18.先生の言葉
読んでいただきありがとうございます
「夕食の準備ができました。」
使用人が話しかけてきた
「この本って借りれますか?」
使用人は首を張る
「留学生ですので…」
南国の血が入っていても…厳しんだな…
「すみません。ありがとうございます。」
夕食の会場に行くと…
「セシル先生…」
「何か言われても聞かれても曖昧な感じにしとけ」
と頭を優しくポンっとする
セシル先生って意外と親しみやすいなあ…
従兄弟だとわかると余計に…
南国の食べ物はスパイシーなものばがりだ…辛い…
「ヒラリーこのまま南国で嫁がぬか?」
お祖父様が言う
「ヒラリーはまだ16歳です。あなた」
「法を変えればいい」
「騎士ですので」
「中央国は女にも騎士をするのか…女は愛嬌だぞ愛嬌。」
「あなた…」
お婆様は説得してくれる
もしかして、だからお母様は中央国に行ったのかな…
「いい男がいる2人も」
お祖父様は指を刺して
「まず、ルーネだ」
「従兄弟と知ったばかりで…」
「お祖父様、流石に生徒に恋心は抱けません」
「そうかー。」
セシル先生も助け舟を出してくれる
「もう。あなた…今時は恋愛ですよ。ヒラリーは想い人はいないのかしら?」
「居ないです。」
想い人はまだ考えたこともない
セシル先生は驚いていた
「これはチャンスか?」
と何か小声で聞こえた気がした。
食事会が終わり、次は舞踏会でと約束をした
帰り道セシル先生と2人で帰った
「先生、今日は頭いっぱいです」
「だろうな」
「はぁー」
とため息をついたら
「明日からの方が大変だぞ」
とセシル先生は頭をなぜてくれた…温かい手だな
留学先の宿泊施設でぐっすりと眠った
朝起きると瞼が重たい…
南国の食べ物はスパイシーで水が進む
顔が浮腫んでしまった…
新しい学校なのに…
朝からマッサージをして、
なんとか少し浮腫みぐらいですんだ。
留学生はまず自己紹介させられる。
なぜか…隣に知り合いがいる…
「ギネス・エドワードです」
「ノース・ヒラリーです…」
どうしてエドが?!
休み時間かなりエドに話しかけに行こうとしたが…
周りが女子ばっかで行けない…
「エドワード様!」
行けない…
と思っていたら…私のところにも男子がゾロゾロ…
「ノース嬢は婚約とかしてるの?」
「家では何してる?」
「今度遊びに行こうよ」
何これ…南国怖い…
エドを見たら白目をむいていた…
私は走って逃げて空いてる教室に隠れた
髪の毛が長い男の人がたまたま隣にいた
「う!」
よく見たら
「セシル先生!」
「どした?ノース嬢も逃げてきたか?」
「もってことは先生も?」
セシル先生はいつもより20歳くらい老けているように感じた
「南国って怖いです」
セシル先生ははははと笑うと
「南国は早く結婚しようと気が早いんだ」
「なんでですか?」
「伝統」
「他の国は?」
「東国は浮気者だ。西国はガードが硬すぎる友好関係には向かない。北国はほぼ人がいない。中央国は色んな人種が混ざってる」
先生は楽しそうに説明してくれる
「さすが地学の先生だね」