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第12話発展開始



 「マイクチェックワンツーワンツーイェエヤ」



 勇気はキレッキレのリズムに乗りながら華麗なマイクテストをしていた。



 「こちら夏、マイクテストOKです。 その不快なマイクテスト直ちにやめてください。 


 「こちら勇気、了解です。 ちなみに何点でしたか?」


 「文句無しの0点です、早く発展の為の資材を運んで」


 「わかったよ、何運べばいいの?」


 「今あんたの後ろに下ろしたからとりあえずそれをスペースのある所まではこんでくれないかな」


 

 後ろには勇気の身長ぐらい白い箱が置かれていた。 勇気はそれを重力操作を駆使し周りに何もない所に動かした。



 「上の面の真ん中にある赤いボタンを押してみて」



 勇気は夏の指示通りにボタンを押すと箱の外面は外れ地面にゆっくりと倒れた。 中には透明の箱の中の中心に玉が浮いていて赤、青、黄色と色んな色に変わっている。



 「これなんなの?」


 「それは簡単に言えばセンサーかな、地質を調べたり、空気を調べたり、拠点作りに最適な土地か調べる物。 それを地面に穴を2mぐらい掘ってから埋めてね」


 「センサーね、それはわかったけどさ、小学生の砂場じゃないんだからそんな簡単に土掘れないよ」


 「それはこれを使って」



 夏はコントローラーを操作し、再び勇気の元に箱を届けた。



 「今度は何かな!」



 勇気は箱の上部のボタンを押した。


 

 「これは! めちゃめちゃかっこいい!」



 箱の中には手持ちサイズのドリルが入っていた。 勇気はすぐにドリルを手に持ち振り回し始めた。



 「すごいこれいっぱいボタン付いてるんだけど! 押して良いの!」


 「押すなバカ! 絶対押すなよ! まずは落ち着け! まずは地面に向かってドリルをしっかり両手で構えて」


 「わかったよ、これで良い?」


 「うん、それで良い、じゃあ右手にボタンがあると思うからそれを押して」


 「わかった」



 勇気がボタンを押すとドリルは回転を始め地面をどんどんと掘っていった。



 「ちょっとこれ衝撃が凄いんだけど!」


 「それぐらい我慢してよ、右ボタンを押し続ける限りはドリルは動くからね、掘り進めるにつれて持ち手が伸びていくから掘った地面に降りたりしなくて大丈夫だよ。 2mぐらい掘ったら左手のボタンを押してね」



 勇気は順調に地面を掘り進めていき2mぐらい掘ったと思った勇気は左手のボタンを押した。


 「その時掘った石やら砂やら一気に勇気にかかってきた」



 その様子を見ていた夏は腹を抱えて笑った。



 「ごめんっっいっってなかったね」



 夏は笑い過ぎて満足に会話出来なくなっている体をを何とか落ち着かせようと努力した。



 「お前笑い方アッヒャヒャヒャって結構やばいからな、後本当に、性格悪いな」



 土を払いながら勇気はそう言った。



 「うるさいわ、さっさとドリルをもう一度設置して掘った土を穴から出してセンサーを置いてよ」


 「わかった、わかった」



 勇気はもう一度ドリルを起動させ左のボタンを押した。


 するとドリルはホースのような物に形を変え、土を外に吸い出し、土は穴の外に積もっていった。



 「それでどうするんだっけか、このセンサーをこの穴に落とせば良いのか」


 「落とすんじゃないよ、ゆっくり丁寧にやってよ」


 「はい、はい」



 勇気はゆっくりとセンサーを穴の中に入れ土を今度は土を出した逆の要領でドリルをホースに変化させ、穴を埋めた。



 「良し、情報がこっちに来たわ、酸素量が地球よりだいぶ少ないみたいね、私達のようなΩが体内にある人は生活出来るだろけど普通の人間はエベレストで毎日生活しなきゃいけないようなものね」


 「俺らが生活出来るなら大丈夫じゃん、早く探検しに行こうよ」


 「ダメ、私達は一般の人間の移住を想定しての先遣隊だから、明日からは一般人間でも普通の活動が出来る拠点作りに移っていくわ、引き続き勇気が多く働く事になるだろうけどよろしく」


 「全然探検出来ないじゃん! もっと月を楽しみたいのにーー!」


 発展は小さな努力の積み重ね、勇気は映画のような宇宙での活動を期待していたかもしれないが実際は、偉大な功績の裏にほど小さな努力の積み重ねがあるものなのだ。


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