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あいつ、いい奴だった 1

あいつが死んだ。

冬の寒い日に。

死因は知らない。

どこで死んだのか知らない。


葬式の日、周りの人からなぜあいつが死んだのかと問い詰められた。

何にも答えられなかった。

だって知らないんだもん。

あいつの恋人には私を殺しに来てるんじゃないかと思うような形相だったな

問い詰められた時の話の内容なんて聞いていない。

私は知らないって言ってるのに。

みんな泣いてた、膝から崩れ落ちてい泣いている人や大きな声で泣いている人もいた。

生気を失った私の顔をあいつのお父さんは何か叫びながら殴った。

だあらなんで私なんだろ。

私、一応女なんだから少しくらい手加減してほしいものだよ。

あいつの葬式は誰一人として笑っていなかった。

あいつはどっかで爆笑してそう。


私はその後何事もなかったように高校を卒業して大学に行った。

でも毎日毎日朝起きるとあいつからドッキリでしたってLUNEが来てるんじゃないかって思ってた。

来るわけなかった

そんな朝の劣等感を抱えて通学していた。


ある夜、夢を見たあいつがいた。

なんで死んだのかと聞いた。

あいつは自分で考えてみろと、生きていた時に私によく見せていた目がきゅっとなる笑顔を見せた。

そこで夢が終わった。

起きた時、顔が濡れているのに気付いた。

その日、あいつが死んでから始めて泣いた。

やっぱりあいつからLUNEはきていない。

私はあいつがなぜ死んだのか気になった。


気づいた時には私は実家のある町行きの列車に乗っていた。

大学に行くようになってから実家に帰るのは初めてかもしれない。

一応インターホンを押した

聞きなれたインターホンの音が鳴った後、母の「はい」という声が聞こえた。

「お母さん、私」というと家の中からバタバタと音が鳴る。

お母さんはいつもの顔で「おかえり」と言ってくれた。

気恥ずかしくも私も「ただいま」と返した。

家に入って早々あいつがなんで死んだのか聞いた。

その瞬間母が目を大きくしたと思ったらいつもの母になった。

「そっか・・・」とつぶやいた

その後母から出た言葉に私は口を大きくすることしかできなかった。

あいつが死んだ冬の日外から大きな音が鳴って母は家を飛び出た。

母が見たのは私の家まで血まみれのあいつを運ぶ私を見たと母は言った。

その後ろには前が少し潰れた軽自動車があったらしい。

その時私はあいつが死んだことを知らないのではなく記憶が飛んで覚えていないことが分かった。

しかし思い出せない、なにも

母は続けてこう言ったあいつは私に対して何か耳打ちをして意識を失ったと言った。

最後のあいつの顔はとても笑っていたらしい。

家を出る前に母は「今のあなたなら、どんなことも乗り越えられると思うわ。胸張っていきなさい」

と言われた。

「お母さんらしくないね」なんて冗談を言いながら私は家を出た。

でも、ここに帰ってきた時よりも体はどこか軽くなった気がした。


私は次に警察署へ向かった。

従兄が交通課なのを知っていたからだ。

先に連絡していたから従兄は警察署の前にいた。

会って早々あいつが死んだときの状況を聞いた。

あいつの死因は失血死らしい。

おそらく事故時の出血しすぎたからと説明された。

当時運転していたのは40代の女性だったらしい。

彼女は今は近くのスーパーで働いているらしい。

私は従兄と一緒にそのスーパーへ行った

店長さんに聞くと今休憩しているからと呼びに行ってくれた。

女性は少し顔が痩せこけていた。

さっそく私はあいつが死んだ日のことを聞いた。

「あなた、おぼえてないの?」

と不思議そうな顔をしていたと思うと急に

「あの時!あんたがあの時!あの時にあんなこと!あんな事故にはならなかったのに!!!!!」

と言い飛び掛かろうとした女性を従兄が止めてくれた。

私が何をしたの??どういうこと?

すると女性をなだめている従兄が

「あの日の道路は滑りやすかった!滑ってもおかしくなかったんですよ!」

と説明していた。

滑った?私が?

さらにわからなくなった

でも急に頭の中で浮かび上がったのは

車が私の目の前まで迫っていて詩を悟った私の前にあいつの背中が飛び込んできた、その瞬間めちゃくちゃになる視界、道路に打ち付けられる度に激しく痛む体、止まったと思ったら聞こえてくる悲鳴、目を開くと同時に映る倒れたあいつと道路に流れているあいつの血。

それを思い出し息が荒くなる

従兄が駆け寄ってくれる。

だけど女性は言った

「あの日から私は人殺しと言われ、まわりからは蔑まれて、夫と離婚して、人生無茶苦茶よ!どう責任取ってくれるのよ!!!あんたのせいよ!!!」

何も言えなかった。

だって私があの時滑ってなんていなかったら

あいつは生きてたし、女性は人生は無茶苦茶にならなかった。

でも、ごめんなさいが言えなかった。

体が動かない、言葉がでない

息が詰まる

まるで、あの日みたいに

「おい!」という従兄の言葉に気が付いた。

気づいた時には、女性の姿はなかった。

どうやら帰ったらしい。

従兄は「行こう」とだけ言ってくれた。

その時頭の中で思い出した。

私がこける前に私の後ろに子供がいたことを


記憶を頼りに私は近くの公園に来ていた

「お姉ちゃん?」

後ろから聞こえてきた幼い声に振り向くと、あの日から少し成長している男の子がいた。

私はあの日のことで知っていることを聞いた。 

「お姉ちゃん、おぼえてないの?あのときお兄ちゃんが急にむねのとこぎゅってして苦しそうにしてたの」

「え?」と言葉が漏れた

あいつの死因は失血死じゃないの?

どういうこと?

思い出せない

思い出したいのに何かに止められているような気がする

頭の中がなぜという言葉でいっぱいになった

男の子とはそこで解散となった

「あのねお姉ちゃん、実は言うかなやんだんだけどね、お姉ちゃんが道路ですべった時お姉ちゃんの名前をさけんでたんだ。」

そう言って男の子は去っていった。


私の名前を叫んだか...

あいつらしい

あいつは自分に恋人ができても私と一緒に帰ってくれた。

誰に対しても本気でぶつかって、仲良くなって、アニメや漫画に出てくるような人間だった。

私の初めての友達もあいつだったな。

ずっと笑顔で、私や従兄ぐらいにしか見せなかった泣き顔も焦った顔も全部が懐かしい。

私はそんなあいつが...

ま、このことはまた今度でいいかな

今はあいつが死んだ日のことを私が思い出さないと。

と考えていると従兄が帰ってきた。

「おーい、ほら水」

「あ、ありがとう...ねぇなんで私にこんなに付き合ってくれるの?」

「え?そりゃあ...妹と弟みたいにずっと一緒にいたやつのことを支えるのが兄の仕事だろ?」

自然とペットボトルをぎゅっと握った。

あぁ...私はこんなにもいい従兄を持ったんだなと嚙み締めた。

噛み締めながらペットボトルを開けて水を飲もうとしたとき

「なんであんたがいるのよ...」

それで人倒れるんじゃないかと思うくらい私のことをにらみつけている女性が目の前にいた

私の目の前に現れたのは当時から髪を黒くしていた

あいつの元彼女だった。


そして水は地面へとこぼれていった。


前編 

終わり


初めての投稿です。

ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。

面白いと思ってくれたら、どうぞ次編をお楽しみいただければと思います。

たくさんの感想待ってます。

ジャンルのほうは一番近いのにしました。

こっちにジャンルのほうがあってるよなどありましたら次回から変更します。

とにかく読んでくださり本当にありがとうございます!!!

護持のほうわちょっと許してほしいかもです。

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