14.王女と殿下
読んでいただきありがとうございます。
第二章に突入しました。
「それにしても…よく食べるわね…」
意識を取り戻して2日目
ノンノ様が私の体調を見にきた
「食いしん坊で…」
と口の中パンパンにリンゴを詰め込んだ…
ノンノ様は私に食べてていいよと優しく言ってくれたから気を許してしまった…
流石に淑女とは程遠いか
「でも、あんな炎の中に入ったのに火傷すらなかったわね」
確かに…
「私は東国と南国の王家の血が入っているから分かるんだけどね…」
とノンノ様は言う
「たまたま?ですかね?一瞬だったから?とかじゃないですかね?」
「そんなことないと思うけど…?」
「そういえば、南国ってどんな言葉使うんですか?勉強してこなかったなあって思って…」
ノンノ様は嫌な顔せず
「シュクラン」
と言った
「え?お礼が言いたいのはこちらですよ〜体調見てくもらってますし」
ノンノ様は私の肩を持つ
「あなた…南国の血が入っているのでは?」
ノンノ様の迫力に圧倒される
「出身も育ちもここですが…」
ノンノ様は何か考えている
「この世界じゃ血が入ってないと勉強しない限り言葉分からないのよ?」
そう。言葉は血が入っているか、勉強をして学ぶかのどちらかになる
「聞いたことがあるからかもしれないです?」
聞いたことあるかないかもはっきりしない
ありがとうなんて言葉ぐらいなら知っててもおかしくないじゃないか。
「確かに、そうね…」
「中央国の言葉は勉強されたのですか?」
「そうよ、」
とノンノ様は笑う
「昔は舌足らずで、自分の名前さえ言えなかったのよ?ユリウス様にノンノが言えなくてノノって名乗ってしまったの。なのに、中央国の言葉までって難しすぎてねユリウス殿下がずっと教えてくれてたのよ」
ユリウス殿下…第3王子か…確か…ナイトの暴走で亡くなったんだっけ…
ノノって殿下も…
「ノノ様って殿下も言ってませんでした?」
ノンノ様は大爆笑しながら
「恥ずかしい恥ずかしい、舌足らずのことをずっと面白がって言っているのよ」
ノンノ様は意外とさっぱりした性格なんだな。
「あら、あなたもしかして噂を信じてるの?」
私は高速で頷く
「エスコートされてました」
「あなたが違う方にエスコートされてたからじゃない。かわいい弟が可哀想でさせたのよ」
「私?」
「手袋貰ったでしょ?」
「手袋は手袋じゃないですか?」
ノンノ様は驚いた顔をする
「え!知らないの?」
みんなして意味、意味って…
「『あなたと手を握っていきたい』って意味よ。」
そう言われて顔が真っ赤になった…
でも、多分冗談だ…
「なんの冗談…」
顔が真っ赤になってしまった…
「私は殿下とは何もないのよ。まだ第3王子を想ってしまっているのよ…」
とノンノ様は寂しそうに答える
「ヒラリー様、おかしくなかった?アーシャ様の暴走…第3王子の時もそうだった…殿下の予知は外れることないのよ…誰かが操らない限り…」
「それって…」
「南国で一度聞いたことがある。ナイトを操れるナイトがあると…」
!?そんなことできるナイトがあるのか…アーシャの暴走に納得がいく…
「私、調べたいです。」
ノンノ様はニコッと上品に笑う
夫のウイルスを持ち帰ってきて
夫と娘の世話をしないといけなくなりました。