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死を乗り越えて

改稿←ステータス部分のユニークスキルが空白のままになっていたので、???にしました。

広がる砂のある所。砂がモゾモゾと動き始める。砂が盛り上がっていき、形を帯び始める。そこへさらに砂が集まっていき、人型で落ち着く。


「っはぁ、はぁ。」


秀は蘇った。


「何で、何が、起こった?」


訳もわからず二度目の死を体験したため、死ぬ前の状況を覚えていない。必死に記憶を辿り、何が起こったか思い出そうとする。


「誰かが、何か言っていた…甘い、とか言っていたのか?いや、それよりも、首が動かせなかった?急に視界が消えた?」


秀はだんだんと答えに近づいていく。しかし、余計なものまで思い出してしまう。


「そうか…俺は…死んだ、首を斬られて…」


「あああ、痛い、痛いぃぃ」


首を斬られたときの痛みを思い出してしまった。斬られたときは混乱で痛みを感じていなかったが、痛み自体はあったのだ。その痛いという感覚が蘇ってきたのだ。どんなに痛くても実際に負傷はしていないため、死ねない。気を失おうにも失えない。ただ、痛みが首から全身へ這う、その感覚を受け入れることしか出来ない。無意識の叫び声も気休めにすらならない。


「うぁぁぁ。」


さらにその叫びが悪夢を呼び込む。


「イキがいいねぇ。」


「本当だ、しかもこいつ若いね。」


「三つに分けるか?」


「いいねぇ、俺が初めに見つけたから頭だよぉ。」


「じゃあ俺、胴体。」


「手足かよ。まぁいいけど。」


「「「せぇの!」」」


秀は無残にも三度目の死を迎えた。


###################


秀はまた蘇る。今度は思い出すのにそうは時間がかからなかった。前回よりもさらに酷い痛みが襲う。首だけだったのが、四肢も加えられた痛みだ。秀は我慢できずに叫び、また別の者に殺される。



このサイクルを何周にも秀は味わった。

だが、終わりは来るものだ。



毎度のように蘇る。そして思い出す。しかし、その記憶には痛みが伴ってこない。自分が殺されたときの状況は覚えている。なのに、痛くない。


秀は死の痛みを克服したのだ。それに思わぬプラスが出た。幾たびもの死に耐えた秀の精神は異常な程の強さになった。強い精神は冷静さを生む。


何度目かの復活から、必ず近くに自分を殺そうとする者がいるようになった。それは今回も同様である。


「聞いたのと違うじゃないか。いつも叫んでるって言ってたのに。」


だから尋ねた。


「お前は誰だ?何だ?」


「うん?お前喋れたんだな。なおさら聞いてないぞ。」


「答えろ。」


近づこうと、一歩踏み出す。


「はっ?お前、どうやって?」


これには秀も少し驚いた。一歩だけで相手の目の前まで移動していたのである。

しかし、すぐに秀は続ける。


「答えろ。」


「ひっ、お、オレはザール、だ。」


「で、何なんだ?見た感じ、人ではないだろう?」


「あ、悪魔だ。」


ザールは思わずたじろいだ。


(何なんだよこいつ。何で他の奴らはこいつを殺せてたんだよ。)


ザールは生まれてから何百年も経っている中級の悪魔であった。長年の経験から、秀の異常さに気がついたのだった。


(こいつ、生まれたばっかなのは正しいようだが、生まれて十年もしないやつの覇気じゃないぞ。さっきのもおそらく"縮地"の類いだろ。化け物かよ…)


「他にもいろいろ聞きたいことがある。座れ。」


ザールは言われるがまま座った。悪魔は基本的に上と認めた者には従順なのだ。


「っ、何なりとお答えしましょう。」


「いきなり敬語になったな。まぁいい。まず、ここはどこだ?聞き方が悪いな。ここはどのような世界だ?」


「ここは創造神クレイエールンが創った世界です。精霊や悪魔のいる聖魔界、人間や魔物などがいる人間界に

分かれています。ここは聖魔界悪魔域です。」


「俺も悪魔なのか?」


「鑑定スキルを持っていないため俺には分かりかねますが、"ステータスオープン"と言ってみて下さい。言葉にしなくても思うだけでもいいので。」


悪魔域に生まれたので、悪魔なのは間違いないのだろうが、それ以上の何かであるとザールは考えたので一番手っ取り早い方法を勧める。

秀は言われた通り、"ステータスオープン"と心の中で唱える。


シュウ=カタギリ

<種族>悪魔

<性別>男

<年齢>17

<Lv.>1

<ユニークスキル> ???、???、???

<スキル>自動翻訳、縮地、(*古式武術カタギリ)

<称号>神の血縁者、元異世界人、創造神の勇者、最高位悪魔


*一回使わないとこっちの世界に合わせられないからよろしくね!by創造神



「なるほど、創造神はゲームが好きそうだな。」


おそらく創造神のサービスとは、称号部分のことだろう。


「最後の質問だ。話と違うとか言っていたが、誰から俺のことを聞いた?」


「アマイモン様です。」


「聞いたことがあるな。…そうか、一番最初のやつか。確か、そのように名乗っていたはずだ。」


「場所はわかるか。」


「はい、大まかには。」


秀はやられたらやり返す性分なのだ。


「おそらく、貴方をこれまでに倒した悪魔たちも一緒にいるかと。ですので復讐には最適です。」


元々ザールはアマイモンの配下だったが、今はもう秀に服従している。より格上の主人を前に前主人はもはや関係ない。


「喜んで、ご案内します。」


「助かる、だが、行く前に少し付き合ってくれ。」


「何でしょう?」

秀は不敵な笑みを浮かべる。





次回から秀の表記がシュウに変更になります。

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