リベンジ
24日中に2本目いけませんでした。惜しい。
流水の構え→流水の型に変更しました。
「''古式 抜き足'' ''古式 手刀''」
「我が叫びに応え、我を守れ!闇魔法''叫びの壁画''(シャウト・ウォール)」
眼前に現れた巨大な壁をものともせずシュウは手刀で切り裂く。
「あっぶな。」
ザールは間一髪後ろに飛び退いた。
『スキル''隠密'',''気配遮断''、''剣術''を獲得した。』
シュウの頭の中にログが流れて来る。
今、シュウはアマイモンへのリベンジのために創造神のメッセージに従い、スキル習得に勤しんでいる。
シュウが元の世界で体得していた''古式武術カタギリ''。この中には使うとこの世界で言うスキルを獲得できるものが含まれていた。
これまで獲得したスキルは、五十メートル以内の任意の距離を一瞬で移動出来る''縮地''、空を駆ける''天駆''、魔力のを自在に操れる''魔力操作''、そして''隠密''、''気配遮断''、''剣術''の六つである。ちなみに、ログは''通知オン''と試しに唱えてみたら自動で流れてくるようになった。
手刀で剣術スキルを獲得したのは納得出来ないな。
「主人様は、魔法は使えないのですか?」
ザールが敬語に加え主人様と呼ぶようになったことにむず痒さを感じていたが、やめろと言ってもやめなかったので気にしないことにした。
「ああ、魔力は感じられるし、操作も出来るのだがな。」
そう言ってシュウは魔力を指先に集中させ、ピストルの要領で放った。魔力の弾丸は砂に触れ、爆発した。
「こうゆうのは出来るが、お前みたくは出来ないな。ああ、爆発しないバージョンも出来たぞ。」
「そ、そうですか。」
爆発の後には大きなクレーターが出来ていた。
逆にそんなん出来る方が珍しいからな。魔力をそのまま放出するとか大罪クラスじゃないと出来ないから!
そう思ったがそのまま言えるはずもなく、黙っておくことにした。
「主人様は魔力量も操作の精密さも圧倒的ですので、イメージさえ出来れば大丈夫かと。あとは詠唱ですね。」
やっぱ魔法は憧れるからなぁ〜。後で試してみよう。
シュウは決心した。
「ザール、ここまでで俺はアマイモンと戦えそうか?」
「十分過ぎます。もう少し魔力を抑えたり態度を柔らかくしないとすぐに降伏されてしまいます。それだと心置き無く復讐も出来かねますでしょう?」
そうなのか、と頷き少し考える。しばらくしてシュウは魔力を抑え、ザールに満面の笑みを浮かべて、
「どうですか?これならいかがでしょう?」
と聞いた。
高校の文化祭での接客技術である。シュウは誰がみてもカッコいいと言われるほどの容姿なのでさらに柔和な感じが出ている。が、目の奥が全然笑ってないので、フランス人形的な怖さを感じる。
「そ、それなら大丈夫でしょう。では、付いてきて下さい。」
内心、ザールはビビったがこれ以上はどうしようもない、と諦めた。
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「あそこで戦っているのがアマイモンです。」
「何で既に戦ってるんだよ!」
アマイモンは、まるで金属のような光沢のある、鋭く尖った尻尾を自在に使い暴れていた。
「ここは戦闘以外何も道楽がありませんからね。遊びの一つです。」
遊びの一つで殺し合いとかどんな戦闘狂だよ。と少し呆れた。
「まぁいいか。他の奴らからやろうか。」
シュウは魔力の弾を複数作り出し、アマイモン以外を狙って放った。
「そのまま魔弾、ってどころか。」
魔弾は正確に着弾し、悪魔達は弾けていった。
「なんだぁ?」
アマイモンは突然のことに驚いている。
「アマイモンさんですよね?私が分かりますか?」
精一杯の笑みを浮かべ、確認した。
「ザールじゃねぇか。そっちは…ああ、思い出したぞ。新しく産まれた奴だな。お前を倒したら一気にレベルが上がったからよく覚えてるぞ?どうした?配下になりに来たか?」
アマイモンは、高慢な笑みを浮かべている。
「いえ、貴方にリベンジして差し上げようと思ってな。」
シュウは''縮地''で近づき、首へ手刀を振る。
アマイモンは間一髪、腕を犠牲にし軌道をズラした。
「私とお揃いにして差し上げるのに…」
「チッ、手が早ぇじゃねぇか。お返ししないとなぁ!
汝は囚われる、己の欲望に、土魔法''土握''(ロック)
焔の竜は蜷局を巻き、炎熱の風が吹き荒れる、我に宿れその炎よ!火魔法''炎竜槍''」
足元から現れた手にシュウの足が囚われてしまう、そこへ炎を纏ったアマイモンの尾が襲いかかる。
しかし、シュウは落ち着いて対処した。
「''古式 流水の型 撃流し''」
炎を気にせず尾を受け流す。今更、シュウにとってこの程度の火は気にはならなかった。
「何だと⁉︎素手でっ!」
アマイモンはまさか平然と対処されるとは思っていなかったため、驚愕した。そして、シュウはその隙を見逃さなかった。
「''古式 手刀''」
''切断''スキルを纏った手刀でアマイモンの首を断ち切った。