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第二の人生はファンタジー ~七つの玉を集めるぞい~  作者: 不亜後
第一章 チュートリアル編
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第三十一話 バトルコロシアム

 俺のズボンのポケットから財布が無くなっていた。


 どこかで落とした?

TIME (タイム)TRAVELER(トラベラー)』の入場券を買ったときにはまだあったから施設内、もしくはここまでの道中に落としてしまったか……

 俺はないとわかっているのにズボンのポケットを何度も確認し、万が一と思い咲夜が服を購入する前に彼女が着ていた服が入っている紙袋の中も確認したが……やはり財布は見つからなかった。


「……先ほどから何か探しているみたいですが、もしかして…財布がないのですか?」

「…そうみたいです。どこかで落としたかも…」

「はぁ…何やってるんですか。ここは私が払っておきます」

「ありがとう…ございます」


 俺は咲夜に頭を下げ咲夜はレジへと向かった。


 あー!やってしまった。

 せっかくいい感じのデートだったのに最後にかっこ悪いところを見せてしまった。

 きっとこのことは後で白火の耳にも入りバカにされるんだろうな……

 くそぉー!


「あそこの彼…もしかして財布がないのかい?」


 レジの方から女性の声が聞こえてきた。

 店員のお姉さんだ。


「そうみたいです」


 咲夜が悲しい目で俺を見ている。

 死にたい…


「じゃあお会計はタダでいいよ」


 !?

 今なんて言った!?


「え…大丈夫です。私が彼の分も払いますから」

「いいんだよ。多分、エミちゃんのせいだろうしね」

「エミ?……いったいどういうことですか?」

「ちょっとお兄さん!」


 店員のお姉さんが少し大きな声で俺を呼んだ。


「店でこんくらいの小さい女の子とぶつからなかったかい?」


 お姉さんは手を自分の豊満な胸のあたり高さにおいた。


「小さい女の子……あぁそういえばぶつかりました。フードを被ってた子ですよね」


 謝罪をしてこなかった子だ。


「やっぱりね。…お兄さんはその子に財布をすられたのよ」

「なにぃ!」


 俺はレジの方へ走り出した。


「どういうことなんだ?」

「どういうことなんだって言われてもさっき教えた通りだよ」

「あぁ…そうですね」


 彼女の言う通りだ。

 ちくしょ〜あの小娘。

 そんなことしてやがったのか!


「…店員さん」


 咲夜は何やら怪訝な表情である。


「なんだい」

「店員さんはそのエミっていう子がそういう行為していると知っているのになぜ、入店を許しているのですか?」


 咲夜の言う通りだ。

 つまり、この店は犯罪者を迎え入れていることになる。

 それにお姉さんの口ぶりからして過去にも俺と同じように金をすられた被害者がいるのだろう。


「うーん………」


 お姉さんは目をつむり少し考え込み


「うちの常連さんだからかな」

「じょ、常連さんだからって…こうして被害を受けている人がいるんですよ」

「だからお会計をタダにしているじゃないか」

「そうだとしても、そういう行為を看過しているのはあり得ないです」


 咲夜の発言を受け、お姉さんの顔が少し曇った。

 そして俺たちに向かって頭を下げ出した。


「申し訳ないけど許してやってくれないか。あの子も好きであんなことをしているわけではないんだ」


 どうやら何か訳がありそうだ。


「……まぁ別にいいよ。不注意だった俺も悪いし」


 決して許したわけではないがお姉さんがまだ頭を下げているのだ。

 ここは目をつむってやろう。


「本当にいいのですか?」


 咲夜が俺の方を見て言う。

 正確な額は覚えていないが財布の中にはそれなりの額が入っていた。

 しかし、おそらく明日の出発までにお金を使うことはない。

 それに元はオルストから盗んできた金だし。


「まぁ大金を手放すのはおしいけど…ここはお姉さんに免じて許してやろう」


 大事なことだからもう一度言おう。

 この発言は建前であり、決して許してないよ。


 するとお姉さんが頭を上げた。


「…大金が入っていたのかい?」

「まぁ、一応…」


 再びお姉さんは目をつむり少し考え出した。

 そして


「エミちゃんはコロシアムにいるはずだよ」

「えっ?」

「どうしても取り返したかったらそこにいきな」

「…何でそんなことを教えるんだ?」


 おかしい……

 さっきまでこのお姉さんはエミを庇っていた。

 ……そういうことか。


「情報を提供したからと言って、報酬は払いませんよ」


 大金の話がでてお姉さんの態度が変わった。

 おそらくこのお姉さんは俺の大金に目をつけたのだろう。

 そもそも最初からおかしな話だったのだ。

 エミを庇っていたのはおそらく彼女らはグルなんだろう。

 盗んだお金を互いに分け合う、みたいな。

 お姉さんの反応は……「何言ってんだこいつ」みたいな反応をしているな。

 あれ?俺もしかしてお門違いなこと言った?


「……何か勘違いしているみたいだけど、私は善意で教えただけだよ。盗まれた金額が大金だったらお会計をタダにするだけでは割に合わないしねぇ」

「…そうですか」

「それより申し訳ないけど店を出ていってくれないか。他のお客さんの迷惑になっているからね」


 俺の後ろには食事を済ませ、お会計待ちの客が並んでいた。

 俺と咲夜はお姉さんの言う通り店を出ようとした。


「最後に…こんなことを言うのはおかしいけど…エミちゃんには手荒なことはしないでやってくれ」


 もともとそんなことつもりないけど……


「大丈夫だすよ。あーそれと…ご馳走様」

「ご馳走様です」


 俺と咲夜は店をあとにした。



 ーーー



「それで、これからどうしますか」

「うーん……時間もまだあるし行ってみるか。コロシアム」


 今の時間はおそらく午後4時くらいだろう。

 そもそも門限とかないしな。


「私も賛成です」

「それより…コロシアムって何なんだ?」

「さぁ……おそらく何かスポーツでもしてるところではないでしょうか」

「つまり場所はわからないと」

「はい」


 おっと、これは詰みか〜?

 いや、でも名前からして大きな建物っぽいな。

 歩いてたらいずれ見つけれるか?

 ……誰かに聞けばいいか。


「すいません」


 俺は前から歩いてきた男性に声をかけた。


「はい?」

「あの〜コロシアムに行きたいんですけど。そこまでの道ってわかります?」

「あ〜コロシアムね。だったらこの道をまっすぐ歩いてたらいずれ左手に見えてくるよ」


 親切なお兄さんでよかった。


「ありがとうございます。…ところで…コロシアムでは何が行われているんですか?」

「なんだそんなことも知らないのか。さてはシンジュクに来たのは初めてだな」


 二度目だが初めてということにしておこう。


「そうなんですよ」

「そうかそうか。コロシアムはね〜人と人がタイマンで戦う…いわば闘技場だよ」



 ーーー



 お兄さんに言われた通り歩いていると左手にコロシアムと思わしき建物が見えてきた。

 そして、到着!

 そこにあったのは円形の建物であった。


「この建物って…イタリアにあるやつだよな」

「コロッセオですね」

「これも人形さんがつくったのか」

「おそらく」


 何度でも言おう。

 ハイスペックすぎませんかね人形。


「中に入るにはっと……あそこでチケットとか買うのかな」

「そうみたいですね」


 俺たちはその窓口へと向かった。


「いらっしゃいませ」


 対応してくれたのは美人なお姉さんだった。

 シンジュクの受付の人はみんな美人なんだな。

 いいね!


「コロシアムに入りたいんですけど」

「かしこまりました。お客様は闘技者としての参加ですか?それとも観戦者ですか?」


 俺たちはエミという子に会いにきたのだ。

 彼女はどちらなんだろう。

 あの見た目だと観戦者か。

 弱そうだし。

 いや、でも見た目が弱そうで強い人を俺は知ってるぞ。

 俺の師匠こと黒井白火さんだ。

 まぁ、白火はイレギュラーだろ。


「観戦者で」

「かしこまりました。そちらの彼女さんもそうですか」

「…はい///」


 ふふふ、俺たちがカップルに見えるかね。

 いい気分だ。


「それではチケット料金の方が合わせて金貨1枚になります」


 1人あたり銀貨5枚か。

 高いな。

 いや、スポーツ観戦はそれくらいの値段か。


「え〜と金貨1枚っと…すみません咲夜さん」

「別に気にしなくていいですよ」


 咲夜がお金を払い受付嬢からチケットを2枚受け取った。

 受付嬢のお姉さんが若干ひいてる。

 かっこ悪い男でごめんね。


「……あ、あと30分以内には試合開始ですので急いだ方がいいですよ」

「わかりました」


 チケットを受け取った俺たちはコロシアムの入り口にいる係員にそれを見せて入場した。

 長い階段を登っていく。

 だんだんと騒がしくなってきた。

 階段を登りきるとそこにはたくさんの観客がいた。

 おそらく1万人くらいいるだろう。


「す、すごい人ですね」

「…この中から小さな女の子を見つけるのか……無理だな」

「そう…ですね」

「しょうがない。盗まれた金は諦めるか。普通に観戦して楽しもうぜ」

「そうですね」


 実はというと俺は少し観戦を楽しみにしていた。

 生前、格闘技とか見るの好きだったしね。

 運がいいことに前の方の席が2席空いており、俺たちはそこに座った。

 闘技場は土の地面が広がり、かなり広い丸い武闘台があった。


「私こういうの見るの初めてです」


 咲夜の両手には握り拳ができている。

 咲夜もコロシアムの熱気につられてか少しばかり興奮していた。


「俺もテレビではよく見てたが生では初めてだな…ん?」


 俺は前の座席の裏に2つ穴が空いているのに気づいた。

 穴の上にはそれぞれ赤と青の丸いマークが描かれている。

 穴の下には自動販売機の取り出し口みたいな穴があった。


「何かの投入口でしょうか?」

「なんだい、兄ちゃんたち初めてかい?」


 俺の隣に座っていた髭が整ってなく少し小汚い男が話しかけてきた。


「は、はい」

「それは金を入れる穴だ」

「金?…入れたら飲み物でも出てくるのか?」

「違う違う。闘技者にベットするために金を入れるんだ」


 ベットということは賭け事か。

 試合ごとにどちらの闘技者が勝つか予想するんだな。

 小汚男は説明を続ける。


「ベットは銅貨1枚からでき上限は金貨10枚だ。そんで、賭けに勝ったらそこから金が出てくるんだ」

「なるほど…ありがとうございます」

「ちなみにオッズやらの詳細はあそこに張り出される」


 小汚男は何かを指差した。

 その先にはでっかいボードがあり、おそらくパネルみたいなものをはめる穴が空いていた。

 穴はそれぞれ『Total Bet』、『RED』、『BLUE』という文字の下方にあった。

『RED』と『BLUE』のところにオッズが表示されるのだろう。


「あのトータルベットとは?」

「観客全員がベットした合計だ。試合の勝者はその金額の100分の1の金額を賞金として受け取ることができるんだ」

「なるほど」


 100分の1ってことは金貨100枚集まったとしたら金貨1枚賞金で貰えるのか。

 トータルベットの相場は知らないがそれなりに得はしそう。


「他にもわからないことがあったらドンドン聞いてくれ。そちらの可愛いお嬢ちゃんも」

「わ、わかりました」


 咲夜は会釈をした。

 すると二つある闘技者の登場口と思われる入り口から1人の男が出てきた。

 ちなみに入場口は片方は赤、もう片方が青のフラッグがあった。

 手には何かマイクみたいなものを持っている。

 その後、男は武闘台の中央に立ち


「レディースアーンドジェントルメン!今週もこの日がやってきました!バトルコロシアム開幕です!!」


 観客から歓声が上がった。

 咲夜は歓声に乗じて拍手をしていた。


「実況は毎度お馴染み、田口(たぐち)がお送りしまーす!」


 声が通るな。

 というよりマイクなんかあるのねこの世界。


「今夜のバトルは全5試合!では早速参りましょう!まず赤コーナー!初出場、ファイヤーマーン!」


 名前ダサっ!

 田口のアナウンスで赤の入場口から上裸の男が走って出てきた。

 そして田口の横で空に向かって火を放出した。


「続いては青コーナー!むらっけはあるがのっている時は負けてるところを見たことがない!“ジャックポット”サイィーーー!!」


 今度は青の入場口から長髪の男が出てきた。

『サイ』と書かれたタオルを広げている観客がちらほらいる。

 おそらく何度かコロシアムに出場しているのだろう。

 二つ名まであるし。


「それでは皆さん!今から3分間、ベットする方はお金を席の前の投入口に入れてください!」


「…咲夜はベットするのか?」

「賭け事は好きではないので観戦だけします」

「そうか」


 ちなみに俺は少しやってみたかった。

 全く、エミとかいう小娘なんてことをしてくれたんだ。


 その後、3分経ち……


「終りょーーう!では集まった賭け金及びオッズをどうぞ!」


 アナウンスのあとコロシアムのスタッフと思わしき人たちがボードにパネルをはめていく。


「え〜合計金額は〜…金貨116枚!銀貨3765枚!銅貨8231枚!闘技者の獲得金額は約金貨5枚!銀貨7枚だ!そしてオッズがファイヤーマン3.7倍、サイが2.1倍だー!」


 金貨5枚か。

 結構貰えるな。


「それではここで試合のルール説明をします!時間は無制限でどちらかが戦闘不能または場外に落ちる、降参の宣告で敗北となります!」


 要するにルールは『ドラ○ンボール』の某格闘大会と同じってことだな。


「それでは両者構えて!………………はじめっ!!」



 ーーー



 5試合中4試合が終了した。

 空はもう暗くなっていたがコロシアムは明るかった。

 どうやら大量の緑の魔法石を使って明るくしているらしい。

 どういう原理かはわからないけど。

 俺は隣の小汚男とそれなりに仲良くなっていた。

 咲夜も観戦を大いに楽しんでいるようだ。


「次でラストか」

「少し名残惜しいですね」


 咲夜は残念そうな表情をしていた。

 また今度シンジュクに来る機会があったらまた一緒に観にいこうと思った。

 ちなみに試合は毎試合盛り上がっているがレベルは低かった。

 おそらく今までの闘技者全員俺より弱いだろう。

 過信じゃないよ。


「さぁ、いよいよラストゲーム!お待ちかねのあいつが登場だー!」


 今までで一番大きな歓声が上がった。


「まずはそいつに立ち向かう選手の紹介だ!何と自ら「一番強い奴と闘いたい」と運営に申告してきた男!相手は誰かわかっているのか〜?赤コーナー!初出場!サダローーーーー!!」


 ん?今なんて言った?


 すると赤の入場口から見覚えのある男が出てきた。

 その男は俺たちの仲間である野田貞郎だった。




































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