聖母
くっそ短いです
「それで、このままだと光が殺されるから……」
「つまり、コウが昨日言ってた夢って予知夢って事?」
「そう。だって、あんな鮮明な10年間分の夢を普通見る?俺は多分、光を死なせない為にあんな夢を見てたんじゃないかと思うんだ」
「なるほどね……」
「……信じてくれるのか?」
「コウがそんな趣味の悪い嘘を付かない奴って知ってるから」
「光っ!」
感激して抱きついてしまった。
「……みんな見てるから!それに今は真面目な話してるんでしょ!?」
赤面した光に叱られてしまった。
「……すみません。……可愛いなぁ、もう!」
「……話の続きするわよ?」
「すみません、思った事が口に出てしまいました」
「……これからは気を付けて。で、話の続きだけどなんで私、コウの手伝いできないわけ?」
「いやいや話聞いてた!?俺は光を死なせたくないわけ!手伝うとか絶対ダメだから!」
「知らないわよ。コウが何言っても手伝うわ。それに、戦う以外に他にも出来ることあるでしょ?」
「まさか話し合いとか言うんじゃ、」
「違うわよ。通り魔と話し合いとかするわけないでしょ。……コウ、その犯人の格好とか覚えてない?」
「……忘れたいけど覚えてる」
光が殺された瞬間の光景は脳裏に焼き付いてるからな。
「じゃあそこに現れる前に警察に通報すればいいじゃない。こういう服装の刃物を持ってる怪しい人がいましたって」
「そしたら戦わずに済むし犠牲者も居なくなる……」
「ていうか、コウは戦って通り魔をどうにか出来ずに死んだらどうする気だったの?」
「そりゃあ……考えたくないな……」
せっかく光と付き合えたのに死ぬなんて絶対嫌だ。
「コウは頭良いとは思うけど前から独りよがりな所あるから。これからはなんでもちゃんと相談しなさい?」
聖母の様な表情で諭すように言う光。
「……お母さん?」
「誰があんたの母親よ。恋人だわ」