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【9月19日 703】24
【③近江千秋】 すっかり馴染んだ宗ちゃんは、詳しいナナの案内で、
千姫御殿に来てみれば、其処でヒロイン待って居た。
▼今日で10月も終わる。今朝のナナは上機嫌。「今日はワタシの職場に案内するわ」「観光地だよね?」「実は世界遺産の姫路城に在籍して居るのよ」「へ~其れはビックリ‼」
クルマを呼ぼうとするナナ。処が宗樹は制止、「近いから歩いて行こうよ」「元気ねえ」姫路駅と姫路城を結ぶ50メートル道路は今も健在。「此の区域にはタウンはないの?」
「道路の両側が城南東タウンと城南西タウンだけど通常外殻は地中に収容されて居るのよ」「其れは美観の為?」「そ~なのよ。東の方は市川で西は船場川だけど安全なの。
仮令上流で川が氾濫しても街中へは水が来ない様に対策がされて居るのよ。だから姫路城のエリアは先ず安全なの」「流石は世界遺産だね」
▼大手門を潜りながらナナが質問。「姫路城の事は良く知って居るの?」「ま~住民のジョ~シキ程度にはね」「では其の特徴は?」「家康が造った江戸城とは双子の兄弟で
西の江戸城とも呼ばれて居た。他のお城と違うのは先ず白漆喰塗り込め造りの白壁。本格的な連立式天守閣。左巻き三重の螺旋状の堀。螺旋状縄張りと言う」「中々詳しいわね」
「なにせ古代人だからね。姫路の不幸は重要な戦力拠点故に大名家が9回も入れ替わった事だね。お城を築城した池田輝政も孫の代に転封に為って居る。でも彼が未完に終わった
外堀川の水運は千姫の舅の本多忠政が西の船場川に変えて完成させて居る」「実は今の城主は千姫の子孫なのよ」「其れは役職?」「ま~愛称ね。化粧櫓で待って居るのよ」
▼「初めまして近江千秋です」「お~チャンと千の字が入って居るね。若しかすると姫路に来たのは明治時代?」「ハイ明治元年です」「すると1月の砲撃事件が切っ掛け?」
「あの事件を知って居るのですね‼」「ナルホド、其れで心配に為ったのかな?」「そうだと思います」ナナが頻りに尋ねる。「ワタシ其のハナシは知らないわ」其れで一応解説。
明治維新直前。姫路藩は最後の大老を勤めた名門。藩主酒井忠邦は鳥羽伏見の戦いに参戦。更に将軍に着いて江戸に行って不在。其処に備前藩と長門藩が官軍として侵攻。
重臣たちは人質を出してお城を明け渡す準備を始めた。処が其れでは手柄に為らない。備前藩は南西の景福寺山と西の男山に砲台を組んで男山から大砲を数発連射‼。
▼「挑発して戦闘に持って行こうと言う狙いだね。門や建物の一部は被弾したが家老たちはじっと我慢した。其れで戦闘には至らずお城も町も町民も無事だった。で、目出度し目出度しと
こ~為れば無難だね。でも是ではハラの虫が収まらない人も居るんだよ。では此の辺で選手交代かな?」「イエ貴方が続けて下さい」其れで次は姫路藩と岡山藩の繋がりを解説。
千姫は19歳で本多家の長男忠刻と再婚。彼女は大阪城落城の直後に流産の噂もありココロの傷は深かった。しかし結婚後は長女勝姫と長男幸千代を授かりようやく幸せが訪れた。
処が運命は残酷で突然暗転‼。幸千代が二歳の時に病死。更に三年後に夫忠刻も看病の甲斐もなく死んで仕舞った。残された二人は身の置き所もなく江戸に戻るしかなかった。
▼「其の後勝姫は岡山藩池田光政に嫁いだ」「勝姫の事は知って居るわ」「千姫は気の毒だね。今の医学でなら息子も夫も助けられたかも知れない」更に次は地勢的解説。
姫路城は姫山に築城。千姫が嫁いだ時に西隣の鷺山に西の丸を増築。更に西の男山には天満宮が造営された。千姫は毎日西の丸の化粧櫓から男山中腹の天満宮に向かって
亡くなった秀頼や淀の方、祖父の家康の冥福を祈って手を合わせて居た。一方亡くなった忠刻と孝千代は書写山の本多家墓所に葬られた。処が不幸な事に山は女人禁制。
女性は絶対にお墓参りには行けない。夫と息子のお墓に妻と娘が行けないと言うのは余りにも残酷なハナシ(事実関係未確認)。こうして千姫と勝姫のココロは永遠に姫路に留まった。
▼勝姫の夫の岡山藩主池田光政は姫路城を築城した池田輝政の孫で早いハナシ元姫路藩主。二人は共に姫路城内で生まれ育った。勝姫が四人家族で幸せに暮らして居た西の丸。
備前兵は其のお城に向かって天満宮に尻を向けて大砲をぶっ放した。若しも知って居たら到底出来ない蛮行。毎日祈って居た天満宮からイキナリ砲弾が飛んで来たら正にサイアク。
「では備前藩の兵士の所業は許せない?」「イヤ兵士は知らずに遣った事だし彼らは只備前藩の存続の為に必死だったんだ。だから千姫も勝姫も許したとは思うよ。でも多分
悲しかっただろうね」ちなみに別の文献では岡山藩の砲兵が景福寺山から姫路城に向けて大砲を構えたと書いてある。矢張り備前藩とは岡山藩?。(チャンと調べてから書こうね)。
▼「そして是を許せない人物が岡山に居た訳だ」「ハイ。先祖は是をのちに知ってスグに姫路に来ました」「先祖の思い出の地を護りたかったのかも知れないね」「きっとそ~です」
「宗樹は何処で其のハナシを知ったの?」「地元で新聞や本を見て居たら自然に分かる事だよ。テキト~にスクラップにしたりパソコンに転記したりして居る」「凄いエネルギーね」
「隠居はヒマなんだよ」其れから宗樹は千秋を労った。「代々頑張って来てくれたんだね。住民の一人としてお礼を言うよ」何故か千秋は恥ずかしそうな反応。宗樹は2015年の
平成の大修理完成当時の様子を話した。「自衛隊のブルーインパルスがアクロバット飛行を演じて空にキレイな飛行機雲の模様が出来た。自分も数枚は撮影したよ」
▼「其の場に行ったんですね」「三の丸広場は人が一杯でとても入れないので裏手の姫路神社から南へ進んで撮影したんだ」当時新聞に載って居た姫路城十景の事を思い出した。
「中でもキレイだと思ったのは朝日が天守閣の真後ろから昇って来る写真。お城は完全にシルエットだけどとても美しい写真だった。そして其れ以上だと思ったのは化粧櫓から見える
夕日で茜色に染まった天守閣だね。自分は機会があれば実際に見たいと思って居た。でも今日も午前中に来たので見る事が出来ないのは残念だよ」「今度は是非夕方に来て下さい。
西空の景色も沈む夕日や朧気に為って行く男山天満宮(千姫神社)がとても綺麗なんですよ。其の時は是非一緒に見たいですね」劃して忽ち親密モード。其の後三人で城内を散策。
▼「三左衛門掘の水運は姫路城の総曲輪の圏内に達してほぼ完成したが高低差の限界で城内には伸ばせなかった。しかし掘削で生じた大量の土砂が海辺の飾磨人工島の造成に
活用されて、西国大名を牽制する水軍基地に為ったんだよ」「池田輝政は水軍基地まで造ったのね」「彼の奥方は家康の次女の督姫で実質徳川一族に等しい。輝政は
西国の要としての姫路城の存在意義を良く理解して居て家康との連携も十分だった。姫路城が初代の江戸城と瓜二つなのも姫路城を見た大名たちに江戸城を想起させる
狙いがあったらしい」「姫路城が江戸城に合わせたの?」「何方かと言うと逆かな?。着工は姫路城の方が早く完成は遅い。江戸城は大名たちが分担した所謂大名普請だからね」
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▼「螺旋状の堀は姫路城が元祖だけど其の堀を人口増加に合わせて伸長させて行ったのが江戸の町のそもそもの始まりらしい」「さっき姫路が要衝の地だ;ったのは不幸だと言ったのは
ど~言う意味?」「代々の大名は悉く移封に為って居る。岡山の様に子々孫々まで同じ大名がじっくり町造りをする事は許されなかった」「其れはど~して?」「周囲と慣れ合ったり
徳川から離反することを幕府は恐れたんだと思う。なにせ重要な戦略拠点だからね」「徳川幕府の警戒心は凄かったのね」「でも其の一方では徳川政権が安定期を迎えてからは
姫路藩は大切にされて来た。18世紀中頃以降は120年間に渡り代々酒井家が治め最後の大老も勤めて居る」其の後も裏話は続き矢鱈詳しいと喜ばれた。(ネタ本は郷土史ひめじ)。
▼「ナナ。実は今日はワタシの誕生日なの。だから昼から休むわ。今から三人でランチパーティーをしましょうよ」ナナはハハ~ンと言う顔に為った。「千秋、確かアナタは乙女座よね?。
誕生日は口実でしょ?」「ウン、宗樹さんと飲みたいのよ。こんな嬉しい事が先祖が姫路に来た遥か未来にあるなんて、嬉しくてカラダの震えが止まらないわ‼」正直な千秋ちゃん。
「ヤッパリそ~言う事ね。ま~イイわ気持ちは分かる。其れで何処へ行くの?」「中華料理店でお酒をガバガバ飲む‼」是は、少しリップサービスが過ぎたかな?。劃して昼間から
酒盛りが始まった。其処で宗樹は千秋に注文。「行ってもイイけど行くならもう敬語は止めようよ。もっと親しく為りたいんだ」すると忽ち千秋はニッコリ。「あ、ハイ‼」(ムム、可愛い‼)。
▼宴たけなわで御座います。ナナと千秋はなおも酒のサカナに姫路城の裏話、四方山話を聞き出そうとするが宗樹の引き出しはそんなにはないのよ。明治政府の姫路冷遇説とか
飾磨県復活運動、姫路城身売りの危機等々。其の内に何故姫路城は空襲から免れたのかの話に為った。「是は完全に奇蹟だね」「アメリカ軍はお城を攻撃しなかったんでしょう?」
「其れなら何故仙台城や名古屋城は遣られたのかの説明が着かないよ」新聞記事のハナシを引用。「現にナパーム弾が二発、城内に落ちて居る。一発は城内施設を燃やした。
もう一発は天守閣で静止したとか壁を突き抜けて落ちたとか諸説あるけど、偶々不発弾だったのが正に奇蹟だよ」「でも少なくとも積極的にはお城を攻撃して居ないわ」
▼「其の関連の記事も持って居るけど、パイロットの証言ではレーダーにはお城の堀は白く映り川に見えたらしい。其の後ろは広大な三の丸広場だ。彼らは此処でもう町は終わりだと
思ったらしい」「川と野原に見えたのね」「飛行機にとっては一瞬の事だからね。其れでも二発は落ちた訳だが、天守閣に落ちたのが不発弾だったのが正に奇蹟と言う事だよ」
「其のハナシも初耳だわ」「20世紀の新聞には載って居たんだよ」「流石は」「古代人?」千秋が其れを咎めた。「アナタ、宗樹を古代人と呼んで居るの?」「ああ違うのよ。
是は宗樹のジョ~クなの」ど~やら妙な処で新しい仲間が出来た感じ。しかし彼女の親しげな様子には聊かビックリ。上機嫌なのは分かるけど酒に酔って居るからなのかな?。
▼「彼女の娘さんにも千の字が付いて居るのよ」「長女は千春で次女は千夏です。書写山に居る母は千代です」「流石は子孫だね。でもアナタの名前にはビックリしたよ。
千秋が名前で近江が苗字と聞いて千秋名近江と一瞬連想して仕舞った」「其れってちあきなおみさんの事?」「知って居るのかい?」「ワタシ、ファンなんです」
「エ~?、200年以上昔の歌手だよ?」「戦後の昭和は文化的にも極めて重要な時代なの。今でもとても認知度が高いのよ」余りにも都合の良過ぎるハナシだが勿論嬉しい‼。
「実はパソコンの中に彼女の歌を150曲程入れて居る」「其れ、聞きたいわ‼」一樹が媒体にコピーして手渡した。「後日ワタシの家で一緒に聞きましょう」
▼「相当熱心なファンですね」「そ~でもないけど彼女が45歳の時にダンナを亡くして結局引退してからは却って忘れられぬ人に為った。今では知らぬ間にココロの妹に為って仕舞ったよ」
「其れは今でも?」「死ぬまでそ~だと思う」「なにか羨ましいです」「本人にすれば大迷惑だと思うよ」其の後も楽しく時は過ぎた。其の内に料理もなく為り名残惜しいがお開き。
其れにしても幾ら飲んでも何ともないのは如何にも不可解。まるで自分のカラダではないみたい。其の後のナナのハナシに依ると実は千秋も此の間ダンナに死なれた直後だと判明。
そ~とは知らずにキツいハナシを聞かせて仕舞ったなと少し後悔した。「彼女には職場で出会ったの?」「実は私は25年以上前から千秋のファンなのよ」
▼14歳の時にナナはお城の女王に為った千秋を一目見て途端に忽ち大ファン。一時はマンマ追っかけ状態。「憧れのヒトで結婚したいと思って居たわ」「キミが14歳の時に
お城の女王と言う事はキミ依りも年上?」「とてもそ~は見えないでしょう?。ワタシ依りも5歳年上なのよ」「エ~?。30代にしか見えなかったよ」「貴方、ワタシに出会った時にも
女子大生にしか見えないと言ったわよね?」「是はベンチャラではなくてホンネ」「其れもハラの勃つ言葉だわ」「ゴメンゴメン、キミのもホンネだよ」なにかヤブヘビな感じ。
しかし酒盛りで燥いで居た彼女は本当に女子大生な感じだった。千秋は何時までも若いタイプなのかも知れないなと思った。なにかメチャクチャ幸せな気分‼。 【10月31日】
▼今日は新幹線とリニアで日本支部訪問。大阪までは新幹線。道中でクルマと道路のお勉強。クルマはポリマー系素材で自動運転。カプセル軌道内の地中電線から無線給電で走行。
タウン地下では縦置き駐車。驚くのは道路網。自動車道路も鉄道軌道も側道も全てがカプセルの中。其のメリットは勿論計り知れないが其れを実現して居るパワーには心底驚愕‼。
「あ~確かにね。電気エネルギーが潤沢だから出来た事なのよ。其れが全てを生み出す源に為って居るの」未来は電気で出来て居た。次はタワー道路の構造。
一番上が長距離用高速道路(LHW)とリニア軌道、新幹線。其の下が高速道路(HW)と鉄道全般。一番下が自動車専用道路と側道。是は基本パターンで一例。
▼シェアのタウン車は2列シートで定員4名。レンタルの普通車と巡航速度の高い高速車は3列シートで定員6名。イコはセロスーツを脱いで乗るので員数外。高速車数台で世界旅行。
リニア依りは遅いが自由気まま。其の儘大陸を渡れる。実は大陸間には自然界に配慮して橋がない。高速車と人間及び自転車はフェリーで渡海。他の乗り物は「ハイ此処までよ」
鉄道軌道の末端部は単線だが地域の生命線。カプセルは避難スペースに為る。中には連絡網やモニター画面、非常用備品等諸設備を常備。歩道のカプセルも同様。驚いたのは
バイクがサーキット限定に為って居た事実。「アレは相当揉めたのよ。でも事故をなくす為には仕様がなかったの」ナナの説明では過去には自転車も散々揉めたらしい。
▼自転車は愛用者が多く世界一周旅行をする者も結構居る。其れで市民権を復権。自転車専用道路が世界中に完備された。処が二輪車に完全な安全装置はない。転倒の危険性は
何処までも付き纏う。しかし四輪車にはない面白さがある。但し事故が増える様なら規制される懸念は永遠に残る。今も経過観察中な乗り物なのだ。処で最近ナナは顕著に友達言葉。
其れは二人きりでも少人数でも変わらない。ようやく打ち解けて来てくれた様で宗樹カンゲキ‼。第一印象其の儘に矢張りナナは気立てのイイ子だった。其処で今更だが少々説明。。
26日に妙に事務的な口調だったのは何故なのか?。すると実はアレが初対面。詰り浅夢で出会ったナナはマシンが投影したAI映像。考えて見れば当たり前。そ~言う事です。
▼「実は東京支部長が21世紀のハナシを是非聞きたいと言って居るの。其れでチョッと此の世界のハナシをしたのよ」「なにも参考に為る様なハナシは出来ないと思うけどね」
「直に会いたいんだって」「何でそんな流れに為って居るのかな?」「実はイコが聞いたハナシは自動的に日本支部や世界本部のポセイドンに適宜バックアップされて居るの。だから
政府の構成員が其の気に為れば世界中の情報が手に入る訳」「ヤッパしイコはネットで全世界と繋がって居るんだね。考え様に依っては恐ろしい世界だ」「気に入らない?」
「イヤ其れは根本に愛があるから成り立って居るんだと思うよ。生まれた時からイコが傍に居て、其れで多くの人間が救われて来て居るんだと思う」「とても嬉しい答えだわ」




