結果───からの
あまり強くない光が部屋を満たし、次の瞬間には水晶に数字が浮かんでいた
"2200"
平均が3000である"貴族"の子供としては、良くもなく悪くもない微妙な数字
私はセスを仰ぎ見るが、セスは何も言わずただ頷くだけだった
水晶に浮かんだ数字が消え、次に色んな色の光が中で飛び交う
その数、7
闇である黒に始まり、光の白、雷の黄色、風の緑、水の青
あとの2つは特殊で、空間の灰色、破壊の漆黒を表していた
「はい、お嬢様お疲れ様です……お部屋へ戻りましょうか」
測定はこれで終わり、あまりにも出来すぎた結果に満足しながら私はセスに促されるままに部屋へ戻った
「ふふふっ」
今頃セスはあの地下室で見たままをお父様に報告しているだろう
魔力としては平均以下、属性は王族にも劣らぬ多才さ
利用価値という点で言えば間違いなく私は優良だろう
魔力に至っては現時点であって、成長に伴って増えるから問題にならない
それよりも、完全に先天によって決まる属性が7つ
内、2つが特殊属性に分類される事は破格の価値を持つ
私が"もし"普通の少女であったなら、明日から訪れる何不自由無い暮らしに心を踊らせていただろう
でも、残念な事に私は"普通"ではないから…
「ふふっ……会えるのが楽しみですわ、お父様」
産まれてから一度も見たことのないその人物に語り掛ける
「貴方から頂いたモノを何倍にもして返してあげます♪きっと喜んでくれますよね?だって─────」
私はきっと何処かが壊れている、そう時々想える程にこの想いは止まらない
この想いだけは…この世界に産まれた私が魂に刻み込んだこの想いだけは…
「私達は“家族”なんですから」
必ず成就させてみせる
私は決意を新たに"力"をつかった
神様より授かった強大にして絶対
この世の理を操りうる力を
「 【我が身に宿りて盾となり】 」
呟かれるのはこの世界に存在しない言語
遥か遠くにある、私の前世の故郷、地球の日本で使われている言語
「 【万難を排する剣となれ】 」
私の周りに魔力の渦が生まれる
「 【我が身は神に…】 くっ…」
魔力の渦が私の中に入り、途端に身体中に痛みが走った
血が通うように全身に訪れる激痛、体の中から壊れていくような不快感、世界に拒絶されているような疎外感、それらが一気に押し寄せてくる
「 【心は…】ぐぁぁっ 【永久の…忠誠をっ…この世界に…】 」
叫びたくても叫べない…あと一言、それでこの苦しみも終わる
「 【…誓う!!!】 げはぁ…はぁはぁはぁ」
文言を終えれば、不思議と痛みはなくなった
それ処か体から力が溢れている
世界からの疎外感もなくなり、逆に優しさに包まれているような安心感があった
※基本属性
火、雷、風、土、水、光、闇
※特殊属性
(時、空間、破壊、毒、治癒、血、幻、香、唄)など