第5話
これだけは譲れない!っというところを表現してみたつもりですがシキレテナイカモ…
あと、テスト怖いよ特に物理…ゲフンゲフン。
どうでもよかったですね。
それでは第5話をお楽しみください
一体いつまで歩くんだよ。かれこれあれからけっこうな時間がたってるんだが…そろそろ俺の腹の具合から見て限界こえそうなんだが…かといって食えるもんねぇし…
「なぁ、まだお前の言う集落にはつかねぇのか?」
「あともうほんの少しでつくわ」
後もうほんの少しって…あたりにそれらしいのが俺には全く見えないわけなんだが…あれからジャングルは何とか抜け出したが、その次に見えたのはコンクリートで整えられた道などではなく、草や花があたり一面に広がってやがった。まぁ、要するに草原ってやつだな。そこをかれこれ1時間ほどは歩き続けているわけだが、俺の腹減はそろそろ俺は限界を迎えるだろう。というか迎えます。
「腹…減った…」
「ちょっと?一輝!一輝?!」
俺はその場でぐったりと倒れた。
俺が腹減りで倒れてからどれだけの時間がたったのかはわからない。未だに少し眠気があるがそれを我慢して眼を見開く。俺が見上げた先には木造の天井とそれを支える柱の一部が眼に入った。
「まったく見覚えのない光景だ」
上半身を起き上がらせて現在の自分の状況を確認する。
服は…問題ない。改造学ランのままだ。ベルトには8月の剣が差さったままだな。持ち物は問題ない。
「あ、漸く起きたのね一輝」
とりあえず行動するかと思ったと同時に扉の向こうからクリスカ・グッドマン。もとい栗饅が現れた。何ともまぁ都合のいいことで。まぁ、そっちのほうがどう行動するかとか考えずに済むから良いか。
「ちょうどいいタイミングだ栗饅。ここは一体どこなんだ?で、あと食えるもんをくれ」
「漸く起きたら催促することがそれなの?ここまで私があんたを引っ張ってきてあげたんだから感謝してほしいんだけど…」
「あー…そうだったのか。ありがとう。で、ここは何処?あと飯は何処へ行けば食えるのでしょうか?」
「はぁ……なんでこいつに助けられたのかしら私は…」
呆れ顔になったクリスカは頭を抱えてベッドに居座る一輝をにらんだ。
その後、すぐに自分に言い聞かせるようにブツブツと独り言を言い始める。その独り言はしばらく続いたが、独り言が終わると同時に一輝に向き合った。
「えーっと、ここはどこでご飯はどうすればいいのかだったわね。ここは倒れる前に話していた集落の私の家で、ご飯はくすねてきた食糧の中に調味料がなかったから味が薄くなるか単調になるかなんだけども、それでよければ今作ってる奴があるからそれをごちそうするわ。」
「そっか、おまえ料理で来たんだな。とてもものすごくかなり意外だ」
「別に食べたくないのならそれで良いんだけども?」
「すいませんでした!」
飯が食えなくなると分かった途端に一輝は土下座を戸惑いなく無駄に素早い動作で行った。
「わかったのならよろしい」
なんかむかつく。むかつくがここは飯のためだ。飯のために我慢しよう。飯のことさえなければ言い返すんだが…っく。なんだかこいつ見てたら鈴音を思い出してきたな………鈴音?!
そうだよ。なんで気がつかなかったんだ。父さんと母さんが殺されたのは見たから分かるが鈴音がどうなったのかは俺には分からねぇ。くそ…なんで早く気がつかなかったんだ俺は。気が動転していたからって確かめに行かなかっただなんて俺は兄失格だ。無事でいてくれ…鈴音。
俺は思考を止めて前を向くとそこには心配そうな顔をして俺を覗きこんでくる栗饅がいた。
「ね、ねぇ?大丈夫?急に体が震えて歯ぎしりしてたけども病気じゃないよね?」
「あ、あぁ…ちょっと腹減りすぎて体調が悪くなっただけだから心配は…」
「体調崩れるほどにお腹すいてたの?!もうそろそろ出来上がるころだから私は調理場にいくね!食べる場所はこの部屋で右のほうに行けばわかるから!」
クリスカは勢いよく扉を開けるとあわてて調理場へと走って行った。
栗饅…いや、クリスカに余計な心配させちまったな。後でもう一回詫び入れなくちゃいけねぇなこれは…今はとにかく鈴音の事は置いといて俺の今いる場所、そして白銀の腕の男の情報を手に入れることが最優先だ。
「一輝~!ご飯できたよ~!」
っと、お呼びのようだ。今いる場所と奴の情報も最優先だが俺の腹減りをどうにかするのがさらに上だ。倒れちまったらそれどころじゃなくなるからな。
俺はベッドから立ち上がると扉のほうへ向かって歩きだした。扉を開けて前を見ると左右に道が別れていた。
「えーっと…たしか右だったよな?」
俺は脚を少しふらつかせながら右のほうへと進んでいく。道なりに進んでいくとリビングだと思われる場所への扉を見つけた。俺は戸惑い無くその扉を開けるとその先にはパンとシチュー、そして牛乳らしきものがテーブルに並ばれていた。
「あ、来たわね。席について一緒に食べよ?」
言われると同時に俺は席に着いた。味はどうだかわからないがとても美味そうに見える。
「いただきます」
手を合わせてそういうと俺はすぐにシチューとパンを食べ始めた。久しぶりに食べる飯はやっぱりものすごくうまい。…ん?なんで久しぶりなんて思ったんだ俺は…まぁいいか。ともかく今はガッツリ食べておこう。
「す…すごい食べっぷり…よっぽどお腹すいてたのねアンタ…」
勢いよくパンとシチューを食べていく一輝をみたクリスカは驚きと呆れが混ざった表情を浮かべていた。
「あぁ、それにしてもおまえものすごく料理うまいのな。さっきは悪かった」
「べ、別にアンタに褒められたって嬉しくなんかないわよ…」
どうやら栗饅は褒められ慣れてないらしい。まったく、うれしいならうれしいで素直にそう言えばいいのに…顔赤くしてニヤけた顔して言われても説得力皆無だぞ。
「と、ところで一輝。アンタが食べ始める前に言ってた言葉。たしか"いただきます"だったっけ?それってどういう意味があるの?」
「えーっと俺の記憶が正しけりゃだが確か食べ物として狩られた生き物に対しての感謝の意味だったっけか?そんな感じだったはずだ」
「意外と意味深ね…そんな短い言葉にそんな意味を持たせるだなんて」
「そんなに深いかね?あ、栗饅。シチューおかわり」
「そこの調理場にお鍋があるからそこから勝手にすくってきてー」
「よし、ならば大盛りだ」
「あー…食った食った。ごちそうさま。俺もここまで食うとは思わなかった。」
「そうね…あれからさらに大盛りで3杯もおかわりするとは私も思わなかったわ……」
「おまえの料理がうますぎるのが悪い。きっと嫁に行ったときは相手を幸せ太りさせるに違いない」
「け、結婚なんてまだまだ先の話よ!でもって私は結婚相手を太らせなんかしないように徹底的に健康管理するから問題ないもの!」
無理だろうと俺は思う。なぜならこいつの性格なんとなくつかめてきたんだが好きな奴ができたらこいつきっとあんたのためなら仕方がなくとか言って結局甘やかしそうだと思ったからだ。きっと間違いないだろう。
「そーですかぃ。そうなるといいな」
「なによぅ…その含みのある言い方。言いたいことがあるのならはっきりとしなさいよ!」
「いいや、別に。ところで聞きたいことがあるんだが…」
「うぐぅ……はぐらかされた。…聞きたいことって?」
俺の表情が真剣なものへと変化する。その変化に気がついたのか栗饅はしぶしぶ話題の変更に乗ってくれた。
「……白銀の腕の男を知っているか?」
「あんた、正気?この付近一帯を縄張りにしている強盗集団の頭に何の用を持ってるっていうの?」
「強盗集団ね…」
「物を奪うときもあれば人攫いもするし、時には殺人もするような輩よ?」
俺の親を殺してさらには俺を重要なファクターといって拉致したあいつがそこに…
「俺は運がいいらしい…初めてあった奴に飯おごってもらった上に奴の身の上がわかるなんてな…くっくっく…あっはっはっはっはっは」
可笑しくて可笑しくてついつい俺の顔に笑みが浮かんでしまう。
「クリスカ!奴はどこにいる!教えろ!!」
俺はいきり立ってクリスカに答えを求めた。クリスカの表情は俺に怯えているのか少し震え目じりに涙を浮かべていたがそんなことは問題じゃない。問題なのは奴の居場所がどこにあるかだ。
「し、知らないわよ!だいたい奴らはこの集落を襲いには来る!でもそれを討伐しに行こうとしない腰ぬけばかりなのよ!ここの大人たちは!!私だってそう。死にたくないのよ!強いアナタにこの気持ちは分からないわ!」
「ちっ…そうかい。でも一つだけ言っといてやる。そうやって死にたくないだの腰ぬけだの言ってグダグダしてても前には進めねぇぞ。あの4人組相手に必死だったおまえのがまだ何倍もマシだ。ジャマしたな、俺は行かせてもらう。オマエは家の中で縮こまってろ」
俺は目に見えた玄関口へと向かい足を進める。そして、扉を開けようと手を伸ばした瞬間。扉は勢いよく開かれ、知らない猫耳の男が現れた。俺は驚いてその場で尻もちをつく。
俺の知らない猫耳男は息絶え絶えになりながらも必死に言葉を伝えようと怒鳴った
「大変だっ!奴らが…奴らがこの集落にっ!!」
「なんですって?!」
クリスカはその言葉を聞いて驚愕する。
そして俺はその言葉を聞いた瞬間、好機が来たとニヤリと口元を歪めた。
誤字脱字表現方法の差異感想等ございましたらよろしくお願いします。