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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自分がオカズにされた回数が分かる女の子

作者: ヒロモト

私には生まれながら男の頭の上に数字が見える

これは男が『私をオカズにした』回数だ。


廊下を端から端まで歩きながら男子の頭の上の数字を見ていくと驚いたことに『0』は一人もいなかった。

私ってモテるのかな?それともエロいと思われてる?


あっ。一人桁が違う男子がいる。

私に告白してフラれた子。233。

確か初めて会ったのがクラス替えの時。その時の数字は0で今は夏休み前。

……そんなにして疲れないのだろうか?


「……」


私はあることを思い出して気持ちが悪くなった。


「……お父さん」


私の義父の数字は4000を越えている。


やたらボディタッチが多かったり一緒にお風呂に入りたがった。

『母さんが間違ったみたいだね』と私の下着を返しに来たことなんて何回もあった。

私は私が見えるこの数字の正体を知ってから義父が怖くて仕方がない。

家に帰りたくないな。




私は高校卒業と同時に家を出て大学卒業と同時に結婚した。

相手を見つけるのは簡単だった。

頭の上の数字を見れば私に好意をもっているかなんてすぐ分かる。

やはり父は私の上京も結婚も反対したが

「本気でこの人と結婚したい」と言ったら折れてくれた。

父親として決断してくれたのが嬉しく。やっと本当の親子になれた気がした。


それから父は老けた。


まだ50代後半だというのに白髪だらけになり痩せ細った。

持病も増え、通院ばかりしているらしい。

頭の上の数字は私が結婚報告をした日から一切増えていない。

男としての父は死んだのだなと思った。




「すっかりおじいちゃんね」


母が5才になる私の娘を抱っこする父を見てしみじみとそう言った。


「お父さん。体大丈夫なの?」


「あんたが出てってから老け込んでだけど……孫が出来てからは元気を取り戻して来てるみたい。孫の成人式まで頑張って生きるんだってさ」


良いことだと思った。

性癖を除いたら父は人間としてとても尊敬できる。

きっと私や娘に多くの知識を与えてくれるだろう。

……あとお金とかね。





一週間実家に泊まっての帰り道に娘が言った。


「お母さん」


「なあに?」


「おじいちゃんの頭の上の数字はなんだろう?」


「え?」


一瞬で体が熱くなり、すぐに冷や汗が出てきた。

私の能力は娘に遺伝していたのか。


「お泊まりの日は0だったけど今日は12だったよ」


孫可愛さ故にと思っていたが、思い返すとベタベタし過ぎていた。

頬にキスをしたり一緒にお風呂に入ったり布団で寝たり……。


「お母さん?」


「……その数字の事はいつか教えてあげるね」


男としての父はまだ死んでいなかった。


『今度はこちらから遊びにいくよ』


『孫にすぐ会えるように近くに引っ越そうかな?』


父が娘に言っていた事を思い出すと呼吸が浅くなって苦しくなる。

私はこれからどうすればいいのだろう?どうしたら娘を守れるんだろうか……?




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― 新着の感想 ―
頭の数字で好感度がわかるっていうけど エロい目で見てるだけの人とか普通にいると思うんだが・・・
[一言] 父親がホラーだと思われがちだけど本当のホラーなのは何故か自分をオカズにしてる回数だと思い込んでる本人だって話
[気になる点] うーん、女の人はこういうのぞっとするのかなあ? 男って、想像と現実の他人との付き合いは別ものって理解してる人が多いから、このじっちゃんが絶対、襲ってこないのはほぼ確信できるんだけどね。…
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