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王都ルステーゼに行ってきます

 冒険者ギルドから緊急の呼び出しがあった。何かあったのかと思い、俺たちは慌てて冒険者ギルドへ向かった。


 出迎えてくれたのはいつもの垂れ耳犬娘受付嬢さんでは無く、ギルドマスターのセディットさんだった。


「急な呼び出しで申し訳ない。王都へ向かって貰う件だが、明日で決定した。」


 おっと、最短5日、最大10日と踏んでたのに、4日で迎えが来るとかどれだけ急いだのか・・・


「え?ヤケに早いな?早馬でも連絡調整で2往復ぐらいすると思っていたのだが・・・」


 俺は率直な感想を漏らす。


「我々も慎重に事を運ぼうとしていたのだが、本部が復路の早馬と同時に運搬用の馬車も同時に出発させたという報告が入ったのだ。そう言うこともあり、準備もあると思って報告させて貰った。」


「実際本部ギルドに行って、我々は何をすれば良いのかの?」


 そこが問題なのだ。何か根掘り葉掘り聞かれると、余計なことまで話してしまうんじゃ無いかと気が気では無い。それに洞窟が倒壊してしまっている。責任を取れと言われるかもしれない・・・。


「まず、発掘された財宝が本物か鑑定されるだろう。その後、魔法のアイテムとそうで無いものに分別される。希少性の高くないアイテムは、希望により引き渡すか買い取る形になるだろう。逆に希少性が高いものや、危険性の高いものは最終的に国の管理に置かれることになる。ただ、それも没収という訳じゃ無い。それ相応の代価が支払われることになるだろう。全部本物だと考えると、金で爵位が買えるような金額になるだろうな。もしそうなったらどうする?」


 やなフラグ立てないで欲しいなあ・・・と思いつつも、


「そんな大金が手に入っても使い道に困るだけだ・・・我々のレベルもまだまだだしな・・・取りあえずその間は本部ギルドで待っていれば良いのか?」


「あれだけの量だ。一日では処理しきれんだろう。」


 それ以外にも、未発掘の遺跡も目処がついている。そこでも財宝が手に入ったらそれこそ国に狙われるんじゃ無かろうか?


 もっと古代王国期のことを調べた方が良いだろう。TRPGにも古代王国期のことは何も触れていなかった。何かあるのかもしれない。そんな余計なことを考えていると、


「たぶん王都で宿泊施設を用意してくれるはずだ。鑑定が終わるまではのんびり王都観光を楽しむと良い。」


 オッと観光!?旅行会社元社員として魂に火がついちゃいますよ!?


「えっ!観光出来るの!?」


 ブリットとエステルも食いついた。俺も王都観光には興味ある。異世界物の書籍では王都観光は結構王道だ。名所の見学をしたり美味しいものを食べたり・・・うん。夢が膨らむ。


「んっ・・・うん・・・で、王都観光というと何か見所とかは有るのかの?」


「まずはその景観だろう!この気候風土豊かで、ここ400年以上戦争も無いこの国の王城は、白亜の城と言われる程!いわば芸術品みたいなものだ。物も豊かだ。それに食べ物も斬新な品が数多くある。このハレックも良い所だが、王都は圧倒的だぞ!」


「そ・・・そうか。前回行った時はよく見ていなかったから、今から楽しみだな。待たせて貰っている間のんびり観光させて貰おうかの。」


 うん。観光は確定だな。皆も興味津々だ。


「了解した。装備は付けていくがかまわないな?」


「ああ。道中は向こうから派遣された冒険者も同行しているが、万が一と言うこともある。護衛メンバーとして、これはハレック冒険者ギルドからの依頼として同行してくれ。」


「解った。正式な依頼として引き受けよう。」


 話がまとまると各自旅の為の準備を進める。王都での滞在期間も含めればかなりの日数になるだろう。


 往復で6日間王都の滞在期間が最低でも3日くらいだろうか?となると最低9日間だ。


 旅行業をしていた時でもこれだけの日数出掛けたことは無い。準備するにしても大がかりだな・・・。


 午前中にもかかわらず、「鹿の角亭」の食堂で何を準備するのか話し合う。


「取りあえず着替えでしょ?それ以外に何かある?」


「まあ、冒険者としての道具が揃っていれば、大丈夫か?最悪日数が増えたとしても着替えは現地で洗濯させて貰えば良いし。」


「洗濯させて貰えるなら日数分なんて用意しなくても良いですよね?」


 聖地巡りで旅慣れているヘンリクは現実的だ。


「まあ、魔法鞄が有るとはいえあまり大荷物にならないようにな。」


 俺がそう言って締めくくると、各自準備に取りかかった。



 翌日の午前中に迎えの馬車が到着した。迎えの馬車は2台だった。荷物を積み込み次第、このまま折り返し王都に向かうそうだ。


 護衛の冒険者が1台目の馬車に6人同乗している。2台目の馬車に俺たちが乗り込むそうだ。


 冒険者同士お互い挨拶を済ませて、目的の荷物を1台目の馬車に積み込む。そしてシートを被せて目立たないようにする。しかも運び出せ無いように鎖で固定してある。そして、エステルの魔法で鍵を掛けた。


 2台目の馬車にも同じようにダミーの宝箱を積み込んでいる。もちろんこちらの宝箱に入っているのは石ころだ。こちらも同様だ。


 1台目と同じようにシートを被せ、目立たないようにさせている。ずいぶん厳重な物だと思う。


 そして3日間の旅は始まった。1日目は何事も無く進む。途中日が暮れる前に野営の準備をしたのだが、同行した冒険者達が感心していた。


「こんな豪勢な野営は初めてだ!狩りでこんなに獲物を仕留められるなんて思わなかったぜ。」


 ああ、これはニーニャの幸運のお裾分けだな・・・そんな事を思いつつもその夕食にありつく。


 ニーニャがしたり顔でいたから間違いないだろう。明るくなる頃には出発するとのことなので、その後は火の番の順番を決めて早めの就寝した。野営の順番は、王都組が先、俺たちが後と各6人体制で決まった。


 2日目も順調だ。この調子でいけば明日の昼には王都に到着出来るだろう。


 1日目と同じように野営の準備を行い、何名かが狩りを行ってきたが今回も大漁だった。ニーニャ様々だ。


 王都から派遣されてきた冒険者には、ニーニャのことは俺たちの仲間だと伝えてある。ただあまりに小柄な為戦闘は何も出来ないとも伝えてある。


 ただ、フェアリーは居るだけでも幸運が授かると言われているらしく、羨ましがられた。


 野営は昨日の逆順と言うことで、先に俺たちが見張りに付き、後半は王都組だ。


 王都組が寝静まった頃俺たちは小声で話をする。


「王都に着いたら何する?」


 ブリットが話を切り出してきた。明日の昼には王都に到着するのだ。気持ちだけは既に到着している。


「まずは名所巡りだろ?」


 俺は名所を巡りたい。デジカメが欲しいなぁ・・・


「美味しいものもあるって言ってたから何か珍しい露天とかもあるかもね?」


 ブリットは花より団子はなのだろうか?


「王都の景観が素晴らしいって言ってたけど、俺たちの世界辺基準だとどの国に近いんだろうな?」


 ハレックの街もヨーロッパ風な雰囲気を醸していたから、間違ってもアジア風では無いだろう。


「ドイツやフランス?イタリアの雰囲気のありかな?」

「それを言ったらスペインも欠かせないでしょう?」

「サクラダファミリアみたいなお城とか?」

「イギリスのウィンザー城や、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城の方がお城としては王道だよ。」


 みんな言いたい放題だ。盛り上がりすぎて王都組の仮眠を邪魔していないだろうか?


 そんな話で盛り上がっていると急にエイナルが厳しい顔つきになり、耳を細かく動かしている。


「王都組を起こせ・・・襲撃だ!」


 俺も神経を集中させると空気が変わっているのが解る。微かに殺気が紛れているのだ。起こされた王都組もすぐさま迎撃態勢を取る。


 それを合図にしたように、黒ずくめの集団が俺たちに襲いかかる。俺たちはヘリンク以外は夜目が利く。王都組は全員人族だ。明かりを頼りにしないと旨く立ち回れない。


 事前に打ち合わせしていたように、各自担当していた馬車を守る。襲撃者の武器をよく見てみるとヌラリとしていた。たぶん毒が仕込まれているのだろう。俺はすぐに、


「相手の武器に毒がある気を付けろ!」


「エリックは光魔法を掛けろ!照明弾の要領だ!!」


 俺はエリックに明かりの魔法を頼む。照明弾の代わりだ。明かりを確保出来たことで王都組もきっちり応戦出来た。


 毒武器への注意をしながら応戦する。それ以外の基本は一緒だ。相手の攻撃は俺がすべて引き受け、ヘンリクとブリットが隙を狙いすましたように攻撃する。

 

 こちらも隙があればシールドバッシュを放ち相手を吹っ飛ばす。武器攻撃は相変わらず当たらない。


 エステルは使い慣れたファイヤーアローを敵に放つ。当たった瞬間に大爆発!おなじみのクリティカルだ。


 こちらは思いの外早く無力化できた。王都組もエリックの光魔法のおかげで襲撃者の撃退に成功していた。


「いやぁ・・・あの明かりの魔法には助かった。松明片手に武器で応戦じゃあ、殺られてたのはこっちだったかもしれねえ・・・」


「いや、ワシ等は夜目が利くが、人族はそうは行かんからな。皆無事で何よりだ・・・」


 そして、傷を負った者はヘンリクの解毒魔法で回復させた。


 その後、生き残った襲撃者を縛り上げ顔を確認するも、見覚えは無い。王都組に確認してみるも見覚えは無いという。


 まず、姿格好からして山賊等では無い。全員同じ黒装束をまとい、統率も取れていた。


「おい。お前達、何が目的でこのキャラバンを襲った?知っていることを話せば命は助けてやる。」


 そう言うと・・・


「ぐふっ・・・・」


 仕込み毒でもしてあったのだろう。こちらが問い質す前に自害してしまった・・・


 今回の輸送の情報が漏れていたと言うことだろう。それが何処からからなのかが不明だ。


 死体をこのまま放置する訳にも行かず、仕方が無いので襲撃者を土魔法で掘った穴に埋葬することにした。


 人数分穴を開け、一体一体埋葬していたが、斬撃を受けた死体に目が行った。胸の所に蝶の入れ墨がある。


 個人の趣味かと思ったが、何か引っかかる。他の死体も確認してみたがそれぞれ場所は違ったが同じような入れ墨がしてあった。


 そんな死体あさりとも取れる行動をしていた為、王都組の冒険者も気になったのか何をしているのか聞いてくる。


「この蝶の入れ墨を知っているか?」


「いや・・・見たことは無いな・・・」


 嘘をついているようには思えない。結局遺体を処理した後、その日は徹夜の見張りとなったのだった。


 しかし気分は最悪だ。さっきまで盛り上がっていた観光の話はそれ以降しなくなってしまっていた。


 辺りが明るくなると馬車は予定通り出発した。今日の午前中には到着出来るだろう。


 冒険者ギルドに到着したら、蝶の入れ墨のグループのことを調べてみようと考えていた。

頑張って書いたけど、戦闘の表現が旨く出来ません・・・。

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