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リミッター解除!

 俺にラーメンを奢って貰うという権利を早速、光が使うと言う事で光イチオシの駅前にあるラーメン屋に連れていかれた。


「らっしゃい!」


「親父さん、バリカタ2つねっ!あと餃子も単品で2つお願い」


 慣れた様子で親父さんにラーメンを頼む光。


「あいよっ!」


「コウ、席に座りましょ」


「あ、うん」


「どうしたのボーッとして」


「いや、注文の仕方慣れてるなーって思って」


「そう?普通じゃない?……ところでコウ!ここはねこってりした豚骨ラーメンなんだけど麺とスープが最っ高にマッチしてて美味しいのよ!麺も餃子も美味しくてね!皮はパリッモチっとしてて、中からはジュワッと生姜とにんにくのあんが……」


 早口でこのお店の魅力を一生懸命伝えてくる光。


「そんなに、ここのラーメンと餃子が好きなんだ」


「うんっ」


 ニコニコとした笑顔で頷く光。可愛い。


「……あ、そういえばラーメン奢るって話だったのに無意識で勝手に餃子注文しちゃったわ」


 ハッとした表情になる光。


「いいよいいよ、それくらい。それにここの餃子めちゃくちゃ美味しいんでしょ?」


「そうなのよ!普通の餃子は……」


 ラーメンが来るまで熱い光のラーメン・餃子トークを聞いていたらこちらまで食べるのが凄く楽しみになってきた。




 ―――






 光の言っていたことは本当で、ラーメンと餃子はめちゃくちゃ美味しかった。


『ごちそうさまでした』


「ありがとうございましたぁ!」


 2人で親父さんにごちそうさまでしたを言ってお店から出る。


「美味しかった〜」


「でしょ!」


「これは……週3くらいに増やす?」


「だ、ダメよ!……や、やっぱり間を取って週2で!」


「オッケー」


 俺もすっかりあの店のファンになってしまった。



 ―――



【光視点】


 豚骨ラーメンやニンニクの入った餃子を食べたので仕方が無いのは分かっているが自分の口の臭いが気になる。


 自分1人だけだったらあまり意識しないのだが隣にはコウが居るのだ。


「ねぇ光、ソフトクリーム食べない?ここら辺に美味しいソフトクリームのお店があった気がするんだけど……」


「ソフトクリームいいわ……いや待って、これ以上食べたら太って……」


「大丈夫だって」


「ぐっ……」


 コウの言葉に甘やかされてはいけない!







「んまーい」


 バニラ味のソフトクリームが口の中に広がる。


「って違うわよ!」


「ん?チョコバニラが良かった?」


 そう言って自分のソフトクリームを私に差し出してくるコウ。キョトンとしているコウの顔を見ていると、なんかどうでも良くなっていく。


「……少し貰うわ。私もバニラ少しあげるわ」


「じゃあ食べてないところから食べて……」


 わざわざコウの食べている場所に食らいつく。下心丸出しでコウには申し訳ない。


「ん」


「え」


 コウに自分のソフトクリームをグイッと突きつける。


「……」


 ちらっとコウが私の顔を見る。


「……えっと、」


「ん!」


 コウの口にソフトクリームを突っ込んだ。







「……ごめんコウ」


「いや、いいよ美味しかったし。気にしないで」


 コウは優しい。私だったらコウにソフトクリーム口に突っ込まれたら……嫌じゃないな。むしろ興奮……って私は変態か!


「光」


「……な、何よ?」


 妄想しているとコウが真っ赤になって手を差し出してきた。


「こ、恋人繋ぎして帰ろっか?」


「こ、恋人繋ぎっ!?……すーっ……もちろんいいわよ?ほら」


「あ、ありがとうございます」


 何故か敬語になるコウ。


 コウと手を重ねる。そして、私もコウもお互いに指を絡ませる。コウの大きい手に包まれる。私の五本の指がコウの手の温度を伝えてくる。想像以上に幸せな感覚だった。


「……コウの手あったかいわね」


「ぐっ」


 そのまま少し歩いていると……手が密着し過ぎてどんどん、心臓がバクバクしてきた。


「……めっちゃドキドキしてきたわ心臓バクバクよ」


「……同じく」


「……普通に手を繋ぐより何倍もドキドキするわ」


「うん」


「恋人繋ぎって言うぐらいの事はあるわね」


「確かに」


「コウ、幸せ?」


「そりゃあもう。めちゃくちゃ幸せ。はー……好き」


「私も大好きよ」


 恋人繋ぎで、羞恥心というリミッターを解除したのかバカップルみたいな会話をしながら帰った。とても幸せだったが夜に思い出して悶絶した。


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