季節は春に
「春は好きな季節」
「たっ、立春さん。僕、風月あ、アキナと言います。ずっと前から好きでした!僕と付き合ってください!」
遂に言った!俺はやったんだ!勇気を出して告白したんだ。僕が通う学園でトップを争う美少女「立春美咲」に!。
告白から何秒経ったらだろう?もう分からない。速く、速く教えてくれ!
「いいよ」
「え?」
僕は思わず返してしまった。何が起きているのか分からない。あの立春さんに【いいよ】と言われた?そんなはずがない。こんな冴えない僕なんか誰も見てくれない。でも、もし仮に本当だとしたら?頭はもうパニック状態だ。
耳元になにかが近づく音がする。
「あれ、聞こえなかったかな?いいよ!
あなたからの告白受け取ってあげる!」
その言葉を聞いた瞬間俺の体内の何かが動いた気がした。ん?立春さんの姿が微かに薄れていく…体が動かない……。
バタン
キンコンカンコン
学校のチャイムが鳴り響く
こ、こは、独特な匂いにこの日差し具合保健室か……
「あ。起きた。先生~兄貴起きたので連れて帰ります。」
「親御さんには連絡してあるから気をつけてねー」
近くで妹と養護の先生が会話してるのが聞こえる。
「ほら兄貴、立てるか?」
「うん」と軽く頷き立とうとするがよろけてしまった。
「ほら。痩せ我慢するな、手貸してやるよ」
「悪ぃな。ありがとよ」
手と手が触れる。暖かい、妹がここまで頼れる存在で神に感謝だな。
コツコツコツコツ
家にて
「いただきまーす!」四人の声が家内に響く
「今日は唐揚げか…」いつもは無我夢中で食い始めるが今回ばかりはそうはならなかった。今日は散々な目にあったなと一日を振り返る。好きだった立春さんのまえで倒れ、妹にも迷惑をかけてしまった。こんな兄貴で許してくれと頼むばかり。
ここで僕の妹の紹介をしよう。妹の名前は風月和風で可愛い自慢の妹だ。昔から妹を守ろうとしても失敗する僕の姿をみて柔道を習い初め逆に僕を守り始めた。
なんていい子なんだ。
謎にこのことを考えてるとふと妹が口を開いた。
「そういえば兄貴、あんたのこと運んできてくれた立春さんって人に明日お礼言ってきなよ。」
「わかった…」
予想はしてた。あんなところ誰も来ないはず。本当に申し訳ない。あれ僕、告白したよね。受け取ってくれたよね?
LINEの着信音が鳴る。誰からだろう?
重たいまぶたを開いて一番上の名前を見る「立春美咲」……
「えっ?なんで美咲さんのLINEが?」
立春さんとの会話を開く
「やっほー。体調大丈夫だった?告白の返事した瞬間倒れて私の心臓止まるかと思ったよ笑これからよろしくね、私の彼氏くん」
夢じゃ無かったんだ!心の中で謎の安心感を得る。それと同時に既読をつけてしまったため慌てて返そうとするが内容が思いつかない。
「ご、ご馳走様!」慌てて食器を流しに持っていき階段を上って二階にある自室に引きこもる。
「なんて返せばいいんだろ?LINEでお礼とか言っていいのかな?やっぱり口で直接の方が…」
ああでもないこうでもないとしているうちに時間は過ぎていく。既読をつけて十分も経ってしまった。
「これでは彼女のLINEを既読スルーする嫌な奴と思われる!」
慌ててボタンを押すが指がすべって送信してしまった。
会話の中に急に猫が「おはよう」と言ってるスタンプが大きく入ってしまった。
今ならまだ取り消し出来ると思い消そうと思った瞬間、既読がついた。
「おわった…。」
恥ずかしくなりベッドに飛び込む。頭を布団で隠す。そしてLINEの着信音が鳴る。
負の3連鎖だ
恐る恐る手をスマホに伸ばす
LINEの会話を開く
すると猫のスタンプが2つ表示されていた
なんと立春さんもそのスタンプを持っていたのだ。
心がほっとしてLINEを返信する
「今日はありがとうございました。まさか告白を受け取って貰えるとは思ってませんでした。同じクラスですよね。明日からの学校生活が楽しみです!」
既読がつく
さっきと同じの猫のスタンプでハートを送られた。僕もすかさず送り返す。
返信は落ち着いた
「よっしゃー!」と大声で叫ぶ
最高な一日だ!
チリンチリンチリ、ガチャ
枕元に置かれてる目覚まし時計を止める
いつものように準備をしいつもの朝飯を食べる。いつも時間に家を出ていつものように立春さんと学校に向かう。そう立春さんと共に。立春さん、立春さん、ん?
現実に戻ったようだ。告白したのは昨日
なのに立春さんが玄関の前で待ってる。
慌てて言いを出て挨拶する
「立春さん、こんなとこれで何してるんですか?」
するとキョトンとした顔を見せる
「えー、アッキーLINE見てないでしょー笑」笑顔になって言われた。
急いでスマホで確認した
「明日から一緒に学校行こ!」
自分の不甲斐なさに愕然とした。
「すみません!」と謝る
「別に謝らなくていいよ。そんなことより早く学校行かないと遅れるよー」
二人で歩くのは妹だけだったからなんか不思議だ。
「ねぇ。これからアキナのことアッキーって呼んでいい?そっちも私のことミサキって呼んでいいからさー」
「いいですよ美咲さん!」立春さんが怒った顔をした
「もう!ミサキでしょ!笑」
おかしなとこらのないカップルの会話
こんな時間がずっと続けばいいのに。心からそう思う。そうなってくれれば…
第一話~完~
初めての投稿だったので緊張しました
中学生なので投稿は少なめですが暖かい目でご視聴ください