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第1回、第4号遺跡の探索を終えて・・・

20話まで来ました!


少しでも呼んでく楽しんで頂ければ幸いです。

 第4号遺跡の探索を終えて、2日間の馬車の旅を終えハレックの街に到着したのは夕方だ。みんなの防具はボロボロになっていた。


 この足で「ヤンの武具店」に向かうか話をしたが、皆も疲れ果てていて、向かうのは明日で良いと言う事になった。


 俺も、口ではそう言ったが結構疲れている。馬車から降りる時にふらついた・・・


 今では「鹿の角亭」の部屋は全員個室だ。ゆっくりしたいだろう。「鹿の角亭」で夕食を取って解散となった。



 俺は部屋に入り今後の事を考えてみる。第4号遺跡の10階層で見つけた「球体」。あれは一体何だったのか?他の遺跡でもあの隠し通路は見つかっていない。


 早めに、まだ見つかっていない遺跡も含めて、こちらで確保した方が良いのでは無いかと思ってしまう。


 それと、まだ発見されていない遺跡の事をどうやって情報として流すか?自力で見つけ出すには骨が折れるだろう。


 調査隊を派遣させるのが一番手っ取り早のだが・・・。


 今見つかっている各遺跡の10階層へは、今の俺たちだったらそんなに時間を掛けずに踏破出来るだろう。


 ハレックの街から第1号遺跡までは馬車で2日半、そこから第2号遺跡までは1日半、第3号遺跡までは1日の道程だ。


 そこから王都へ向かうと2日半、ハレックの街まで3日の道程で、合計10日半だ。


 各遺跡に費やす時間を各遺跡ごと2日の日程だと考えると、最短で16日半と言う日程になる。若干の余裕を見て20日の行程か・・・


 これは相当ブラックな行動だな・・・みんなに相談したら怒られるだろうか?


 あと、事前にハレックの街のギルドマスターに未発見の遺跡の情報を、それとなく流してみるのが得策か?時間が惜しい。


 第4号遺跡の村人からの噂話と言う事にすれば良いだろうか?


 それで動いてくれれば御の字だ。戻って来るまでに発見されていれば、そこも調査する事が出来るかもしれない。


 あと、魔鉱石を使った武具がどれくらいの日数で作って貰えるかだ。6人全員分となると一月か一月半ぐらいかかるだろうか?


 そんな事を頭の中で纏めていると、自然と眠りについてしまっていた・・・。



 翌朝、俺が朝食を取っていると、各自バラバラに皆が集まってきて、挨拶もそこそこに朝食を取り始める。


「おはよう。「ヤンの武具店」には今日行くんでしょ?」


 ブリットがさも当然のように聞いてきた。


「そうだな。皆の都合に問題なければ朝食が終わったら向かうとするか?エステルはどうする?部屋でゆっくりしているか?」


 エステルの武具は「ヤンの武具店」謹製では無い


「みんなが行くなら私も行くよ。」


 エステルの頭の上でニーニャが張り付いているのにも気にせず、同行する事に同意した。他のメンバーも問題ないとの事だったので、朝食後、「ヤンの武具店」へ向かう事にした。


「あと、「ヤンの武具店」へ向かう前に、みんなに相談したい事があるのだが・・・」


 昨夜考えていた事をどう言おうか纏められずに、言葉にし辛そうな顔をしていると、


「なに?いつものヨーンらしくないわね。どうしたの?」


 と、ブリットに『バシンッ!』背中を叩かれた。そこで腹をくくり皆に相談した。


「無茶は承知での相談なんだが、「ヤンの武具店」の状況次第では他の遺跡も早いうちに廻ってしまってはどうかと思っての・・・」


 さすがにビックリしたようだ。全員ポカンとしている。


「儂が考えた予定は、第1号遺跡から順に第3号遺跡まで順に巡る。目的は10階層の隠し通路だ。そこにある「球体」を確保する事が目的だ。第3号遺跡から王都経由でハレックの街へ戻る。最短で16日半から20日の行程だ」


 俺は正直に話した。


「うひゃ~っ!昨日のうちにそんな事考えてたの!?」


 ブリットはあきれ顔だ。


「うーん・・・考えは解りますが、出来ますかね?」


 ヘンリクも思案顔だ。


「実はもう1つ案があっての・・・。ここのギルドマスターにまだ発見されていない遺跡の噂を流そうと思っておる。」


「え?それって、ヨーンが言ってたあの2つの遺跡の事ですか?」


 エリックは何でそんな事をするのか?という顔で質問してくる。


「自力で探すとなると時間が掛かりすぎる。ならば、噂として流して調査隊を編制させて探させた方が効率的だと思っての・・・」


「なるほど。確かにその噂を信じて調査隊が動けば効率は良い。ただ、それで本当に動くのか?」


 エイナルも効率については納得したが、動くかどうかについては怪しむ。


「動かなかった時はそのときだ。こっちが20日掛けて駆けずり回ってる間を利用しようって話だ。利益はあっても害は無い。そう思っただけだ。」


「ヨーン・・・今回の遺跡探索で何か変わったね。石橋は叩かないの?」


 ブリットがからかってくる。


「昨日の夜に叩いたわい。どうしてもあの「球体」が気になってな・・・他の冒険者が見つける前に、こっちで確保しておきたい・・・そう思ってな。どうだ無茶かもしれんがやってみんか?」


「面白そうだし、私は異論は無いよ。疲れも昨日一晩眠ったらすっかり良くなったしね。」


 ブリットはまた新しい冒険が出来る事を楽しむように賛同してくれた。


「女性のブリットさんがそんなに乗り気じゃ、僕らとしては断れませんね」


 男のプライドだろうか?男性陣も賛同してくれた。後は防具や武具がどのくらいで準備出来るかだ。



 相談も終わり、「ヤンの武具店」へ向かう。


「お!帰ってきたか・・・って!なんだその防具は!?ボロボロじゃねえか!」


 俺たちの姿を確認した親父さんの第一声はこれだった・・・


「約束通りレベル20越えさせてきたぞ。」


 俺のその言葉に親父さんは驚いている。


「いくつになったんだ?」


 眉間にしわを寄せて親父さんは訪ねる。


「レベル25だ。」


 俺はカッコを付けて自慢する。


「無茶はするなと言ったはずだが?」


 親父さんのこめかみに青筋が浮かび始める・・・ヤバい・・・!


「無茶はしておらん。親父さんの防具のお陰でな。」


 ここで俺は親父さんの仕事をヨイショした。


「嘆くべきなのか・・・喜ぶべきなのか・・・まあ何にせよ無事で何よりだ。」


 オヤジさんは複雑そうな顔を浮かべた・・・ヨシッ!


「で、オーダーメイドの件だが、魔鉱石がどのくらい必要か解らんかったからの・・・これくらいで足りるかの?」


 そう言って、宝箱から出土した分も含めて約200kg位の魔鉱石を親父さんに出して見せた。


「なっ!!こんな分量はいらねえ!って言うか良くそんなに手に入ったな!?」


 親父さんは呆れつつもそう言った。


「持っていてもしょうが無いから預かってくれ。余ったら引き取るわい。」


 魔法鞄にも限界がある。出来れば少しでも軽くしておきたい。


「装備は今のままの付与も含めた上位互換で良いのか?」


 まずはそれで良いだろう。必要と感じたら親父さんに相談すれば良い。


「その前に魔鉱石を使った武具になると、どんな点が良くなるんだ?」


 今まで細かくは聞いてはいなかった。ましてこんなに早くレベルが20を超えるとは思ってもみなかったのだ。


「ああ・・・説明してなかったか?魔鉱石の武具は、その強度が鋼より高くて粘りがあるのに鋼より軽い。あとこれが最大の特徴だが、体を流れる魔力に反応して自己修復機能が付く。」


「レザーアーマーより軽くなるのか?」


 それなら全員プレートメールだが、そこまで万能ではあるまい。


「その辺は工夫次第だな。」


「前に採寸もしてあるし、魔鉱石がこれだけあれば俺がうまく皆の武具を揃えてやる!」


 そう断言してくれた。


「期間はどのくらいかかりそうだ?」


親父さんの腕は信用しているが、製作期間が掛かりすぎるのは困る。


「そうだな・・・数が数なだけに・・・一月半は欲しい所だが・・・一月で何とかしてやる!」


 そう言って俺にウインクして来た。


 俺が一月でやってくれと言おうとしたら、親父さんの方から折れてくれた・・・しかしオヤジのウインクは要らない!


「あと、ヨーンのバトルアックスも置いていけ。魔鉱石で改造してやる。その方がいいもんが仕上がるはずだ。」


「解ったよろしく頼む。あと、今の武具もメンテナンスを頼みたい。こっちが優先だ。どのくらいで出来る?」


「そうだな?3日も有れば出来るぜ?」


 みんなは装備を親父さんに武具を預けていく。


「じゃあスマンが頼む。3日後の昼過ぎに取りに行く。あとでバスターソードも持って行くからそれもメンテナンスを頼む。」


 この20日間はお気に入りのバトルアックスは使う事が出来ないのか・・・。そんな事を考えていると、


「いや、バスターソードはいいだろう。バトルアックスは3日後には仕上げて置いてやる。」


 とんでも無い事を言いだしてきた。本当に出来るのだろうか?


「出来るのか?」


 信じられないとばかりに確認してしまった。


「誰に言っている?それに獲物が無きゃ戦えんだろう?」


 何だかんだ言っても良く解っている親父さんだ。


 そう言って「ヤンの武具店」をあとにした。



 メンバーともそこで解散し、俺は次の目的である情報操作の為に、冒険者ギルドに向かった。


「あ!ヨーンさん~。お久しぶりです~。」


 いつもの垂れ耳犬娘受付嬢さんがいつもの口調で対応する。


「すまんが、セディット氏と話がしたいんだが?」


「チョットお待ち下さいね~」


 そう言って奥へ引っ込んだ。少しするとセディット氏が顔を出す。


「第4号遺跡では新しい隠し扉を見つけたようですね。さすが『探索者』だけのことはある」


 とヨイショしてきた。俺はチャンスだと思い、話を切り出す。


「噂を聞いたんだが、未発見の遺跡の件だ。人の居ない所で話したい。」


 ワザと真剣な口調で話しかけた。するとセディット氏は奥の応接室に案内してくれた。


「新しい遺跡の情報ですか!?」


 セディット氏が自然と小声になっていく。


「ああ、第4号遺跡の村人からそんな話を聞いた。一人二人なら気にはしなかったんだが、第4号遺跡と似たような遺跡を見たと複数の人から聞いてな。信憑性はあるのでは無いかと思っている。」


「具体的な場所も聞いたのですか?」


「ああ、第4号遺跡から南東に一日も掛からない場所だという。ハレックからだと東北東へ約2日と言った所だろう。」


「う~ん・・・村人の噂話で調査団は出せるかどうか・・・」


 悩んでいるか・・・


「それともう一つ、ハレックから北北西に二日程行った所にも見たという噂があった。ワシが手に入れた地図で確認したら、丁度ハレックを中心にしてローランの街の反対側にも遺跡があるらしい。」


「一度に2つの情報ですか!う~ん・・・」


「信じるか信じないかはセディット氏に任せるとしよう。ワシ等は4日後には第1号遺跡から第3号遺跡を順に廻ってくる。戻りは出発してから20日後の予定だ。戻ってくるまでに良い情報があれば助かるがの・・・。」


 そう言って、席を立った。これで動いてくれたら御の字だ。



「鹿の角亭」で皆で夕食を取りながら、進捗を報告した。


「調査団が動くのは3割程度だな・・・第4号遺跡での隠し扉の発見の報告は届いていたから、それを加味して4割と言った所か?ワシ等が戻ったら調査に出向く素振りを見せたから、功を焦った場合は8割方動く。そんな感触だった。」


 率直な感想を皆に漏らす。


「まあ、その感触なら御の字でしょう。噂話で調査団を動かす事自体、本来あり得ない事なんですから。」


 ヘリンクの言う事はもっともだ。ただ情報に乗ってくれさえすれば良い。

 こういう事してると、仕事の根回しを思い出してしまう。


 俺は良くツアーにアニメで登場した場所をツアーに盛り込む工作を良くやっていた。バレないように仕込むのが成功の道なのだ・・・。

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