4 リクの好きな人
物語部では、恋愛ストーリーの劇をやることに決まった。今日はリクとシュウと青の帰り道話。
シュウ編です。
にやーっと笑う青。
「いいこと聞いたな~。」
そこへ、たたたっと二人が駆けてきた。
「もうっ!ひどいよ三人とも!先帰っちゃうんだもん。」
「青。次先帰ったら……。」
女子二人が来て、場の雰囲気が和む。
さきにいっていた青たちに追いつくと、リク君がピリピリしてた。顔が赤い。
「どうかした?リク君、顔赤いよ。」
「な、な、なにも!別にどうもしてない‼」
最近……といっても中学に入ってから、リク君の様子が変。マナにあってから?もしかして……まさか、リク君……。突然だけど、聞いちゃおう。
「リク君、マナのこと好きなの?マナにあってから調子変だよ。」
「なっそういうんじゃ……。」
「そうだよ。」
答えたのは、青っ⁉図星な?
「ねえ、青、それ本当?」
「ちがっ」
「うんほんと~。なあ、リク。」
……まじか?ほんとなの?
「そ、そうなんだぁ~。」
「そんなこと、どうでもいいだろっ。なんでわざわざそんな!マナのことなんて好きじゃな……」
はっとした表情でリク君が凍り付く。振り返ると、マナが涙をためてた。声をかけようとしたら、だっと走り出して、角を曲がって消えちゃった……。