひとたちはやさしくてすきだけど。

それでもごしゅじんさまがいちばんすき。

 

 ごしゅじんさまはそとのせかいのことをいつもはなしてくれる。

いっしょにあそんでるひとのはなし。

がっこうでのはなし。

すきなひとのはなし。


 かえってくるとはなしてくれる、ごしゅじんさまのはなしがいつもわたしはたのしみだ。


 でも、やっぱりそとにでたいなー

ここからみえるせかいにはがっこうがみえない。

みえるのは、めのまえにあるやまでそのさきをみることはできない。


 あ、あのひともがっこうにいまからいくんだ。


『わたしもごしゅじんさまといっしょにがっこうであそびたいな』


 正午過ぎの盛城公園、そこにはロープウェイに乗る数人の人と十人くらいの少年少女が僅かな遊具で遊んでいる。

 時代が時代なのか数十年前まであった遊具は撤去され、今では砂場やシーソーなどの危険性の低い遊具しか残っていない。

 何事にも言えることではあるが、事件などがあるたびに色々なことが改善されると同時に大切な物も失われてたりする。

そう考えれば、撤去された遊具などにもいろんな人の思い出が詰まっていたに違いない。

 安全のためとはいえなんでも変えたりするのも深く考えれば残酷なものである。


 そんな中二人の男女が公園にやってきた、冬也と茜である。

 茜は冬也の手を引いて前を歩き嬉しそうだ、しかし対する冬也はあまり落ち着かない様子でそれに従いついて行っている感じである。


「冬君早く早く!」

「そんな急がんでも時間はたくさんあるんだ。もう少しペースを下げないか?」

「駄目よ! せっかく冬君と二人だけなんだから少しも時間を無駄にできないわよ!」


 そう言われて冬也は目を丸くして言葉に詰まる。


「い、いやだがだ。俺たちがここにいる理由は分かっているだろう? 猫の方は大丈夫なのか?」

「何顔赤くしているのよ。もちろんしょうゆちゃんの為でもあるけど、ついでに楽しまないと損でしょ?」

「何、夏希君みたいなことを言ってるんだお前は......」

「何のことかしら?」


 茜はわざと分からないフリをするとかわいらしく笑う、それに対し呆れた様子でため息を漏らす冬也だが少し笑みをこぼしている。


「それよりもさ、あれ食べましょ」


 冬也は茜の指差す方に目を向ける、そこには『盛城町名物もみじソフト』と書かれたのぼり旗が重しに刺してある。


 もみじソフトの見た目はさくら色でもみじと言うほど赤くはない、何故かというと紅葉自体に味がほぼ無いため大半がソフトクリームなのだ。

しかし、甘さの中にある僅かな酸味が美味しいと観光客の間で言われており。盛城町に訪れたらぜひとも食べて帰りたい一品であると評判である。


「お前は、本当に好きだな紅葉」

「だって、美味しいし綺麗じゃない紅葉って」

「俺は見るのはともかく口にするのは苦手だよ」

「そー言わずに食べましょ! すいません! もみじソフト二つ下さい!」


 茜は冬也の言葉をお構いなしに元気よく店員に注文をする。

冬也は何も言わないがやれやれという感じだ。


「毎度おおきに! ちぃーとまっててなー」


 すると、三角巾にエプロン姿の店員が手慣れた手つきでコーンにアイスを入れ、包装紙で包むと専用の台にこぼれないように置く。それをもう一度繰り返し、一分と待たないうちに二人分のもみじソフトが完成した。


「おまちどうさま! うん? よく見たら吹雪さんに生田目君やないかこんなところでどないしたん、デート?」


 店員は二人のことに気が付くと親しげに話しかけてくる、どうやら二人のことを知っているようだ。


「どこかで聞いたことがある声だと思ったら、里中さんだったのね。ふふふ、どうかしら」

「どこからどう見ても、そうとしか思えへんよ」

「いや、それは残念ながらない」


 そう言われた茜は嬉しそうにしていたが、冬也はそれを否定するかのように持っていたビラを里中に見せる。


「ああー、この広告最近見たで吹雪さんとこの猫やったんやね。チラ見やったから気付かんかったわ」

「オスなんだけど、見かけたら教えてくれないかしら」

「はいな、見かけたら電話で知らせたるから安心しーや。せやけどこの広告大事な情報抜けてるさかい書き直して張りなおした方がええよ?」

「ええ......ありがとう、そうするわ」


 アイスを頬張りながら、反応をする茜だが少し言葉に動揺があった。

そんなことは気にしてない様子で冬也は茜の手首を掴みその場を後にしようとする。


「大分並んでる人が増えてきたし話し込んでたら迷惑だ、俺たちは行く」

「うん、また食べたくなったらきいや!」


 里中はそういうと冬也に気付かれないように、茜に軽くガッツポーズをする。


「ありがとう! また食べに行くわ」


 茜は里中のその行動に対して、返事を返すと同時にウィンクをする。

女の子同士だからこそ分かることもあるのだろう。


「うむ、どうするか......」


 茜の手首を掴んだまま周りを確認する冬也、見渡す限り猫はいない。

葵からの情報とは異なることに少し悩んでいるのかそんなことを言う。


「冬君......少し痛いわ」

「うん? すまん......大丈夫か」


 手首を掴まれた時は対して気にしてはいなかったが、しばらく掴まれているうちに恥ずかしくなったのだろう顔を赤らめて茜は横を向いている。

手首が痛いと言っていても嫌そうではなく、むしろ嬉しそうなあたり照れ隠しの一言だったのだろう。

 しかし、冬也はそれに対し少し動揺したようで手を離してしまう。


「ええ、大丈夫よ......」


 茜は後悔したようで言葉に力が無くなる。

今回のような不意打ちは苦手なようで、いつものように冬也を茶化すようなことはない


「でも、女の子の手を掴む時はもう少し優しくしないと駄目よ?」

「そんな強く掴んだつもりはなかったんだが......悪かった」

「いいわよ、次からそうすれば!」


 すると気持ちを切り替えたのか、冬也の手を握り返す。


「お前の方が握るの強くないか?」

「女の子からはこれくらいが丁度良いのよ! それよりも早く探しましょう」

「探すって言ってもこの辺りには居ないぞ」

「寒くなってきたから、オコタで丸くなってるのよ」

「なるほど、そういう考えもあるのか」

「今のを冷静に返されると思わなかったわ」


 手を握ったままボケをかます二人、冬也のボケに対し茜は苦笑いを浮かべる。


「気にするな。しかし、他に探すとしたら登山道か頂上しかないな」


 すると二人は登山道の近くに行く、横にはロープウェイ乗り場がある。

登山道は全く人気がなく、整備もされていないためか獣道みたいになっていた。


「でも流石にここは上る気にはなれないわよね」


 奥の方は薄暗く不気味である、好き好んで上る人は全くいないだろう。

ただし、肝試しなどには最適だと思われる。


「ああ、不気味すぎて俺は嫌だな」

「じゃあロープウェイに乗りましょう!」

「そうだな、学生手帳は......あるな」


 冬也は内ポケットに手を入れると生徒手帳を確認する。

 盛城町のみの子供、高校生までは生徒手帳を呈示することによりバスとやロープウェイなどが無料で乗ることができる。

そのため、盛城高校の生徒にとって生徒手帳は必需品である。

 ちなみに小学生は顔パスが効く。


「私も大丈夫、早速行きましょう!」


 茜と冬也は、受付の係員に生徒手帳を呈示する。

 すると係員に少し茶化される二人。

冬也は『勘違いです』と言ったが、茜は『ありがとうございます』と返していた。

 そこから奥に進むともう一人の係員が誘導してくれる、二人はロープウェイに乗って頂上に向かう。


「今日は大分寒いな、茜大丈夫か?」

「そうかしら、まだそんなに寒くないと思うわよ?」

「そんな格好のお前には言われたくはない」

「それはお互い様でしょう! それにこれ意外に暖かいのよ」


 コーディガンをひらひらさせながら暖かさをアピールする茜。

冬也はその姿を見て目を逸らす。


「分かったから、ちゃんと着てろ風邪引くぞ」

「ふふふ、目を逸らしてどうしたのかな?」

「いいから、ちゃんと着るんだ」

「はーい」


 すると茜は冬也に言われた通りコーディガンを羽織直す。

茶化された冬也は茜から視線を逸らしている。


「そういえば、久しぶりに冬君に名前で呼ばれたわね」

「そうか?」

「そうよ、高校に入ってから一緒に居る時間も少なくなったし、お互い今じゃ部活の部長よ?」

「確かに会う機会は少なくはなったが名前は普通に言っているぞ」

「いつぶりに言ったか分かる?」

「三ヶ月ぶりくらいか?」

「三ヶ月よ三ヶ月! もうそんなに呼んでもらってないの!」


 冬也はまったく理解できないというような感じだがとりあえず頷いて聞いている。

 次第に頂上に近づいてきて盛城町全体が少し見えてきた。

 盛城町は榊神社を中心にして東西南北にそれぞれ山があり、その一つ一つに季節の神が祭られている祠がある。


 ちなみに、ここは西に位置しており秋の神“龍田姫たつたひめ”が祭られている。

 龍田姫は染色が得意と言われており、この山の紅葉はその影響か他の山々よりも一段と綺麗である。


 他の建物の位置だが。

ここから見て反対側、東の山と神社の丁度中間地点に盛城高校があり。そこから北東の方に目を向けると、夏希達が今居る盛城商店街がある。

そして神社の北西の位置にくっ付くように守の家、そのさらに北西に冬也の家、隣に茜の家がある。

 ついでに盛城町には特有の東西南北の覚え方もある。

それは榊神社が太陽の昇る方角に向かって作られて居るため”御神体の方向が東”という言葉が盛城町にはあるのだ。


「そろそろ着くぞ、躓かないようにな」

「冬君聞いてたの?」

「聞いてるが、危ないだろう」

「きゃ!!」


冬也は次は優しく茜の手を握りエスコートする。


「ほら、だから言っただろう」

「ありがとう......」


 そこから冬也は少し歩くと申し訳なさそうにして。


「気にしてたならすまなかった」


 茜に顔を合わせないが素直に謝る。


「気にしてないわよ、私も変なことで熱くなってごめんなさい。でも冬君のそういうところ私は好きよ」

「......冗談はいいから早く探すぞ」


 『冗談じゃないのに』と小さい声で茜は言うが冬也は気付く様子もなく外の広場に出る。

 出てすぐ右側には円形状の建物があり、建物の中にはご当地のお土産類が売られている。

そして、その他には螺旋階段がありそこから見晴台に出ることができる、盛城全体と紅葉こうようを見るならばここが一番良い。

 一応建物に入らなくても見晴台はあり、そこには無料の望遠鏡もある。

 それ以外は乗り場を降りて左右に合計十個くらいの屋台があり観光客がそこそこ居るくらいだ。


 そのさらに先には祠があるのだが周りを柵で囲い、さらには注連縄(しめなわ)で封じられているため立ち入ることができないようになっている。


「早速探すか......」


 冬也は辺りを探すと、一匹だけ猫を見つけることができたが三毛猫ではなく黒猫であった。


「私ちょっとあそこで話聞いてくるから、冬君はここでまってて」

「ああ、わかった」


 すると茜は近くの屋台に足を運ぶ、冬也は茜に返事をするとその場に留まり周りを探し続けている。


「いらっしゃい、何が食べたいんだい?」

「あ、ごめんなさい少し聞きたいことがあるだけなんですけど......」

「そうなの? ごめんなさいね、商売だからついつい言っちゃうのよ」


 屋台の少しふっくらしたおばちゃんが優しく接客してくれる。

なんとなくこういう人を見ると安心するのか、優しさを感じて茜は気を楽にする。


「三毛猫を探してるんですけど、この子知りませんか? オスなんですけど」


 ビラを見せる茜、それを見せるとおばちゃんは申し訳なさそうに言う。


「三毛ちゃんは、沢山居るけどどうだろうね......」

「居るんですか!」


 茜はいつものようにオーバーリアクションをする。

おばちゃんはそれに対して笑顔で対応する。


「今ここにも居るけど見てみるかい」


おばちゃんは茜を中に入れると、鉄板の近くに居る三毛猫を持ち上げる。


「うーん、この子は違うみたいだね......この辺だと野良が多いから、飼い猫が居るのも怪しいのだけど」

「そうなんですか」

「まぁ、もしかしたら居るかもしれないから探してみなさいな、今日は寒いから屋台の中で温まってると思うよ」

 

 おばちゃんは猫を下すと、どこに猫が居るのか教えてくれた。

 すると最後に茶化すように茜にあることを言う。


「ところであの男の子は彼氏かい」

「いえいえ、彼はただの幼馴染ですよ」

「でも、好きなんでしょう?」


 茜は誤魔化そうとしたが、おばちゃんは騙せなかったらしい簡単に本心を見破られてしまう。


「分かります?」

「そりゃー分かるわよ! だってあなたずっと楽しそうなんだもの」


 すると、おばちゃんは茜の肩を優しく叩くと笑顔で助言をしてくれた。


「あきらめず頑張るのよ。男ってのはみんな馬鹿で頼りないから気長に待ってあげないと駄目」

「そういうもんなんですか」

「そういうもんよ! こんなかわいい子に好かれて幸せね~」


 茜はそんなことを言われてだんだん顔が赤くなる。


「すいません、何から何までありがとうございました!」

「応援してるから頑張ってね」


 茜は耐えられなくなったのか逃げるように屋台から離れると、顔が赤いいまま冬也と合流する。


「ずいぶん長かったないい情報聞けたか? うん?」


『ピタッ』っと冬也の手が茜の額にあたる。『ひゃう』という可愛らしい声が漏れる。


「いきなりどうしたの」

「うむ、顔が赤いから熱があるのかと思ってな」

「だ、だ、だ大丈夫よ! それよりも冬君の手が冷たいから驚いちゃたじゃない」

「少し熱い気がするな、本当に大丈夫か」


 冬也は心配なようで額から手を離すと額と額をくっ付けようとする。

そんな冬也の行動にさらに顔を赤くして落ち着きをなくした茜は、手に力を入れる。


そして......


「大丈夫だってば!」


 『ペシンッ』と鋭い音が広場に響きわたる。

突然の出来事に目が見開く冬也と不意に『あっ』と声を漏らす茜。そして屋台からは『あらまぁ~』とおばちゃんの声がする。

そんな出来事が同時に起きたのち、一秒以内に冬也はそのまま地面に倒れた。


「冬君ごめんなさい! 今のは事故なの冬君は何も悪くないのよ」

「いや、大丈夫ならいいんだ」


 冬也は倒れたまま話をする、しかしその様子は何があったのか分からないといった感じでその場から起き上がろうとしない。

 茜はごめんと言いつつ、冬也の手を取り起き上がらせる、それから三十秒ほどしてから冬也は正気を取り戻した。


「ところで、どうだったんだ?」


 冬也は痛いのであろう叩かれた頬を撫でている。

それに対し、申し訳なさそうな様子で茜は聞いたことを話す。


「うん、猫はちゃんと居るみたいなんだけどこの辺の子達は野良みたいなのよ、だから飼い猫が迷い込んでいる可能性はすごく低いみたいなの。でももしかしたら居るかも知れないから、これから屋台を一軒一軒見て回るつもり」

「そっか、なら探そうか」

「ありがとう。それじゃ早速探しましょう」

「待て、二人で手分けして探した方が効率いいだろう。俺はこっちの五軒探すから、茜はそっちの四軒探してくれ」

「ええ、分かったわ」


 そそくさと探そうとする茜を冬也は止めると優しく手分けするように言う。

それに対し茜は嬉しそうにその提案に乗っかる。


 そして、聞き込みと猫の確認をしていく二人、どの屋台にも必ず一匹以上、最大四匹の猫たちが居た。

 しかし、三毛猫は居るには居たがやはりどの猫もメスだけでオスは一匹も居なかった。

 探しているうちに、この場所に来る猫好きの人が冬也に話をしてくれた。

その人が言うには最近迷い込んだ猫は居ないらしく、オスの三毛猫自体今まで見たことはないらしい。

 オスの三毛猫はそれほどレアであり確認するのは奇跡に近いのだ。


「やっぱりそうなのね。簡単には見つからないか」


 茜は話を聞くと深いため息をする。

 先ほどまでは楽しい感じであったが、それはもしかしたら居るかも知れないという気持ちがあったからなのだろう。

いざ現実を知ると途端に元気がなくなり、今はベンチに体を埋めている。

 時間は午後四時をとっくに過ぎており気持ち少し暗くなってきていた。


「今日の行動は無駄ではないさ、ここの人たちに事情を話しただけでも見つかる可能性は上がったはずだしな」

「そうね......確かにそのとおりね、今日は久しぶりに冬君と二人きりで過ごせたし、それで良しとしましょう!」


 冬也は少し気恥ずかしそうにする。


「そっか......茜が満足したならそれでいいさ」

「うん!」

「空も暗くなってきたし、そろそろ帰るか」

「そうね。ねぇ、また腕組んでもいい?」


 そして、茜は冬也が返事をしないうちに腕をきっちりホールドする。


「すぐ組んだら聞く意味ないだろう」

「細かいことは気にしなくて良いのよ。さ、行きましょう」


 そうして、二人はロープウェイに乗り下山する。

下山中の紅葉も夕焼けに照らされて下山する人を見送るように、一層綺麗に紅く染まっていた。


 二人が下山すると里中が仕事を終え帰ろうとしていた。

バイト中にしていた三角巾を取りその代わりにあまり目立たなかったが、頭頂部と後頭部の境目付近で赤いリボンで纏めたポニーテールがぴょこんとうなじ付近まで伸びている。

服装は膝辺りくらいまでの肌色のベルト付きのコートを着てその下からは青いジーパンが覗いている。

 身長もスラっとしており、運動能力が高そうな健康的なスタイルである。


「お、おかえり~、どうやった? 猫ちゃんは見つかったん?」


 冬也達が話しかける前に、里中から先に話をしてくる。

 その内容に、茜は返事はしない。

反応を見た里中は察したらしく、頬を指で掻きながら申し訳なさそうにする。


「その様子やと、見つからへんかったんやね......」

「まぁそんな簡単に見つかると思ってなかったしな、仕方ないさ」

「そうなんか。あんまり役に立たんかもやけど、うちも色々と探してみるさかい。元気だしいや」


 そういうと里中は茜の肩をポンと二回叩く。


「十分頼もしいわよ、ありがとうね」

「うん! ところでなんやけど、うち今バイト上がりなんよ。でな、二人が良ければ途中まで一緒に帰らへん」

「うむ、特にやることもないしその誘いに乗っかるとしようか」

「あれ、でも里中さんの家って私たちと反対の方角よね」


 茜は冬也の言葉に頷いた後、疑問に思ったのかそんなことを聞く。


「もしかしてだが佐々木か?」

「そうそう、御名答やで。これから春香の家で夕飯をごちになる予定なんよ。せやから途中まで一緒にと思ってな」

「なるほどそういうことね」


 茜は納得したらしく、それを確認すると里中は公園から出ようとする。


「よし、吹雪さんの疑問も解決したことやし早速いこか」

「ええ、行きましょう」


 冬也は二人が歩き出すと、その後ろからついていく。

そのついでにポケットの中からスマフォを取り出す。

 冬也のスマフォに通知があるのは珍しい、なぜならば単純に連絡手段としてでしか機能しておらず、両親と友人くらいからしか通知が来ない。

 冬也は画面と向き合う、そこにはRAINからの通知が来ていた。差出人は守からで開かずにでも内容が分かった。

 冬也は少し鼻で笑うと茜に声をかける。


「茜、これを見てくれ」

「どうしたの」


 茜はその内容を確認する。


「これって本当?」

「あいつはそんな悪趣味なことしないさ」


 その画面にはこう書いてあった


『三毛猫が見つかった、今から通学路にある空き地に来てくれ』





 











こんにちわこんばんわ


いえいえ新年あけましておめでとうございますですね。


今回の話はいかがでしたでしょうか、特に伏線もなくそのまんま書いてしまったのでどうなんだろうと思いますが今回はなかなか上手く書けたとも思ってます。


でわでわ、ここで突っ込まれる前に話しますが。

今回出てきたもみじソフトの味は出鱈目です(ごめんなさい)

でも、あったら食べてみたいですね(笑)


あと、竜田姫の設定ですが。

本来の地域とは関係ないのでご理解お願いします。


はい、保険はこれだけです(笑)


今回新キャラではないのですが気付いたでしょうか。

四季神祭のお話でちょびっと出てきた女の子。

そうです、後半名前も出ていたので分かるはずです!

春香の親友の里中を本格的に出しました。


今後春香の絡みにも期待してみてくださいね!


それから今回は盛城町の全貌を半分ほど紹介しました。

あんまり大きくない町なんですけど大きさはどれくらいかってのは説明できないんですけどね汗。


とりあえず学校の位置と神社、守宅、冬也宅がどの辺か分かったと思います。


春香は神社の東のちょい先くらいの場所で、千秋は学校の近く東南の方に住んでいます。


と、これからまだいろんな場所が出てくると思うのでここも注目してみてください。


それでは最後に里中ちゃんの紹介です


里中 ???(高2)

身長167センチ


明るく誰とでも親しく離せる関西弁娘

重い空気がすごく苦手で周りを元気づけるのが好き。

勉強はできないが運動はそこそこ「てか、学校で勉強する意味ってあるんか。大切なんは女子力やで」

と勉強は捨てているがすごい家庭的。


それではまた次回に会いましょう。








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