雑学王とその家来
俺の名前は高杉雅人。今年で中学を卒業する、3年生だ。俺は自分は優れていると思っている。成績も1桁の番数をキープしているし、運動神経もいい。
さらに俺にはある特技がある。それは
「おーす、雅人。今日の昼休み暇か?だったらなんか講座してくれよ、お得意の雑学で!」
いきなり話しかけ、肩に腕をのせてきた。こいつがうざいヤツだったらタマを容赦なく捻り潰しているな。一応紹介しておこう。こいつは小学校からの友達の甲斐雄也だ。かなりのアホだが成績はそこそこらしい。
それよりなんの話をしてた?そうだ、おれの特技についてだ。と、言っても今雄也が言ったな。そう雑学だ。俺は様々な分野の情報を知っている。それもかなり信用度のある情報を詳しくだ。それによりおれは雑学王と呼ばれている、うん、悪くない。なかなか気に入ってはいるのだ。
最近暑いな。そんなときに体を冷やす方法を教えといてやる。口の中を冷やせ。口の中は体温そのものだ。そこを冷やせば体温が効率良く下がる。舌は体の中で一番敏感だからという理由もある。どうだ?聞いて得をしただろう?ふふん。
さて、1時間目の授業は体育か。しかもバスケ…一応言っておこう。最初に俺は運動神経が良いと言ったが訂正がある。球技だけはダメなのだ。小学校の前半は全然良かった。しかし高学年になり視力が下がった。遺伝だ。それにより球技が苦手になっていった。ボールをきちんと見れないのだ。眼鏡?コンタクトレンズ?眼鏡は持っているが掛ける気はない。ダサいからだ。ダサいというよりも俺は似合わないのだ。さて、球技が苦手だとはいったがボールを持たなければいいのだ。つまり、俺はディフェンスはかなり上手い。その自信がある。
「雅人!」
最初のジャンプボールに俺が選ばれた。いいだろう、俺の跳躍を見せてやるよ。
案の定取った。こちらから攻めることになる。おっと、さっそくボールがきた。そうそう、球技についてもうひとつ訂正がある。バスケでいうなら俺はボールハンドリングは苦手だ。しかしシュートならそこそこ自信がある。俺は思いきり跳躍しながらボールを放った。3Pだ。ぎりぎり入った。よし、今日は調子がいいな。おっと、相手の速攻がきた。全員油断していてさっそく抜かれやがった。また俺の出番だな。シュート体制になる前に俺が前に出る。相手はボールを俺から離す。しかし俺は相手の体に腕を滑り込ませボールを弾く。よし、俺のチームがボールを拾った。このままなら勝てるか。
結果、試合は負けた。俺のミスだ。ボールが来たときにパスをしようとしたら間違えて相手にパスしてしまった。顔が良く見えんのだ、パッと見じゃあ。それからはう相手にわざとパスし始めた。結果、負けだ。いいじゃないか、別に授業なのだし。俺は体育の授業は楽しければ良いと思っている。
午後の授業は始まった。数学だ。こういう普通の授業は集中して聞かなければならない。俺は授業にとても集中している。そうすることで勉強をせずとも1桁をキープすることができる。そらにしてもこの数学教師はギャグが好きだな。始まって20分でもう10回 ほど言っているぞ、かなりしけているし。
はぁ、部活動の時間だ。俺は弓道部に属しているが、正直言って最低な部活だ。去年きら顧問ぎ変わったのだ。前の顧問は自分の学級のクラスメイトが虐めで転校してしまったせいで別の学校に行ってしまった。そして新しい顧問は教師としてダメなのだ。部活動中に遊んでいても怒らないのだ。そのせいでまともに部活もできない。一年生などうるさくてたまらない。今日はサボろう。
「おーい、雅人!お前今日部活は?」
雄也だ。
「今日はサボるよ。」
「しゃあ一緒に帰ろうぜ。」
他のやつらはもう引退している。県大会に出る3年生だけが部活動を続けている。たから雄也は暇でしょうがないようだ。
「なぁ、なんで今日の昼休みいなかったんだ?」
「ああ、それならちょっとうろうろしてたんだ。」
「はあ?講座してくれって頼んだのに…暇だったんだぞ」
「悪かったよ。だけどお前、普通に外でバスケしてたじゃん。」
「誘われたからな。部活が終わってちょっとやりたくなったんだよ」
そう、雄也は元バスケ部だ。しかし、うちのバスケ部は昔から弱く今年も地区大会で負けたそうだ。
次の日の放課後。今日は部活に行こう。俺はそう思い、着替え始めた。